テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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お節介アゲハと弱虫ヒナタ

第18話 - 父の想い

230

2022年10月06日

#ドラマ

#青春恋愛

#高校生

#一次創作

#第3回テノコン

×××

日向奏星

ただいま

揚羽凛太郎

お、お邪魔・・します

日向綾星

お帰り！お姉ちゃん！

日向綾星

あっ！揚羽お兄ちゃん！

揚羽凛太郎

ひ、久しぶり！

揚羽凛太郎

綾星ちゃん・・・

日向志津香

あら！揚羽くん！
久しぶりね！

日向志津香

元気だった？

揚羽凛太郎

え、ええ・・まぁ・・

日向綾星

今日はどうしたの？

揚羽凛太郎

まぁ、ちょっとね・・・

日向綾星

もう！会いたかったんだよ

日向綾星

最近全然
来てくれなかったんだから！

揚羽凛太郎

あはは・・・

揚羽凛太郎

ご、ごめんね・・

日向綾星

でもなんだろ？

日向綾星

今日の揚羽お兄ちゃん

日向綾星

いつもと何か
違う感じがする！

揚羽凛太郎

（この家の女性陣は
みんな鋭いのかよ！）

揚羽凛太郎

あはは・・・
気のせいだよ！気のせい！

日向奏星

とりあえずあがって！

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・

揚羽凛太郎

し、失礼しまー・・す

日向綾星

ん？

日向志津香

さぁ！お茶でも飲んで！

揚羽凛太郎

あ、ありがとう・・

揚羽凛太郎

ございます・・・

日向奏星

もう！凛くん！いつまで
緊張してるのよ！

日向志津香

（凛くん？）

揚羽凛太郎

いや、だってさ・・

揚羽凛太郎

いざ話すとなると・・

日向綾星

なんでそんなに
緊張してるの？

日向志津香

・・・・・

日向志津香

綾星？

日向綾星

なぁに？ママ！

日向志津香

ちょっと部屋に
行ってなさい！

日向綾星

えー！なんでー！

日向綾星

揚羽お兄ちゃんと
一緒に居たい！

日向志津香

いいから！

日向志津香

後から揚羽くんが
いっぱい遊んでくれるから！

日向志津香

ね？揚羽くん！

揚羽凛太郎

え、ええ・・・

日向志津香

ほら！揚羽くんも
こう言ってるんだから

日向志津香

今は部屋に入ってなさい！

日向志津香

わかった？

日向綾星

はぁーい

綾星は納得できないといった様子で部屋に戻っていく

日向志津香

で？話って？

揚羽凛太郎

あの・・・

揚羽凛太郎

実は・・・

日向奏星

ゴクリ・・・

揚羽凛太郎

（あっ・・・）

揚羽凛太郎

（やべ・・・）

揚羽凛太郎

（腹が痛くなって来た）

揚羽凛太郎

（さっきのお茶かな？）

日向奏星

ん？どうしたの？
お腹なんか抑えて

揚羽凛太郎

なんか・・腹が痛くて

日向奏星

ホラ！言ったじゃん！
お腹壊しちゃうよって！

日向志津香

トイレなら
玄関のすぐそばよ

揚羽凛太郎

お借りしても
いいですか？

日向志津香

ええ！いいわよ！

揚羽凛太郎

すいません・・・

凛太郎は申し訳なさそうに腹を抑えながら部屋を出ていく

日向奏星

もう・・凛くんったら！

日向志津香

（また凛くん・・・）

揚羽凛太郎

すいません・・戻りました

凛太郎は腰を低くし申し訳なさそうにソファに腰を下ろす

日向奏星

もう！

揚羽凛太郎

ごめん・・・

日向志津香

ふふふ

揚羽凛太郎

トイレ・・ありがとう
ございました・・あはは

日向志津香

いいのよ！

日向志津香

それより話って？

揚羽凛太郎

あ、いや、その・・・

日向志津香

・・・・・

揚羽凛太郎

何と言ったらいいか・・

揚羽凛太郎

その・・・

日向志津香

男ならシャキッとする！

揚羽凛太郎

は、はい！！

日向志津香

で？なんの話？

揚羽凛太郎

えっと・・その

揚羽凛太郎

今・・・

日向奏星

ゴクリ・・・

揚羽凛太郎

今！娘さんと──

揚羽凛太郎

お付き合いさせて
もらってます！

日向志津香

・・・・・

日向志津香

まぁ、だろうとは
思っていたわ

日向奏星

やっぱり・・・

揚羽凛太郎

気づかれてたんですか？

日向志津香

まぁ、ウスウスはね！

日向奏星

いつから
気づいてたの？

日向志津香

まぁ、そもそも
奏星、さっき

日向志津香

揚羽くんの事を
凛くんって呼んでたし

日向奏星

え？そうだった？

揚羽凛太郎

まったく
気づいてなかった

日向志津香

それに急に
コンタクトにする
なんて言い出すし

日向志津香

口を開けば揚羽くんの
話ばっかしてたのに

日向志津香

最近は口にしないし

日向奏星

バレバレだったんだ・・

揚羽凛太郎

あはは・・・

揚羽凛太郎

やっぱ敵わないな・・

日向志津香

まぁ「隠すより現る」
ってヤツね！

日向志津香

揚羽くん？

揚羽凛太郎

は、はい！！

日向志津香

・・・・・

日向奏星

ゴクリ・・・

揚羽凛太郎

ゴクリ・・・

凛太郎と奏星は生唾を飲み込む

日向志津香

奏星をよろしくね

揚羽凛太郎

お母さん・・・

日向奏星

ありがとうママ

揚羽凛太郎

ありがとうございます！

日向志津香

まぁ、揚羽くんなら
大丈夫だろうしね

日向志津香

まさか、もうエ○チ
したりしてないわよね？

揚羽凛太郎

ま、まさか！

揚羽凛太郎

してませんよ！！

日向奏星

もう！ママったら！

日向志津香

キスはした？

揚羽凛太郎

・・・・・

凛太郎は瞬きの回数が多くなる

日向志津香

あ、したのね・・

揚羽凛太郎

あっ・・・

日向奏星

もう・・バカ！

揚羽凛太郎

すいません・・・

日向志津香

まぁ、付き合ってるんだし

日向志津香

キスくらいするわよね

揚羽凛太郎

え、えぇ、まぁ

日向志津香

付き合い始めたのは
いつくらいの話なの？

揚羽凛太郎

文化祭の日です・・・

日向志津香

（文化祭の日・・・）

日向志津香

（奏星が美咲ちゃんの家に
泊まるって電話
して来た日と同じね）

日向奏星

ママ？どうかした？

日向志津香

ううん。なんでもないわ！

日向志津香

あっ！そうだ！
揚羽くん！

揚羽凛太郎

はい？

日向志津香

今日は夕飯食べて
いきなさいよ！

揚羽凛太郎

いいんですか？
またご馳走になって

日向志津香

いいわよ！

日向志津香

それに
お父さんももうすぐ
帰ってくるはずだから

日向志津香

報告しなきゃだろうし

揚羽凛太郎

そ、そうですね・・

揚羽凛太郎

認めてもらえますかね？

日向志津香

まあ、あの人が
あーだこーだ言うようなら

日向志津香

私がビジーッ！と
言ってあげるから！

揚羽凛太郎

それはそれで
可哀想な気も・・・

日向志津香

あら？そうかしら？

日向志津香

うー・・・ん

揚羽凛太郎

どうかされたんですか？

日向志津香

やっぱ不思議なのよね

日向奏星

不思議って？何の話？

日向志津香

揚羽くんと奏星が
付き合ったのは
文化祭の日なのよね？

揚羽凛太郎

はい、そうですけど

日向志津香

でも、その日に
奏星から電話でね

日向志津香

美咲ちゃんの家に
泊まるって連絡が
あったのよね・・・

日向奏星

（あっ・・・）

日向奏星

（そうだった！！！）

揚羽凛太郎

え？姫川の家？

揚羽凛太郎

（え？まじで？）

凛太郎は目を見開いて奏星の方を見る

日向奏星

（コッチ見ないで！
バレちゃうから）

奏星は凛太郎の方を振り向かず志津香の方を凝視している

揚羽凛太郎

（俺の家に泊まるって
言ってねーの？）

日向奏星

（だからコッチ
見ないでってば！）

日向志津香

文化祭の日に
付き合ってるんなら

日向志津香

揚羽くんの家に
泊まりたいって言うのが
普通じゃないかな？

日向志津香

と、思うんだけど・・・

日向志津香

そうじゃない？

揚羽凛太郎

あ、いや・・・

揚羽凛太郎

どうなんですかね・・

揚羽凛太郎

あはは・・・

日向奏星

・・・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向志津香

うー・・・ん

日向志津香

まさかとは思うけど

揚羽凛太郎

・・・・・

日向奏星

・・・・・

日向奏星

ごめんなさい・・・

日向志津香

やっぱり揚羽くんの家に
泊まってたんでしょ！

揚羽凛太郎

す、すいません

日向志津香

まぁ、でも
変な事してないんでしょ？

揚羽凛太郎

は、はい！それは勿論！

日向志津香

まぁ、この事は
パパには内緒に
しといてあげるわ

日向奏星

ありがとうママ・・

揚羽凛太郎

助かります・・・

日向志津香

でもちゃんと言いなさい！

日向志津香

別にダメなんて言わないから

日向奏星

は、はい・・・

揚羽凛太郎

すいません・・・

日向志津香

ふふふ

日向綾星

お姉ちゃん！？

日向奏星

綾星！

日向志津香

あんた部屋に
行ってなかったの？

揚羽凛太郎

（あら・・・）

日向綾星

様子がおかしいから
外で聞いてたのっ！

揚羽凛太郎

（まじか・・・）

日向綾星

ずるいじゃん！
お姉ちゃん！

日向綾星

私も揚羽お兄ちゃん
好きなのにー！

日向綾星

それにもうキスまでして
お泊まりまでしたなんて！

日向綾星

一言くらい私に
言ってくれても
いいじゃん！

日向奏星

べ、別に綾星に言う
必要ないじゃん！

日向奏星

関係ないでしょ！

日向綾星

ひどーい！

揚羽凛太郎

あ、綾星ちゃん！

日向綾星

揚羽お兄ちゃん・・

揚羽凛太郎

俺・・・

揚羽凛太郎

お姉ちゃんの事が
大好きなんだ・・・

日向奏星

凛くん・・・

日向綾星

・・・・・

揚羽凛太郎

俺がお姉ちゃんに
付き合いたいって
言ったんだよ・・・

日向綾星

お兄ちゃんが？

揚羽凛太郎

そ、そうなんだ・・・

揚羽凛太郎

だからさ、その・・・

揚羽凛太郎

お姉ちゃんを
責めないであげてよ

日向綾星

うー・・・ん

揚羽凛太郎

お願い！！！

凛太郎は綾星に深々と頭を下げる

日向綾星

わかった！

日向綾星

許してあげる！

揚羽凛太郎

あ、ありがとう

揚羽凛太郎

綾星ちゃん・・・

日向奏星

許してあげるって
何で上から目線なの！

日向綾星

あー！やっぱり
許してあげなーい！

揚羽凛太郎

ちょ！ふたりとも！

日向奏星

だって好きなんだから
しょうがないじゃん！

揚羽凛太郎

（奏星・・・）

日向奏星

別に綾星に許して
もらう必要もないし！

揚羽凛太郎

喧嘩はよくないって！

揚羽凛太郎

仲良くしてくれよ！

揚羽凛太郎

せっかくの
姉妹なんだからさ！

日向綾星

揚羽お兄ちゃんは
お姉ちゃんの事

日向綾星

どれくらい好きなの？

日向奏星

（あ、それ私も気になる）

揚羽凛太郎

えっと、それは・・・

日向奏星

ゴクリ・・・

揚羽凛太郎

世界で一番好きだよ

日向奏星

もう・・バカ

日向綾星

世界一好きなら
しょうがないなぁ

日向志津香

ふふふ

日向綾星

お姉ちゃんは？

日向奏星

え？私？

揚羽凛太郎

ゴクリ・・・

日向奏星

まぁ・・・

日向奏星

私も・・その・・

日向奏星

世界一・・かな？

揚羽凛太郎

何で疑問系なんだよ

日向志津香

ふふふ

ガチャ

日向志津香

あっ！帰って来たわ！

揚羽凛太郎

帰ってきた・・・

日向奏星

凛くん！

揚羽凛太郎

う、うん・・

揚羽凛太郎

（許してもらえるかな？）

揚羽凛太郎

（めちゃ不安だ・・・）

日向康文

ただいまー！

日向康文

って、見慣れない
靴があるな？

日向康文

誰か来てるのか？

日向志津香

揚羽くんが来てるのよ

日向康文

ああ！揚羽くんか！

日向康文

久しぶりだなぁ

日向康文

いらっしゃい！
揚羽くん！

日向康文

久しぶりだね！

揚羽凛太郎

あ、お父さん・・

揚羽凛太郎

お久しぶりです・・・

日向康文

今日はどうしたんだい？

揚羽凛太郎

実はその・・・

揚羽凛太郎

報告したい事が
ありまして・・・

日向康文

報告？

揚羽凛太郎

じ、実は今・・・

揚羽凛太郎

娘さんと真剣に
お付き合いさせて
もらってまして・・

日向康文

お付き合い？

日向康文

奏星と揚羽くんが？

揚羽凛太郎

え、ええ・・・

日向康文

・・・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

・・・・・

日向志津香

アナタ！

日向志津香

なんか言って
あげなさいよ！

日向康文

あ、ああ・・・

日向康文

そうだな・・・

揚羽凛太郎

ゴクリ・・・

日向康文

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

は、はい！！

日向康文

ちょっと二人で
話さないか？

揚羽凛太郎

え？二人で？

日向康文

ああ・・・

日向志津香

アナタ？

日向奏星

パパ？

日向康文

ちょっと外に行かないか？

揚羽凛太郎

は、はい・・・

日向奏星

凛くん・・・

揚羽凛太郎

だ、大丈夫・・・

揚羽凛太郎

だと・・思う・・・

揚羽凛太郎

た、た、多分・・・

日向奏星

（パパったら
何考えてるんだろ？）

揚羽凛太郎

じゃ、じゃあ
行ってくるよ

揚羽凛太郎

すげー不安だけど

日向奏星

う、うん・・・

日向奏星

パパったら
凛くんと二人でなんて

日向奏星

何考えてるんだろ

日向綾星

やっぱ付き合っちゃ
ダメって言われちゃうのかな？

日向奏星

不安になる事
言わないでよ！もう！

日向志津香

ふふふ

日向志津香

大丈夫よ！

日向奏星

そうだといいけど・・

凛太郎は康文に連れられ近所の公園まで来ていた

日向康文

とりあえず座ろうか

揚羽凛太郎

は、はい・・・

日向康文

・・・・・

しばらく沈黙が流れ

その静寂をやぶるように康文が口を開く

日向康文

揚羽くん・・・

揚羽凛太郎

はい・・・

日向康文

改めてお礼を
言わせてほしい

日向康文

ありがとう・・

揚羽凛太郎

ど、どうしたんですか！

揚羽凛太郎

急に・・・

日向康文

私は、奏星に色々な事を
求めてしまっていた

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

奏星が産まれた頃は

日向康文

何事もなく健康に
育ってくれればいい

日向康文

そんな事ぐらいしか
求めていなかったが

日向康文

人間というのは
愚かな生き物でね

日向康文

娘が成長すれば
するほどに

日向康文

より多くの事を
求めるようになっていった

日向康文

付き合うなら
こんな相手がいい

日向康文

結婚するなら
こんな相手がいい

日向康文

そもそも結婚なんか
せずに、ずっと側に
居てほしい

日向康文

とかね

日向康文

よく考えたら
愚かだよな

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

それが時に奏星を
苦しめていたのかも
しれない・・・

揚羽凛太郎

お父さん・・・

日向康文

奏星が不登校に
なってしまった時も

日向康文

情けない事に私は・・

日向康文

奏星にどんな言葉を
投げ掛ければいいのか
全く分からなかったんだ

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

もともと会話が
多かったって
わけでもないし

日向康文

奏星も自分から
学校であった事を

日向康文

自分から進んで
話してくれる！
なんて事もなかった

日向康文

今思えば、年頃の娘と
どう接したらいいのか
分からなかったんだな

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

そんな私が不登校になった
奏星の為にした事といえば

日向康文

全てを妻に丸投げした
事ぐらいだった・・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

妻の方が奏星の事を
よく見ていたし

日向康文

同性の方が
話しやすいんじゃないか？
と思ったしね・・・

日向康文

けど、それは、ただ単に
娘と接する事から
逃げていただけだったんだと

日向康文

今となってはそう思う

日向康文

娘の成長に
背を向けていたんだな

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

もうこのまま
娘との距離が縮まる事など
ありえないんだろうと

日向康文

そう・・思っていた・・・

日向康文

私と奏星との間にできた
分厚い壁がなくなる事など
無いと思っていた

日向康文

しかし・・・

日向康文

揚羽くん！

日向康文

君のおかげで
奏星は変わった！

揚羽凛太郎

お父さん・・・

日向康文

不登校になった奏星が
教室に登校できる
ようになっただけじゃない

日向康文

学校の話を滅多に
しなかった奏星が

日向康文

自分から私に
学校での出来事を

日向康文

笑顔で話してくれる
ようになったんだ

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

揚羽くんと
奏星の出会いは

日向康文

私たち家族の未来
までも明るいものに
変えてくれたんだ

揚羽凛太郎

そ、そんな・・
大袈裟ですよ

日向康文

そんなことはない

日向康文

私たち家族はみんな

日向康文

揚羽くんに
感謝しているんだ

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

そして奏星は
揚羽くんの事を
好きなんだと

日向康文

ウスウスは
気づいていた

日向康文

しかし、それを
確認する勇気が
私になかった

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

私がその事に触れなければ

日向康文

奏星は無垢なまま

日向康文

私のもとを離れずに
いてくれるんじゃないか？

日向康文

そんな私の怠慢も
あったのかもなぁ・・

揚羽凛太郎

・・・・・

日向康文

揚羽くん！

揚羽凛太郎

はい・・・

日向康文

奏星の事は好きか？

揚羽凛太郎

はい！好きです！

日向康文

ははは、そうか・・・

日向康文

奏星を宜しくな・・・

揚羽凛太郎

！！！！！！！

揚羽凛太郎

ありがとうございます

揚羽凛太郎

ぐすっ・・・

日向康文

何も泣く事はないだろ？

揚羽凛太郎

あ、すいません

日向康文

さぁ！戻ろう！

日向康文

たぶん奏星が
心配しているはずだ！

揚羽凛太郎

は、はい！

日向奏星

凛くん！！

揚羽凛太郎

か、奏星・・・

日向康文

なら揚羽くん！

日向康文

私は戻っているよ

揚羽凛太郎

は、はい・・・

日向奏星

パパ・・・

康文は奏星の頭を優しく撫でてその場を去る

日向康文

（俺もいい加減に
娘離れしないとな・・）

日向康文

（いつまでも
子供だと思っていたが）

日向康文

（いつのまにか
こんな立派になって
いたんだなぁ・・・）

日向康文

（けど、少し
寂しい気もするな）

日向奏星

パパ、なんだって？

揚羽凛太郎

奏星をよろしく
って言われたよ

日向奏星

え？それって・・・

揚羽凛太郎

認めてもらえたよ

日向奏星

よかった・・・

日向奏星

なら今日からは
親公認の仲なんだね♫

揚羽凛太郎

ああ・・・

揚羽凛太郎

すげー不安だったけど

揚羽凛太郎

認めてもらえてよかった

日向奏星

凛くん！

奏星は凛太郎の首元に腕を回し、口づけをする

揚羽凛太郎

奏星・・・

日向奏星

これからも
よろしくね♫

揚羽凛太郎

あ、ああ・・・

凛太郎も奏星を優しく抱きしめて口づけをする

日向康文

あっ！そうだ！
揚羽くん！

日向康文

今日はウチで
ご飯を──

日向康文

っ！！！！！！

康文は凛太郎と奏星のキスを目撃する

日向奏星

あ！パパ！

揚羽凛太郎

あ、いや、ちょっと

揚羽凛太郎

これは、その・・・

揚羽凛太郎

す、すいません！

日向康文

コ、コホン！

日向康文

まぁ・・その・・なんだ

日向康文

キ、キスは・・・
まだ早いんじゃ・・ないか？

揚羽凛太郎

あ、あはは・・・

バシン

日向康文

痛っ！

康文の後頭部を志津香が平手打ちする

日向康文

なにすんだよ！

日向志津香

何がキスはまだ早いよ！

日向志津香

よくそんな事が
言えるわね！

日向康文

なんの話だよ！

日向志津香

ねえ！奏星知ってる？

日向奏星

なに？

日向志津香

パパったらね

日向志津香

私と付き合い
初めの頃に

日向志津香

初めて私の家に来たとき

日向志津香

いきなり私をベッドに──

日向康文

お、おい！今その話は
関係ないだろー！

日向志津香

なによ！本当の事じゃない

日向綾星

パパやらしー！

日向康文

しょうがないだろ

日向康文

ママの事が
好きだったんだから

日向志津香

なんで過去形なの？

日向康文

当時の話だ！当時の！

日向康文

今も・・好きだよ・・・

日向志津香

なによ・・急に

日向志津香

アナタったら・・もう！

日向奏星

もう・・・

日向奏星

凛くんの前で
何言ってるの？

日向志津香

と、と、とにかく！

日向志津香

私が言いたいのは

日向志津香

好きだから！が理由なら

日向志津香

揚羽くんと奏星を
止める権利は

日向志津香

私たちには無いはずよ！

日向志津香

って話！！

日向康文

いや、それとこれとは
話が別じゃ──

日向志津香

あっそ！

日向志津香

なら男連中は
今日はご飯なしね

日向志津香

はい！はい！さようなら

日向康文

ちょ！おい！

日向志津香

じゃあ奏星！綾星！
帰ってご飯にしましょ！

揚羽凛太郎

ちょっと待ってください！

揚羽凛太郎

俺もですか？

日向志津香

いや、揚羽くんは別よ！

日向康文

俺だけかよ！おい！

日向志津香

ふふふ

日向志津香

冗談よ！

日向志津香

さっさと来なさいよ！

日向康文

は・・はい！

揚羽凛太郎

（なんかお父さん
大変だな・・・）

揚羽凛太郎

またご馳走に
なっちゃって

揚羽凛太郎

すいませんでした

日向志津香

いいのよ！いいのよ！

日向志津香

いつでも来ていいって
前に言ったでしょ？

揚羽凛太郎

えぇ・・まぁ・・

日向綾星

また遊びにきてね！

揚羽凛太郎

うん！絶対にくるよ！

日向奏星

じゃあ凛くん！
気をつけてね！

揚羽凛太郎

ああ！じゃあまた
来週学校でね！

日向奏星

うん！また！

奏星は凛太郎に駆け寄り

日向奏星

《あとでLIMEするね》

揚羽凛太郎

《あ、ああ・・・》

日向綾星

何コソコソしてるの？

日向奏星

なんでもない！

日向綾星

えー！教えてよ！

日向奏星

嫌だ！

日向綾星

お姉ちゃんのケチ！

揚羽凛太郎

じゃあお母さん！
おやすみなさい！

日向志津香

うん！おやすみ！

日向綾星

揚羽お兄ちゃん！
おやすみ！

揚羽凛太郎

ああ！おやすみ！
綾星ちゃん！

凛太郎は満足げな表情を浮かべていた

揚羽凛太郎

ふぅー

揚羽凛太郎

家族の一員として
認めてもらえたような気分だな

揚羽凛太郎

ふっ、そりゃ言い過ぎか

揚羽凛太郎

・・・・・

揚羽凛太郎

帰って寝るか！

揚羽凛太郎

なんか今日は
よく寝れそうな気がするな

お節介アゲハと弱虫ヒナタ

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お父さんの話すことに泣けた…(இдஇ`｡)

×××

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第18話 - 父の想い

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第18話 - 父の想い

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