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あれから、一年。

敦は探偵社に戻ることができ、なんと芥川もポートマフィアを抜け、探偵社に入社してきた。

そして今日も平和にやりがいのある生活を楽しんでいる。

芥川龍之介

……待たせたな。ずいぶんと並んでいた

芥川がとあるケーキ屋から疲れ切った顔で出てきた。

その顔がひどくおもしろく、敦は笑いを堪えるのに必死だった。

中島敦

ありがとう、龍。

中島敦

……それにしても、驚いたよ。

中島敦

龍が社員のみんなに差し入れを持っていきたいなんて言うなんて。

芥川龍之介

僕の頼みを聞いてくれたのだから、このくらい当然だ。

芥川龍之介

仕事には信頼がつきものだからな。

中島敦

龍がそんなことを言うなんて珍しい……どこか頭でも打ったわけ?

芥川龍之介

僕にだって感謝の気持ちくらいもっておる。

中島敦

……そっか。

中島敦

それじゃあ、戻ろう。国木田くんが首を長くして待ってるよ。

芥川龍之介

ああ

こんな幸せな日が永遠に続きますように……。

中原中也

おい、太宰

中原は階段を降り、拷問室で座る太宰に向かって声をかけた。

気だるげに顔を上げた太宰は、

中原の姿を確認すると笑いが抑えられないといった様子で、

怪しげな笑みを浮かべた。

中原中也

なんだ、手前。

太宰治

いやあ? 君もなかなか残酷だなあと思って。

中原中也

ああ?

太宰は拷問室には似合わないほど純白の寝台で眠る……

敦の頭を撫でた。

太宰治

だって、あんなに尊敬してた、いや、愛していた師を簡単に殺そうとするんだもの。

中原中也

簡単じゃねえよ。これでもずっと悩んでたんだ。

中原中也

……というより、さっさと説明しろ。手前の殺し方を。

太宰は目を見開いて、ふふっと不敵な笑みで笑った。

太宰治

ああ、まだ気づいてなかったんだ。さすが蛞蝓だね

中原中也

ああ? いいからさっさと説明しろよ!

太宰治

仕方ないなあ。

太宰は中原に手招きをし、自身は敦が眠る寝台へ腰を下ろした。

太宰治

今、敦さんにはとある夢を見せてるんだけど、どんな夢を見せてると思う?

中原中也

ああ? そんなの知らねえよ

太宰治

実はね、敦さんには探偵社で芥川さんと幸せな日々を送る夢を見せてるんだよ。

中原中也

探偵社の奴らと……?

中原中也

そういえば、首領が探偵社の社長に話をつけていたなあ

太宰治

そう。現実では探偵社の方にこっちが有利で、なお探偵社が断れないような条件を出した。

太宰治

だが、夢では芥川さんがポートマフィアを裏切り、探偵社と手を結び敦さんは助け出される、

太宰治

といった、まあいかにも非現実な夢を見せてる。

太宰治

だけど、敦さんはきっとそのことに気づいていないね。

太宰治

だって敦さんは芥川さんのことになると盲目的になってしまうから。

太宰治

そして、敦さんには幼少期に植え付けられた精神的な傷がある。

太宰治

だから、誰かに“救ってもらえる”、

太宰治

そりゃあ敦さんはその“夢”を信じてしまう。

太宰治

そうなってくれれば、こちらにとっては好都合だ。

太宰治

そうすれば敦さんの希望がだんだんと孕んでいく。

中原中也

それのどこが好都合なんだよ。

太宰治

もう、急かさないでよ。

太宰治

……そして、幸せの絶好調の時、現実を打ちつける。

太宰治

そうすれば、敦さんは絶望する。

太宰治

そうしたら、敦さんの心は死ぬ。

太宰治

もう逃げられないと、自分は幸せの道には進めないと悟って、反抗しなくなる。

太宰治

絶望は、最大の死だ。

太宰治

……という計画なのだよ。中也でもわかるでしょう?

中原中也

……そうなのか。

中原中也

芥川幹部は、それを許したのか?

中原中也

あの人、敦さんのことを……

芥川龍之介

その心配はない。

芥川龍之介

僕が、太宰に直接許可を下した

カン、カン、と音を立てて芥川は軽く咳き込みをし、中原に話しかけた。

中原中也

芥川幹部。でも、どうしてです

優しいあなたの殺し方

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コメント

6

ユーザー

このストーリー面白すぎる…幸せな方向に進んだ…!!って思ったら夢だなんて…ド性癖すぎる…

ユーザー
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