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何回繰り返すの…？

第18話 - 第17話

1,657

2024年06月15日

#初投稿

#skfn

ぷくめ。

北の国にて

mob

おい！聞いたか？

mob

何の話だ？

mob

昨日、第3王子が王宮で生まれたそうだよ！

mob

そうなのか！？

mob

そりゃ、おめでたい…

mob

どんな方になるんだろう…？

王宮

王妃

王様…

王妃

第3王子、どのように育てましょう？

王

そうだな…

王

まずは、何もかもを完璧にしなさい

王

そうしておけば、政治の便利なコマとして利用できる

王妃

そうですね

王妃

早速、家庭教師の用意をしましょう

王

ああ、そうだ…

王

あまり、“感情”を育ててはいけない

王妃

なぜでしょう？

王

そんなこと当たり前だろう？

王

道具には、感情なんてないのだから

王妃

確かに…

数年後

mob

お前知ってるか？

mob

だから、何を？

mob

第3王子様が、天才だって噂だよ！

mob

そうなのか？

mob

なんでも、

mob

座学から剣術、礼儀作法…

mob

全てが完璧らしい

mob

それは…すごいな…

王宮

午前

家庭教師

殿下、

家庭教師

今日は和の国の言葉を勉強しましょう

家庭教師

まずは自分の名前を書いてください

？？？

はい、先生

？？？

ｶｷｶｷｶｷ…

？？？

…できました

家庭教師

どれどれ…

“MIKOTO”

家庭教師

完璧です、殿下

家庭教師

では、他の言葉も…

午後

騎士

殿下！

騎士

今日も、剣のお相手させていただきます！

みこと

はい、お願いします

みこと

先生

騎士

はあはあ…

騎士

ま、まいりました…

みこと

…

みこと

ありがとうございました、先生

騎士

では、次は…

夕食

王妃

殿下

みこと

はい、母上

王妃

きれいな食事のとり方を教えます

王妃

よく見ていなさい

みこと

はい

ｶﾁｬｶﾁｬ…

王妃

このように食べます

王妃

やってみなさい

みこと

はい

ｶﾁｬｶﾁｬ…

王妃

よくできています

王妃

貴族社会ではそれが常識…

王妃

覚えておきなさい

みこと

はい、母上

貴族

第3王子様はなんの分野においても天才だな

貴族

まだ５歳だぞ？

貴族

そうだな

貴族

あんなにいろいろなことができると

貴族

なんにでも利用できそうだな

貴族

実際、陛下はそうしようとしてるっていう噂があるけどな

貴族

それ、ほんとか？

貴族

さあ…？

10年後

午前

みこと

ふわあ…

家庭教師

ﾊﾞｼｯ

みこと

いたっ…

家庭教師

王子があくびなどするもんじゃありません！

みこと

はい、先生

みこと

申し訳ございません…

家庭教師

ちょうどこの分野は難しいですし、今日の課題は倍にしておきましょう

みこと

はい

みこと

ありがとうございました…

午後

みこと

ﾎﾞｰｯ

騎士団長

殿下、後ろが空いております

みこと

…まいりました

騎士団長

はあ…

騎士団長

…殿下

騎士団長

まだまだ弱いです

騎士団長

毎日の練習量を増やしましょう

みこと

はい、先生

みこと

ありがとうございました

夜

みこと

母上、おやすみなさい

みこと

(お辞儀をする)

王妃

なんですか、そのお辞儀は

みこと

…？

王妃

角度が少し浅い

王妃

ずっと言っているではありませんか

王妃

早く直してください

王妃

そのようでは、貴族社会でやっていけません

みこと

は、はい…

次の日

王

みこと

王

お前は西の国の姫と婚約しなさい

みこと

…え？

王

この際はっきりいうが、

王

お前はコマだ

王

この国を良くするため、そして、私のために働きなさい

王

拒否権はない

みこと

…はい

みこと

わかりました

王

明日、西の国に行く

王

用意をしなさい

みこと

はい

俺に選択肢というものはない

俺は道具…

感情…？

そんなものは必要ない

俺は操り人形

ただ、指示のまま動くだけ

のはず…

オレハ…ナンナノ…？

深夜

みこと

ん～～…

みこと

ﾊﾟﾁｯ

みこと

眠れない…

みこと

…え？

城が燃えている

みこと

どう…いうこと…？

みこと

城の人たちは…？

騎士

…殿下っ！

騎士

お助けくださいっ！

みこと

…何事？

騎士

魔物がっ！

騎士

北の国から魔物が攻めてきました…！

騎士

もうすでに、軍の半分以上が殺られています！

騎士

殿下も戦ってください…！

みこと

…わかった

みこと

すぐ行く

城内

魔獣

ｸﾞﾙﾙﾙ…

ｻﾞﾝｯ

みこと

ふう…

みこと

まずい…

みこと

もう、残っている兵士が少ない…

ｷｬｧｧｧｰ！

みこと

！？

みこと

陛下の部屋から…！？

王の部屋

みこと

…

みこと

全員…殺されている…

みこと

陛下も、母上も、護衛も…

みこと

…

別に悲しくはない

俺は愛されたことなんかないし

道具だから

道具は涙なんて流さない

ましてや、完璧にならなくてはいけないのだから

感情なんて、出してはいけない

みこと

さて…

みこと

どうしようか…

王は殺され、兵士はもう残りわずかだ

街も、魔物が侵略しているらしい

もう、この国は滅びるだろう

俺がここにいる意味はない

みこと

とりあえず、外に出よう…

城の庭

みこと

なにもいないか、注意しなければ…

？？？

ｶﾞｻｯ

みこと

！！？

みこと

何者…？

？？？

あ…

？？？

君は、結構強そうだね…

みこと

！！！

みこと

お前、瞳が紅い…

みこと

魔族だ…

？？？

うん…

？？？

俺は魔族

みこと

(まずい…こいつ、強い…！)

みこと

(このままでは、殺される…！)

？？？

ねえ、

？？？

君だったらさ…

俺を…

殺してくれる…？