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〘こはねside〙
__気がついたら、 道に座っていた
手には少しだけ違和感があった
恐る恐る両手を見た
両手には_ _あのミクちゃんから貰った、
“グローブ”
が、はめられていた
………グローブって言っても、 あの、ロック音楽の時に おしゃれとして使っている みたいなやつで…
……えっと…指先が出てるやつ って言えば伝わるかな……?
まぁ、そんなことより
そのグローブは何度試しても
__取り外せなかった
ここまでが、回想
今はというと…………
こはね
一歩ずつ後ずさり中
なぜなら
?
妖怪のようなものが一歩ずつ 私に詰め寄ってきているから
……恐ろしいほどの笑みを 貼り付けて
こはね
私は武器を持っていない
あるのは外せないグローブだけ
?
少しづつだけれど、 距離が縮まっている
………気がする
___
みんなにはそれを倒して、 本当の想いを見い出してほしい
___
こはね
だめ……やめて……っ
私は……
私は、できない
?
__私が、
武器を持っていたらよかったのに
こはね
妖怪を思わず睨みつけながら、 私は悔しさと共に 右手をギュッと握った
___その時
?
妖怪の左肩が赤いモヤ… のようなものに包まれたと同時に
グチャッと音を立てて潰された
こはね
妖怪は思わず顔を歪ませ、 左肩を抑える
私は右手を見た
こはね
力を込めて握られた右手は、 妖怪の左肩と同じく
赤いモヤを放っている
こはね
もしかしてこれが私の___
こはね
私は妖怪を睨む
そして、ありったけの力を 両手に込めて拳を握る
グチャッ
?
妖怪の両肩が潰れた
……でも、まだだ
私は2つの拳を顔の前まで上げる
それにつられて、 妖怪の身体も持ち上がる
こはね
私はギュッと目をつむり
__拳をそのまま 左右に移動させた
紙を横に引きちぎるように
ベリベリッ、グチャッ
聞きたくなかった 気持ち悪い音と共に、 妖怪が消えたのだと分かる
私は恐る恐る目を開き、 その場にへたり込んだ
こはね
__両手を見る
一体このグローブには どれほどの力が秘められて いるのか……
こはね
私は座ったまましばらく 両手を凝視していた