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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

英太

ねえパパ、ママ!

英太

遊ぼー!

久美

そうねー

久美

せっかくピクニックに来たんだから

英司

よし、バドミントンするか!

英太

やったー

僕は英司。

久美とは7年前に結婚し2年後に英太が生まれた。

休日には家族で出かけ、幸せな生活を送っている。

しかし、妻と出会って10年近く経つ今でも

僕は久美のことを、そして英太のことを本当に愛しているのかわからない。

そんなある日

僕はスマホの電話帳を整理しようとソファに座った。

英司

もう10年以上電話帳開いてないからなー

英司

整理するかー

電話帳のカ行を見ていたとき。

僕はある人のことを思い出した。

英司

あ...

英司

響子...

響子と僕は大学時代に付き合っていた。

その期間は3か月。

たった3か月間の彼女だったが、僕にとっては一生忘れられない3か月だ。

それは大学2年の夏

英司

はあ、またフラれた

英司

またあそこ行くか

英司

着いたぜ水族館!

英司

やっぱ俺の傷ついた心を癒すには一人で水族館に来るのが一番だな

英司

あのエイ結構でかいなー

英司

英司

いてっ

英司

あ、ごめんなさい!

響子

あ、こちらこそすみません!

これが響子との出会いだった。

英司

いえ、僕が魚に見とれてて前見てなかったから悪いのは僕です

響子

私も魚見てぼーっとしてたから...

英司

なんだか僕たち似てますね

響子

ですね

英司

今日はお一人で来られたんですか?

響子

いえ、今トイレ行ってていないんですけど、母と来たんです

響子

あなたは?

英司

僕は一人で

響子

よく来るんですか?

英司

癒されたいときによく来ますね

響子

私も時間があるときはここのお魚さんたちから元気をもらうんです!

英司

お魚さんたちって

英司

かわいいですね

響子

やっぱそうですよね〜

響子

色んな種類がいて!

英司

あ、いや

英司

そういう意味でかわいいって言ったんじゃなかったんだけど...

響子

あ、ごめんなさい!

響子

今LINE来て

響子

母どうやら迷ってて、今トイレの前で待ってるらしいのでここで失礼します

響子

私の母ちょっと方向音痴で

英司

そうなんですね

英司

確かにここの水族館広いですからね

英司

あ、遅くなりましたが僕英司っていいます

響子

私は響子です!

英司

響子さんね!

英司

それではまた!

それから僕は時間があるときには、癒されたいときでなくてもその水族館に通うようになった。

もしかしたら響子さんに会えるかもと思ったからだ。

しかし、なかなか会えなかった。

僕はそのことを友人の敦彦に話した。

敦彦

お前、それはもう好きってことだな

英司

やっぱそうかー

敦彦

そういやお前この前フラれたばっかだっけ?

英司

1か月前だな

敦彦

「あなたからは愛を感じないの」って言われたんだっけ?

英司

ああ

英司

3人目の彼女だったけど

英司

前の2人にも同じ理由でフラれた

敦彦

同じ理由でってやべーな

英司

だってさー

英司

愛するってどういうことかわかんねーんだもん

敦彦

お前その3人とは好きで付き合ってたんじゃねーのかよ?

英司

いや、好きだったよ

英司

でも愛とは違ったのかなー

敦彦

難しい問題だなこれは

僕の親は僕が5歳の時に交通事故で亡くなった。

周りのみんなは受けてきたであろう親からの愛情を、僕はよく覚えていない。

だから僕は愛というものがどういうものか知らないし、「好き」という感情はあってもそれが愛なのかよくわからなかった。

そしてある日、僕はまた水族館に行った。

英司

あ、

深海魚の水槽の前に響子さんと響子さんのお母さんと思われる人が立っていた。

しかしそのお母さんらしき人は響子さんに何か言ってどこかへ行ってしまった。

またトイレにでも行ったのだろうか。

僕は響子さんのところに行った。

英司

響子さん!

響子

あ、英司さん!

響子

お久しぶりです!

少し体調が悪そうに見えたが、深海魚のコーナーが薄暗いからそのせいかと思った。

英司

今の人ってお母さんですか?

響子

そうなんです

響子

ちょっと電話しに向こうの方に行ったんです

響子

それにしてもまたこの水族館で会うなんてびっくりしました!

英司

僕もです!

響子さんに会うためにあれから頻繁にここに通ってたなんて、恥ずかしくて言えなかった。

英司

あの...

英司

最初に会った時からずっとあなたのことが気になって...

英司

僕と付き合ってください!

響子

えっ?

響子さんに会うために水族館に通ってたことも恥ずかしくて言えなかったのに

なぜ会うのが2回目の女性にこんなことが言えたのか今でもわからない。

英司

え、僕は何を言っているんだ...

響子

えっと...

響子

いいですよ!

英司

えっ!

響子

私でよければ

響子

よろしくお願いします

こうして響子と僕の忘れられない3か月が始まった。

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