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こんばんは!🌙.*·̩͙.。★*゚ 菜月さんのホラー作品もとても面白かったです!恋愛系もホラー系も面白くかけるのが羨ましいです…(*´˘`*)♡
うわー、ゾッとした。。:(;゙゚'ω゚'): てか昨日見たけどコメし忘れてたわ
ポストには、手がちぎられてる猫が入ってたってこと?
私
オフィスの真ん中で叫んだ
大丈夫、他に誰もいないもの。
願ってもいない残業だもの。
人間だもの。←
みつをだって残業なんか 願っちゃいないぜ☆
茶番はほどほどに 気を取り直してデスクへ向かう
マジで終わる気がしねぇ…
おっと、お口が悪かったかしら?
誠に終了する見込みが ございませんわ♡
よし、完璧
こうしている間も指は止まらない
今の私、マジ輝いてるわ…
キラキラだわ…
プロ満喫してるわ……
終わらねぇ……
絶望感に苛まれる
必死な自分が滑稽に見えてくる
ピコンッ
私
突然、スマホの通知が鳴った
大切な連絡だったら大変
すぐさま開くと見知らぬ人から 謎の通知が来ていた
私
印象的な売り文句
猫の手でも借りたーい! そう思うほど忙しい貴女へ、大活躍のアイテムが誕生!
今すぐこのサイトをタップ!
怪しさを醸し出した言葉
納期明日なのに終わる見込みのない仕事を見つめながら
私
欲望を抑えられず サイトをタップしてしまった
〜猫の手貸します〜
納期前に山ほど仕事が 残っている貴女!
溜まった洗濯物が 山積みになっている貴女!
久しぶりの自炊の洗い物が 面倒な貴女!
「猫の手でも借りたーい!」 そう思ってはいませんか?
今なら無料! 我々の「猫の手」に全てお任せ!
フルネームと住所、年齢、顔写真を登録して貴女も猫の手を借りよう!
私
全てを入力した後 私はオフィスを出る
開放感に浮かれ 足取りは軽かった
私
帰宅してすぐベッドに飛び込んだ
木材が軋んだ音と沈んでゆく体
疲れが染み込んでいくみたいで すぐに眠りについた
ドンッ
バゴッ
ミャーン
大切な声一つも聞かずに
大家さん
次の日の朝アパートの前で 大家さんに引き止められた
なんだか困っているような顔
どうかしたのかな…?
私
大家さん
私
大家さん
大家さん
私
大家さん
大家さん
不満そうに顔をしかめる大家さん
猫の手借りたって仕事だけだし
大丈夫……よね
大家さん
私
私
オフィスに足を踏み込んだ瞬間
空気が違うことに気がついた
課長
私
なんだろう…なにかしたかな
課長
私
課長
課長
課長に肩を掴まれて 期待の籠もった声で報告された
私
私の作った書類 じゃないんだけどな…
薄い罪悪感を抱きながらも 心はそれ以上に弾む
課長
課長からの期待も大きかった
東さーん! これ頼みたいんだけど…
猫の手に頼むか…
東くん! 昨日のプレゼン良かったよー!
猫の手借りたし当然♪
書類の商品化が決まった、って!
猫の手の力って凄い!
大出世ですね!
ありがとう! (私じゃないけど)
おめでとー!蘭!
ありがと! (騙されてやんの)
優越感に浸ったんだ
他者の実力でのし上がって
得られた称賛を 自分のものにして
罪悪感など 見ないふりをしたんだ
全ては自分の為に
大家さん
私
アパートの前でまた 大家さんに声をかけられた
大家さん
私
大家さん
私
私
つい、感情的に暴力的に
かつ、冷血漢に言ってしまった
大家さん
大家さん
私
大家さん
大家さんは疑っているのか 猫の毛一本逃さぬように
隅々まで部屋を見ていた
大家さん
大家さん
私
私
大家さん
大家さん
足早に部屋を去っていく大家さん
疑いが晴れたようで スッキリしてソファーに沈む
否
沈むはずだった
ミャーン
私
驚きのあまり 身体が硬直してしまう
なんとか立ち上がって 耳を澄ませると
ポストの方から 聞こえることに気がついた
私
混乱の中、おぼつかない足取りで ポストへ向かう
ミャーン…
普段は可愛げのあるその声も 今だけはやけに恐ろしく思った
キィ…と不気味な音を立てて 開いたポスト
私
思わず情けない声を出すと コロン…とその一つが床に転がった
猫の前足だ
ミャーン
弱々しくも奇妙な鳴き声が どこからともなく聞こえる
恐怖に包まれる中 ある言葉が脳裏をよぎった
猫の手、貸します