東雲薫
今日は初めての合同捜査だし、朝食は少し軽めにしてっと。そろそろ2人とも起きてくるかな?

望月雪翔
おはよう薫。今日の朝食は少し軽めなんだね。

東雲薫
おはよう雪翔。そうよ。あまりしっかり食べると眠くなっちゃうかもしれないでしょ。

望月雪翔
まぁ確かにね。

雪翔と今日の朝食について話していると葵も起きてきた。
雪城葵
おはようございます。

望月雪翔
おはよう葵。

東雲薫
おはよう葵。朝ごはんできてるから食べよっか。

雪城葵
うん、いつもありがとう。

東雲薫
いいのよ。私料理するの好きだから気にしないで。

望月雪翔
クッ、薫ばっかりズルいよ。僕だって葵に僕の作った料理食べてもらいたいのにぃー!!

雪城葵
じゃあ今度雪翔お兄ちゃんにご飯作ってもらおうかな。

東雲薫
葵、ダメよ。雪翔は料理するの禁止だから。

望月雪翔
何故だ!?僕だって料理くらいできるよ。

東雲薫
雪翔、貴方まさか自覚ないの!?

雪城葵
なんでダメなの?

望月雪翔
自覚?

東雲薫
その様子じゃ自覚なさそうね。はぁ〜…

望月雪翔
どういうことだい?わかるように教えてくれよ。

雪城葵
私も気になる。

東雲薫
わかったわ。はっきり言わせてもらうわね。
雪翔の料理は
人の食べれる物ではないわ!!

雪城葵
毒でも入ってたの?

望月雪翔
は!?そんなわけないよ。

東雲薫
じゃあ前に一度だけ作ってもらった料理の写真を見せるわよ。

東雲薫
因みにこの写真は卵焼きになる筈だったものよ。

薫はそう言って1枚の写真を2人に見せた。
その写真には灰色でドロドロした何かが写っていた。
望月雪翔
ウッ…でもちゃんと練習すれば少しくらいは上達するはずだもん。

雪城葵
わぁーこれは確かに料理禁止にされるね。って言うか何をどうしたらこの写真のようになるのかな?

望月雪翔
先ず、卵をボールに割入れて、醤油と砂糖と鉄粉を入れて混ぜr

東雲薫
ストーップ

望月雪翔
え?何?

雪城葵
お兄ちゃん、何故鉄粉入れたの?

望月雪翔
鉄分取るのにいいかなって思って…

東雲薫
確かに鉄分取るのに入れることもあるけど普通あんな灰色になるまで入れないわよ。

望月雪翔
え!?嘘。

雪城葵
本当だよ。それと、なんでドロドロなの?

望月雪翔
それは、牛乳と片栗粉入れたんだ。牛乳を入れるといいって聞いたことあるし、トロッとさせるには片栗粉でしょ!

雪城葵
…

東雲薫
うわぁー、よく今まで生きてこれたわね。

望月雪翔
どういう意味だい?

東雲薫
そのままの意味よ。その料理スキルで一人暮らしできてたことに驚きだわ。今までどういう暮らしをしてたのよ。

望月雪翔
1人だとあまり料理してなかったからコンビニとかスーパーの惣菜とかで済ませてた。

東雲薫
道理でこんな食べた人を殺せそうな料理なのに自覚がないのね…

雪城葵
これは…手遅れかも…

東雲薫
ってそんなことより、早く朝食食べて準備しないとよ。

雪城葵
そうだった。いただきます。

望月雪翔
いただきます。そういえば、何処に行けばいいんだい?

東雲薫
出る時に言うから急ぎましょ。

望月雪翔
ご馳走様。じゃあ支度してくるよ。

東雲薫
お粗末様、忘れ物しないでね。

雪城葵
ご馳走様でした。私も準備してくる。

雪城葵
お粗末様、慌てすぎないで平気よ。

東雲薫
さてと、私も忘れ物ないか確認しとかないと…

2人が支度している間に薫は食器を片付けて持ち物の確認をしていた。
望月雪翔
お待たせ、忘れ物もないよ。

雪城葵
お待たせしました。私も忘れ物はないよ。

東雲薫
じゃあ行こうか…ってえぇー!?
ど、ど、ど、どうしたのその格好…てか髪が葵の髪が…

葵の支度が終わり薫は葵を見て驚いた。そこには、いい所のお坊ちゃんみたいな格好の葵がいた。
望月雪翔
薫うるさいよ…って葵、なんでそんな男の子みたいな服なんだい?いつものローブみたいなのはどうしたの?

雪城葵
あぁ〜、いつもの格好だと不審者みたいだし、何より相手に失礼かなって。いつもローブの下はこんな感じだよ。何処で身内の人間に会うかわかんないから念の為にね。髪はウィッグだから大丈夫だよ。この格好変かな?

望月雪翔
そうなんだね。似合ってるよ。

東雲薫
え、えぇ似合っているわ。でも私の可愛い葵が…いえ、そんなこと言ってる場合じゃなかったわ。切り替えないと…

望月雪翔
そうだね。所で何処で待ち合わせなんだい?

東雲薫
スワロウテイルの事務所よ。

雪城葵
じゃあ行こっか。

望月雪翔
うん。手を繋いでいこうね。

雪城葵
え、やだ。

望月雪翔
ガクッ…どうしても?

雪城葵
うん。どうしても。

東雲薫
葵、直ぐに迷子になるんだから、雪翔と手を繋いで行きなさい。

雪城葵
薫お姉ちゃんじゃダメなの?

望月雪翔
葵は、僕のこと嫌いなのかい?

雪城葵
そうじゃないけど、雪翔お兄ちゃんとは恥ずかしいからや。

東雲薫
葵、お願いよ。今日は雪翔と手を繋いであげて。(このままだと拗ねて面倒くさくなるから。)

雪城葵
うぅ、薫お姉ちゃんのお願いだからわかった。雪翔お兄ちゃん手繋ご。それと、雪翔お兄ちゃんのことは好き、だよ。

望月雪翔
葵!!嬉しいよ。僕も葵のこと大好きだよ。もし葵に嫌われたりなんてしたら僕、葵以外の人間消しに行く所だったよ。

東雲薫
それじゃあ行くわよ。

雪城葵
はーい!

望月雪翔
うん。

東雲薫
(良かった。本当に良かった。危うく世界滅亡するとこだった。雪翔ならやりかねないし、できなくはなさそうなんだよなー。葵には何かお菓子作ってあげよう。)

望月雪翔
(良かった、嫌われてなかった。葵が少し照れながら好きって可愛すぎだよ。)

雪城葵
(薫お姉ちゃん、必死だったな…なんでだろう?)

心底安堵している薫と葵に好きって言ってもらえて喜んでる雪翔と薫が必死だった理由がよくわかってない葵の3人はようやくスワロウテイルの事務所に向かった。