宮野 栄利香
…思い出せた?

水嚢 零捺
思い出せたような…

水嚢 零捺
ゔっ……

宮野 栄利香
…?!どうしたの?零捺!

水嚢 零捺
…

気のせいか 、零捺の雰囲気も変わったような感じがした
竜胆
…君が

竜胆
君が栄利香 、だね

宮野 栄利香
…!?あなた 、竜胆…なの 、?

竜胆
…!やっぱり 、僕のことは聞いてたみたいね

宮野 栄利香
…零捺に何をしたの?

宮野 栄利香
どうして突然出てきたりなんか…!!

宮野 栄利香
まさか身体を………っ!!!!

竜胆
…別に 、零捺を乗っ取るわけじゃないよ

宮野 栄利香
じゃあなんで……

竜胆
君に頼みがあるの

宮野 栄利香
頼み………?

竜胆
…1つ目は 、”みな”とはもう関わらないでほしいの

宮野 栄利香
え…?美凪さんと 、?

竜胆
これは零捺にも言ったことなんだけど…一応君にも直接伝えたくて

まさか 、零捺が思い出そうとしていたことって 、この事?
宮野 栄利香
……どうして美凪さんと関わっちゃ駄目なの?

竜胆
…彼女が危険だからね

竜胆
どうにも 、”あの人格”嫌な予感がする

宮野 栄利香
嫌な予感……?

宮野 栄利香
…アセビみたいな感じってこと 、?

竜胆
まあ 、そんな感じだよ

宮野 栄利香
……一応気をつけとく

竜胆
…!!一応じゃ駄目 、絶対に!!

宮野 栄利香
え 、う 、うん……

竜胆
…2つ目は

竜胆
…”あの薬”を作った人を見つけ出してほしい

宮野 栄利香
え…?

竜胆
…栄利香が飲んでる薬 、零捺のとは違う気がするの

宮野 栄利香
ど 、どうして……?

竜胆
…本来人格っていうのは 、使用者の心を支え 、安心させるもの

竜胆
…人格が表に出てきて 、私利私欲を満たすものじゃない

竜胆
……逆に不安定にさせている

宮野 栄利香
そ 、そんな……

宮野 栄利香
そんなのまるで……

竜胆
…うん

竜胆
”精神超不安定剤”……

竜胆
…ってとこかな 、

宮野 栄利香
……分かった 、私の他にもその薬を飲んでしまってる人が居るかもしれないし

宮野 栄利香
見つけ出せば 、何か分かるかもしれない

宮野 栄利香
……必ず見つけだすよ

竜胆
……ありがとう 、笑

竜胆
…そして 、3つ目なんだけど

竜胆
……これからも 、零捺と仲良くして欲しい

宮野 栄利香
…!

竜胆
あの子はずっと独りぼっちで 、親の温もりだけでやっと生きてきた

竜胆
でも 、その親も病気や事故で亡くなった

竜胆
…彼女を支えは 、何も無くなった

竜胆
…だから”あの薬”に手を出した

竜胆
だから今こうして僕がいる

竜胆
だけど今はもう

竜胆
……君がいる

宮野 栄利香
…!

竜胆
もう僕は 、必要ない……

宮野 栄利香
そ 、そんなこと……!!

竜胆
…”あの薬”は…例え不安定剤じゃなくて安定剤だとしても

竜胆
飲むべきものじゃない…

竜胆
急に人格が生まれるというのは 、人体に危害がないわけがない

竜胆
…元は彼女だけの”人生”だった

竜胆
…だから

竜胆
もし 、開発者が見つかって

竜胆
安定剤の効果が無くなるものを見つけて 、僕が消えてしまったら

竜胆
……君が零捺を支えてやってくれ

宮野 栄利香
…!!

竜胆
……これが僕の 、最後の頼みだよ

竜胆
…僕の頼み 、聞いてくれる?

宮野 栄利香
……勿論

宮野 栄利香
勿論聞くに決まってるでしょ

宮野 栄利香
…絶対に 、零捺を独りにはさせないから

竜胆
…!

竜胆
うん 、頼りにしてるね

宮野 栄利香
…ところで 、なんだけど

竜胆
…なに?

宮野 栄利香
…どうして 、零捺の為にそんなに尽くしたりなんか……?

宮野 栄利香
…これも 、薬の効果なの?

竜胆
うーん……

竜胆
…使用者を支える 、それもあるけど

竜胆
”愛おしい人”の為なら 、当然なんじゃないか?

宮野 栄利香
…

宮野 栄利香
…は?

竜胆
僕 、実は男の人格だからね笑

竜胆
零捺の事が異性として好きなの

宮野 栄利香
え…ちょっ……

宮野 栄利香
それ 、零捺は知って……?

竜胆
ふふ 、どうだろう?

宮野 栄利香
はぁ…!?

竜胆
じゃあ 、そろそろ僕は戻ることにするよ

竜胆
居るべき場所に 、笑

宮野 栄利香
ま 、まだ話は終わって……

水嚢 零捺
……ゔっ

水嚢 零捺
……あれ 、?

水嚢 零捺
…栄利香 、僕今まで…

宮野 栄利香
ごめん…一旦頭の中で状況整理させて…………

私は 、数分間頭を抱えながら今起こったことを整理し
竜胆に頼まれた2つ目の頼みまでは零捺に話すことにしたが
……3つ目の頼みと性別のことは 、言わないでおくことにした
水嚢 零捺
……?
