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大聖堂前

えー、それでは今まで過ごしてきた故
黄泉島と凛ちゃんの新たな就任に乾杯ー‼︎

乾杯〜‼︎

えーっと...本当にこの挨拶でよかったのか?

はい。私が残るということを悲観的に捉えないでほしいためにも、この挨拶でよかったんです。

そ、そうか‼︎

お主ら‼︎今日は遠慮せず食って飲むんじゃぞ‼︎悔いを残すことは断じて許さんからな‼︎

はい‼︎

ふぅ...凛、お主も悔いは残すなよ?

大丈夫ですよ。もう悔いなんてありませんし。

う、うむ。まぁ肩力を抜いて楽しむがよい。ホレ、空泉を見てみろ。

空泉

はい、皆さん注目ー‼︎これから私はドラゴンになりまーす‼︎

空泉

まず口にお酒を含みまーす‼︎

トプトプ...

空泉

んーんー‼︎んんー‼︎

何を言っとるのか聞こえんぞ...

ブハーッ‼︎

ゴオオオッ‼︎

うおっ⁉︎火吹きやがったぞ⁉︎

※火吹きは危険な行為なのでよい子は真似しないで下さい。

誰に言っておるんじゃ...?

ところで鼎さんに聞きたいことがあるんですけど...

何じゃ?

鼎さんは下界に戻れないんじゃないですか?

....

何故、そう思うんじゃ...?

柚葉さんが言っていたんです。鼎さんは約15万年ほど島にいると。

この島と下界の時間軸が1日=1分だとすると約100年程経過していることになります。

つまり、下界にはもう“妾の身体は存在しない”と?

恐らく鼎さんは肉体は既に失われていますが、魂だけがこの島に漂流してしまった。

だから全員が転送される中、鼎さんは天界に行くことになる...

...ふふ。

どうしました?

いや、姉妹揃って名推理をするなぁと思ってな笑

その通りじゃ。妾は下界に戻ることは出来ん。それは統率者になった時から分かっておったことじゃ。

お主は“死”が怖いか?

分かりません。でも私は感情を失ってから世界に対する見方が変わりました。

人間は『喜怒哀楽』を表現しますが、私にとっては全てが『無』なんです。

柚葉さんや仲間に何度も笑顔の練習をさせられましたが、そんなものは無意味でした。

そこで改めて気付かされたんです。

私は死んだんだって。

生きているけど死んでいる。それが私なんだって。

だから私にとって、“死”の恐怖というものは分かりません。

でも“死”とは、とても寂しく...そして儚く...『無』になるものだと考えています。

そうか...じゃが、妾はそうとは思わんな。

確かに“死”とはそういうものかもしれんが、妾は『旅』だと考えるぞ。

『旅』...ですか?

お主は“死”を『無』と言うが、その『無』になった世界をお主は『旅』をしたんじゃよ。

常人には理解し得ない秘境、お主はその世界で様々なことを学んだ筈じゃ。

例えお主の感情が死んだとしても、学んだことはずっと生き続けると妾は思うぞ。

学んだことが...生きる...

空泉

おーい‼︎2人で何話してんのー?

まぁ色々とな。

空泉

じゃあさ、私も凛と話したい‼︎

時間も少ないし程々にするんじゃぞ。

空泉

はーい‼︎じゃあ礼拝堂で待ってるよ〜‼︎

タッタッタッ

あ、ちょっ...

はぁ...仕方ないですね。

スタスタスタ

抗体人間シリーズ−未来編−

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