葉瑠
好き……嫌い…好き
緑色に囲まれた中で1人佇む少女は手に花を握り花占いをしていた
葉瑠
……嫌い
最後に残る花弁を捨て新しい花を手に取る
葉瑠
好き…嫌い…好き…
陽向
葉瑠?
葉瑠
……陽向…
陽向
元気無いね、どうしたの?
葉瑠
……
陽向
あー……
そこへ新しい少女が来る
少女は2人並んで静かに時間が過ぎ去るのを感じる
葉瑠
そろそろ日が暮れるよ?
葉瑠
帰らないの?
陽向
んー?葉瑠もでしょ?
葉瑠
……
陽向
葉瑠一緒に帰ろう
陽向
ひとりぼっちは寂しいよ
葉瑠
……うん
2人は手を取り合って帰路へ就く
日が2人を見送る
今日がまた終わりに近付く
陽向
……
1人で野原に来る少女
辺りはもう真っ暗で人っ子一人いない
少女はその手に持つ蒲公英に息を吹きかける
すーっと消えていった種と少し残った花を見て少女はフッと微笑んだ
その笑みは真冬の様に冷たい物だった