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ミュール

…メラが気になりますか?

アメリア

えっ?

ミュール

いえ…視線が、ずっと定まらないので

アメリア

ああ、いや……まあ

アメリア

でも一旦ちゃんと仕事はしないとな

アメリア

ティーナとエミリーがたしかこの辺りにいるんだよな?

ミュール

あ、はい

ミュール

情報屋さんの言うには確か…今から数えてあと10日ほどはこの街にいると

アメリア

だな

アメリア

顔写真の添付がないやつも増えてきて大変だな…

アメリア

資料くらいちゃんと作れよ

ミュール

ですね、といっても対象者らは自分の情報を外に漏らさないのでしょうが

ミュール

まあそれほど実力が認められてると思いましょう

アメリア

それもそうだ

 

待ってよエミリー!

アメリア

 

あそこにいたって!さっき!あのメラって子!

 

分かってる!絶対仲間になってもらわなきゃ!

アメリア

またアイツらか…

ミュール

しかも今…エミリーって…

アメリア

ああ、そんじゃおそらくあっちはティーナだろうな

アメリア

殺すか

ミュール

そうですね

そうしてミュールが爆薬を投げたその瞬間、女が振り返る

ミュール

盾から顔を覗かせた2人は、こちらに向かってくる

 

おい!!!殺す気かコラ!!

 

あのさぁー、うちら、若くてかわいー子にしか興味ないんだよね!

 

分かったらオバさんは黙ってて!

ミュール

あら、まだそんな歳ではないのですが…

 

わたしたちは絶対殺されないから狙うなら他当たりなさいよ

ミュール

仕事ですので

 

うるっさいな!うちらの方が強いんだよ!!!

アメリア

ガキだな…

アメリア

(でもきっと、私がメラに出逢ったときだって)

アメリア

アメリアは取り出そうとした銃に手をかけたまま、ピタリと動きを止める

ミュール

…アメリア様?

アメリア

(…ああ、こんなことばっかりだ。)

アメリア

ごめん、ミュール

アメリア

…後に、回してもいいか

アメリア

(私にはまだ…この子たちを殺す勇気がない。)

恐ろしいことに

孤高だったアメリアは

友情を、絆を知り

心に弱点を、生み出した。

アメリア

アメリアは、思い悩んでいた

メラのことだけではない

自分の弱さについて、である。

アメリア

(…私は…馬鹿か……?)

アメリア

(でももう、正解が分からない)

アメリア

(…違うな)

アメリア

(メラを拾ったあの日…否)

アメリア

(もっともっと昔…殺しを始めた日から)

アメリア

(私は正しい道なんて生きていない。)

アメリア

(…そのくせ情に流されて、都合の悪いことから逃げてばっかり)

アメリア

(結局…あの子たちを殺せないのも───)

アメリア

(…あの日メラを"殺さず拾った"自分が)

アメリア

(…少しでも正しい行いをしていると思いたいからだ)

メラ

あ、の…アメリア様

アメリア

え?

その声に弾かれたように、アメリアは顔を上げた

気がついてみると、場は静まり返っていて

メラとアメリアと、たった2人きりだった

アメリア

(皆…どこへ行った?)

そのとき隣の部屋からガタンと何かに当たる音がする

アメリア

(…ああ、隣の部屋に…。気を遣ったのか…)

アメリア

(…気を?)

アメリア

(………なんのために?)

メラ

話し…ませんか

アメリア

?いいよ

アメリアはただメラの言葉を待つ

メラ

…っ、あ、えっと……

アメリア

…?

メラは口を開いてまたつぐんで、宙を仰いで俯いて、挙動不審な様子を見せる。

アメリア

何も言わないなら────

メラ

っごめんなさい!

アメリア

…え?

メラ

つ、冷たく当たっちゃって、空気も…悪くしちゃって

メラ

アメリア様は優しさで言ってるって分かってるのに

ツキンとアメリアの胸が痛んだ

アメリア

(違うよ、メラ)

アメリア

(私は優しさで言ったんじゃない。)

アメリア

(だってメラが私といたいってことは、私だって分かってる。)

メラ

…っでも、不安に、なるんです

アメリア

…不安?

メラ

…っう、あ、あの

メラ

嫌いに…っ、メラのこと嫌いにならないでください…っ

アメリア

…へ?

アメリアの頭が、止まった瞬間だった。

しかし、スイッチが入ったのか、メラは話し始める

メラ

さっき何を言おうとしたんですか…っ?何も言わないなら、なんですか?

メラ

早く切り上げたかったですか?メラってめんどくさいですか?

メラ

最後にどうせ殺すんだからいつでもいいですか?いつどこでメラが死んだって好都合ですか?

メラ

メラのこと頭の悪いお子ちゃまだとしか考えてませんか?

メラ

本当は鬱陶しいですか?いつも我慢してくれてるんですか?

アメリア

待て待て待て

メラ

…なん、ですか?

アメリア

ちょ、ちょっと待て

アメリア

…なんて?…いきなりぶっ込みすぎだろ

アメリアは、"知らないメラ"を目の当たりにしているようだった

メラ

…嫌でしたか?

アメリア

そうじゃなくて────

メラ

…アメリア様も、メラのことを捨てますか?

そして…アメリアはそこで初めて、メラの心の奥底を、知ることになるのである。

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