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その夜、ゆいはシェアハウスの一室をあてがわれた。 小さなベッドと机、本棚だけの、静かで落ち着いた部屋。
サンズ
そう言って扉を閉め、足音が遠ざかる。 残されたのは、静寂だけ――
のはずだった。 けれど。
ゆい
目を閉じても、心臓の音がやけに大きい。
知らない場所、知らない住人たち。
優しいのに、距離が近くて、視線が重くて――。
ゆい
シーツを握りしめた、そのとき。
――コン、コン。
ゆい
小さなノック音。 控えめで、でも確かに「誰か」がいる。
ゆいは恐る恐るベッドを降り、扉に近づいた。
ゆい
一瞬の間。
???
慌てた声。 扉の向こうに立っていたのは、また別のサンズだった。 水色スカーフ?を首に巻き、どこか落ち着きのない様子で視線を泳がせている。 (ドアの隙間からのぞいてます)
スワップ
ゆい
スワップ
必死に手を振る様子に、ゆいの緊張が少しほどける。
ゆい
スワップ
ほっとしたように笑ってから、少しだけ真面目な顔になる。
スワップ
ゆい
スワップ
ぱたぱたと、慌てた足音が遠ざかっていった。
ゆい
~朝~
朝日が差し込み、ゆいは重たい体を起こす。
サンズ
すぐそばに立つサンズ。 いつの間にか、手を取られていた。
ゆい
サンズ
半ば当然のように手を引かれ、リビングへ。
すでに数人のサンズが集まっていた。
ドリーム
ゆい
少しだけ嘘。
フェル
そう言いながら、ゆいが椅子に座ると自然に近くに立つ。
インク
隣の席を指し、ゆいが座ると、さりげなく距離を詰める。
インク
逃げ場のない配置。
そこへ。
スワップ
昨日と同じ、少し照れた笑顔。
スワップ
ゆい
そのやりとりを、複数の視線が静かに追っていた。
ナイトメア
低く甘い声。 一瞬だけ、ゆいの背に絡みつくような視線。
誰もが優しい。 誰もが気遣ってくれる。
けれど――。
(……近い……みんな、近い……)
ゆいは今日も、この不思議なシェアハウスで一日を過ごす。 優しさと、 守るという名の囲い込みに、 少しずつ包まれながら。