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二人の逃避行

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二人の逃避行

1 - 二人の逃避行

♥

123

2022年07月07日

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りうら

ふぁーあ……
あにき…おはよ

最愛の彼女にそう声をかけた

悠佑

全く、りうらは
お寝坊さんやな

柔らかい優しい声で僕のことを 呼んでくれる

りうら

んへへ〜

悠佑

もうりうらは……

悠佑

朝ご飯はもう
作ってあるで食べなよ

りうら

はーい!

いつもと同じ、幸せな日常

りうら

……日常はきっと
続くよね

悠佑

ん?なんか言ったんか?

りうら

……いや!なんにも!

りうら

それより、今日ね、
行きたい場所があるんだ!

今日は七夕だから、二人でいきたい。

悠佑

へえ…別に俺はええよ?

悠佑

特に予定もあらへんし

りうら

じゃあ仕事終わったら
行こうね!

予定がないことはわかっていたが 一応、いつ行くかは伝えておく

悠佑

おー、って俺どこ行くか
知らんのやけど?!

りうら

まあまあ、それは
お楽しみの方がいいじゃん

悠佑

…そうかもしれんけど

りうら

ね?

悠佑

う……わかった!

悠佑

楽しみに待っとるわ!

白いアザレアの花のように輝く その笑顔にいつも救われている

りうら

うん!

りうら

じゃあご飯も食べ終わった
ことだし!

りうら

仕事行ってくるね!

悠佑

おう、行ってらっしゃい!

りうら

いってきます

ねえ、アニキ 僕、本当に君が好きだよ

だから

りうら

ずっと僕のそばにいてね

ふう……ここは
イイとこね…

りうら

……

ねえ、あなたもそうは
思わない?

りうら

さて、ね

りうら

僕はただ、あなたを
守るだけですから

つれないわね

まあ、いいわ

守ってくれたら
報酬ははずむわよ

りうら

ええ、承知してますよ

りうら

……少し後ろへ
下がってください

わかったわ

女が下がると同時に銃声が 辺りに響いた

っ!!

りうら

……はあ、今日は
人が多いなぁ

りうら

早く帰りたいのに

暗殺者

何をふざけたことを…

暗殺者

すぐに殺してあげますよ

りうら

……

敵は10人ほどだ この程度ならすぐ終わる

りうら

待っててね

僕の愛しの悠佑

悠佑

おかえり!りうら

りうら

ただいま、アニキ

悠佑

今日はいつもより
遅かったけど、

悠佑

なんかあったん?
大丈夫なん?

君は本当に柔らかくて甘い。

りうら

大丈夫だよ!

心配なんていらないよ

りうら

…それよりさ!
朝、言ってたとこ行こう!

悠佑

お、おう……わかった

悠佑

車出す?

りうら

いや、歩きで行ける
とこだから大丈夫だよ

悠佑

へえ…そうなんや
じゃあ行こうや!

りうら

うん!

僕らは準備してある場所まで 向かった

悠佑

…ここって

りうら

そうだよ

僕らが初めて出会った場所

悠佑

りうら、覚えてて
くれたんやな

りうら

うん、もちろんだよ

りうら

忘れるわけないじゃん

忘れようとしても 忘れられないのだから

りうら

ねえ、アニキ

悠佑

ん?

りうら

今日、なんの日か
知ってる?

悠佑

えー、覚えとらへんよ

分かっていた返答を聞く

りうら

そっか…じゃあ、
教えてあげるね

悠佑

うん

りうら

今日は七夕。

りうら

一年に一度だけ
織姫と彦星が会える日

悠佑

七夕……やったんや

悠佑

それで、天の川?

りうら

うん、綺麗でしょ?

悠佑

おう、めっちゃ綺麗や

悠佑

ありがとうな

りうら

いいよ、お礼なんて

りうら

そのかわり

悠佑

りうら

僕と一緒に死んで?

悠佑

へっ……?

悠佑

な、なんでなん…?

りうら

……僕はね、悠佑と
一緒に死ぬのが夢なんだ

りうら

だから、キレイな悠佑に
似合うこの綺麗な場所を
選んだんだ!

りうら

ね、いいでしょ?

僕はただ君と一緒に死にたいんだ

りうら

これ以上の幸福はないよ!

悠佑

……りうら

悠佑

俺、はな

悠佑

まだりうらと一緒に
生きていたいんや

りうら

え……?

どうして? 死ぬ以上に幸せなことなんて……

悠佑

辛くても必死で
生きていくから

悠佑

きっと命は美しいんや

りうら

……

悠佑

死んじまったら、
もうソレは動かん

悠佑

意思ももてない
ただのゴミに成り果てる

りうら

アニキは……もしかしたら

悠佑

やから、俺はまだ
りうらと生きて

悠佑

一緒にいたいんや

……一緒にいたいのは同じだよ

悠佑

まだ、りうらと
してないこと、

悠佑

いっぱいあるしな!

あぁ、そっか

りうら

アニキ

悠佑

ん?

僕はただ君の白いアザレアの笑顔を 守っていたいだけだったんだ

りうら

ごめ……

悠佑

ちゃうやろ

悠佑

こういうときは?

りうら

……ありがとう!

悠佑

それで、ええんよ!

髪をわしゃわしゃされた だけどなんだかあったかい

悠佑

ええ笑顔しとるやん

りうら

りうら

あったりまえでしょ!

りうら

ね、アニキ

悠佑

ん?

りうら

一生、一緒にいてね

悠佑

おう、もちろんや

悠佑

一生、りうらのそばにおるよ

りうら

うん……

ああ、幸せで世界が溢れていく

りうら

悠佑、愛してるよ

愛が溢れてやまない

悠佑

悠佑

お、れも

悠佑

愛しとーよ

キレイでなくても君は可愛くて バラのように美しい

りうら

……僕、このまま
全部ほっぽりだして

りうら

アニキと逃げたいな

もうあんなとこに従いたくない

悠佑

……ええやん

りうら

えっ?

悠佑

逃げよう

悠佑

二人で一緒に

りうら

あにき……

悠佑

そしたら、自由に
なんでもできる!

悠佑

まだ、しとらへんこと
二人でいっぱいしよや!

りうら

……

無理だ、アソコから逃げるなんて それに…

りうら

こんなに
汚れちゃってるのに

悠佑

汚れてる?

悠佑

何を言っとるん?

りうら

……僕は、僕はね

りうら

人を殺してるんだ

りうら

だから、だからね

悠佑

自由に生きる権利が
ないとでも言いたいん?

生きる権利すら持ってはいけない のかもしれない

りうら

……そうだよ

りうら

みんな、死にたくなんて
ないんだよ

りうら

だけど、僕は、

りうら

ぼく、は……

悠佑

それなら、俺やって
同じや

りうら

アニキ…!

悠佑

殺して、悩んで
死にたくて

悠佑

そんな時にりうらに
出会ったんや

悠佑

俺は、りうらに
救われたんや

りうら

僕に……?

悠佑

そうやで

悠佑

そこから、一気に
人生が楽しくなった

悠佑

こんな幸せでええのか
不安やったけど

悠佑

りうらがおったから

悠佑

俺は今日を生きとれるんや

同じだ。僕も同じだった。

りうら

…僕も同じだった

りうら

毎日が本当に輝いて

りうら

楽しくて

りうら

でも、上からの指示に
従わなきゃ、いけなくて

従えない指示がでたとき、 僕はどう動けばいいのか わからなかった

悠佑

……俺を殺すように
言われたんやな

りうら

……うん

りうら

僕には、アニキを
殺さない

りうら

だから、もういっそのこと

りうら

一緒に死んじゃおうと
思ったんだ

悠佑

なるほどな…

りうら

……怒った?

悠佑

今の話のどこに
怒る要素があるんよ

りうら

でも、僕、アニキのこと
殺そうとした

悠佑

本心じゃないんやろ?

りうら

それは、、、

当たり前、だけど、少し本気で 言っていた

悠佑

なら、もう許しとるよ

悠佑

大丈夫やで

悠佑

こんな汚れた俺たちも
幸せになってええんやで

りうら

もう、こんなに
幸せなのに……?

りうら

もっと幸せになったら
僕、僕……死んじゃうよ

悠佑

……そうやな

悠佑

俺も死んじゃうかも

りうら

ふはっ……なにそれ

りうら

僕ら、おんなじだったんだね

悠佑

そうやな

悠佑

やっぱり似たもの同士
何か惹かれたんやろな

りうら

うん、そうだと思う

りうら

ね、悠佑

りうら

逃げよう

悠佑

うん

悠佑

二人で一緒にな

りうら

うんっ!

悠佑

あ、どうせなら
願おうか!

りうら

短冊も竹もないよ?

悠佑

こういうのは
気持ちが大事なんやよ!

りうら

なにそれw

りうら

でも、いいかもね

悠佑

やろ?

悠佑

じゃあ、一緒に願おうや

りうら

うん

もしも、本当に願いが叶うなら

悠佑 りうら

ずっと二人で一緒に
いれますように

僕はきっと

悠佑

じゃ、帰ろっか!

りうら

そうだね!

悠佑と同じ運命を辿りたい

りうら

……

りうら

そう、願うのかもね

この作品はいかがでしたか?

123

コメント

7

ユーザー

最後…やっぱ赤くん黒さん○すことにしたのかな… 僕の願い事は…みんなが幸せでありますように…かなそんな願い事ないし…

ユーザー

皆さんの願い事が叶いますように

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