マスター
少し曇って水っぽい窓を タオルで拭きながら外を見つめる
部屋の中では雨の音が響いている
メイ
カランカラン
メイの鈴と共に ドアベルの音が耳に響く
マスター
メイの頭を優しく撫で カウンターへと向かう
マスター
お客様
俺お客様の方に目を向けると ずぶ濡れになりただ無言で立っていた
マスター
マスター
マスター
メイは少し頷き 駆け出した
そう、メイは人の言葉が分かる そして頭も賢い
メイ
鳴き声がした方へ振り返ると メイは首にタオルをかけ座っていた
マスター
マスター
マスター
お客様
お客様
途切れ途切れではあるが 声を聞いて少しほっとして
席へと案内する
マスター
優しく笑いかけ 手を差し伸べる
マスター
座っている席へココアを持って行く
ゆらゆらと立ち上る湯気は 温かく包み込むようだ
マスター
お客様
焦っているのか口をパクパクさせ 目を泳がせている
マスター
お客様
少し申し訳なさそうに俯く
お客様
お客様
お客様
言葉を絞るように 震える小さな声で話す
お客様
お客様
お客様
少し涙ぐみながら話しているのか タオルで目を拭っている
マスター
お客様
お客様
お客様
お客様
お客様
マスター
不思議そうに見つめ こくりと頷く
マスター
マスター
お客様
その言葉を聞き いつも通り準備を進め
シェイカーを一定のリズムで振る
そして完成した液を グラスへと注ぎ
縁に果物を添えて お客様へと差し出す
マスター
マスター
お客様
カクテルへと目を移し じっと見つめ
手をかけ、1口飲む
ゴクリと小さく音が響く
お客様
お客様
マスター
マスター
マスター
マスター
マスター
マスター
お客様
優しく笑い、また1口また1口と 飲み続けている
マスター
マスター
マスター
お客様
薄く笑い 首を傾げる
マスター
マスター
マスター
少し驚き目を見張るお客様
マスター
マスター
目を覚ますとそこは見覚えのある 景色が広がっていた
私
時刻は朝の6時
私
私はベットから飛び起き すぐに支度を進めた
あれから約3時間後
高鳴る胸を抑えて インターフォンを鳴らす
母さん
私
母は私を優しく抱きしめ 泣いている
私の大好きな匂いが 鼻をくすぐる
父さん
私の姿に気付いたのか
畑から帰ってきた父さんが こちらを見つめ、目に涙を貯めて 呆然と立っている
私
私は父さんに駆け寄り ぎゅっと強く抱き締めた
マスター
俺は、大きな木の所に グラスを4つ優しく置いた
コメント
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凄くいい話ですねヽ(*´∀`)ノ マスターはお客様の事をしっかりと、理解していてすごいと思いました ですがばーぼん、ぐれなしろっぷ!? 何それ!?となりました笑笑
ぐれなでんしろっぷ…? 頭悪いからわかんねー“ᕕ( ᐛ )ᕗ,, でもまぁ…うん。好きです((は
めちゃめちゃいい話すぎる....... 花言葉以外にもカクテル言葉ってあるんだね🤔 マスター本当に素敵な人でよかったわ笑 続き待ってる!