テラーノベル
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ーーあの日レンは来なかった。 その静けさが、逆に不気味で仕方なかった。
午前中。 母と一緒にダンボールに荷物をまとめる。
母
ミカ
母
母の言葉に頷きながらも、胸の奥には不安が残っていた。
昼過ぎ、 レンが現れないことに少しだけ安心して、私は決心した。
ミカ
母
友達の家
ユイ
マリン
ミカ
しばらく他愛のない会話をして、心が少しだけ軽くなった
帰り道。 夕暮れの道を歩いていると、背後から足音がついてきた。 ぞわりと全身に冷たいものが走る。
ミカ
振り返った瞬間、そこに立っていたのは、レンだった。 痩せこけた顔、血走った目。笑っているのに涙が伝わった
レン
ミカ
全身が凍りつき、足が動かない。必死に逃げようとするのに、膝から力が抜けてその場に崩れ落ちた
ミカ
レン
地面に手をつき、後ずさるしかない。 夕暮れの空が赤黒く滲み、心臓の鼓動が耳を突き破るほど鳴り響く
レン
ーー逃げられない。 その瞬間、私は本当に”終わり”を覚悟した
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