君になりたくて

バアンッ！

凌のスパイクの打ち付けた音が大きな体育館にこだました。

その瞬間、ワァーッと会場が盛り上がった。

明里の手は感動で震えていた。

決勝進出。

あとは決勝で月葉を倒すのみだ

明里はキョロキョロとあたりを見渡した。

明里は焦りながら小走りで角を曲がる。

その時

ドンッ

誰かと肩がぶつかった。

バランスを崩したが、誰かに肩を支えられる。

陸は明里の手をぎゅっと握った。

その時、後ろから凌はぐいっと陸から明里を引き剥がした。

凌はバチバチと陸を睨む。

凌は陸を指さした。

すると陸は俯いてプルプルと震え出した。

明里はそっと陸の方へ近づく。

顔を上げた陸の口元は緩んでいた。

陸は少し嬉しそうに赤くなった。

明里はそう言いニコッと微笑んだ。

カッと陸の顔は赤くなる。

陸は真っ赤な顔で明里の口を塞ぐ。

凌はそれにムッとする。

ー決勝戦当日ー

お互いの高校は試合前のアップをしていた。

明里は流れた球を拾う。

その時、月葉から流れてきたボールが明里の元へ転がってきた。

明里はぺこっとして克樹にボールを手渡した。

克樹はニコッと笑って背を向けて走り出す。

克樹は驚いて振り返る。

克樹は走って元の場所に戻って行った。

凌はぎゅっと明里から貰ったお守りを握りしめていた。

凌は緊張した様子でコートに行ってしまった。

選手たちが整列している様子を見て明里はぎゅっと拳を握りしめる。

ついに始まるんだ…

月葉との決勝戦

明里は深く深呼吸をした。