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なんにもない。
なんにもない。
気づいた時からなんにもなかった。
心地よい太陽の光が、桜のピンクを際立たせる春のある日
私は生まれた。
みっちゃん
かんた
かんた
かんた
とは言うものの、なんにもない。
なんにも起こらない。
することといえば、 ときどき、共同生活している友人と話すくらいで
あとは、ただただじっとして
自分が太っていくのを感じながら過ごす日々だ。
でも、これが私たちの仕事。
かんた
みっちゃん
かんた
みっちゃん
みっちゃん
かんた
みっちゃん
かんた
みっちゃん
みっちゃん
かんたくんは、私が生まれたときにはすでにいたので、多分先輩。
共同生活をしているのは他にもたくさんいるが
かんたくんは、私が生まれたときからずっと近くにいるので、私の一番の話し相手だ。
でも、ついにその日はやってきた。
かんたくんとお別れの日が。
かんた
かんた
みっちゃん
かんた
かんた
かんた
かんた
みっちゃん
かんた
かんた
みっちゃん
トラックに乗せられるダンボール。
みっちゃん
そして、いよいよ私の番がきた。
なんにもない日とももうお別れ。
みっちゃん
みっちゃん
住んでるところを離れる時、ちょっとチクッとしたが
すぐに他のみんなと一緒にぎゅうぎゅう詰めにされたので、痛みはすぐになくなった。
運ばれた先には、かんたくんの姿はなかった。
そのかわりに、いろんな声が聞こえる。
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思いのほか、2度目の移動日は早くきた。
みっちゃん
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いよいよだ...
最高の瞬間がくる...
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この声が聞こえたあと、私はどこかに連れて行かれた。
そして、何か硬いものの上に置かれたあと、体が真っ二つになった。
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こうして私は、最高の瞬間を迎えた。
しぼられて一生を終えたのは誤算だったが
それでも、こうして喜んでもらえた。
これ以上の幸せはない。
みっちゃん