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目の前には扉がある
周りには、これまでの犠牲が積み重なっている
俺の友人、同僚だったものが、その犠牲に埋もれている
死屍累々とは、こういうことなんだと 今さらながらに思う
そもそも、この扉はどこから来たのだろうか?
ある島に突然出現した扉
最初に気づいた人間が、市役所に報告せずにその扉を開けた
その人間が最初の犠牲となった
扉の情報は、島民にすぐに伝わった
扉を開けた者は死体へと変わり、 撤去しようとしても、扉は傷一つつかなかった
動かそうにも、動かず 壊そうにも、壊れない
しかし島民は、諦めずに色々な方法を試した
その結果、どうしようもないということが分かった
そうして、誰もが気味悪がり扉を開けずに放置した。
そんなある日、扉からノック音が聞こえた
もちろん、扉を叩いている者は誰もいなかった
島民は無視を決め込んだ
ノック音は日に日に強くなっていたが、それでも島民は無視し続けた
一夜明けて、島民はノック音が止んだことに気づいた
扉の様子を見てみると、死体があった
それも一人ではない
約50人もの島民が、死体となって扉を囲んでいた
それで、皆分かった
ノック音には応えなければならないと
だから、この死体の山ができた
ノックがされる度、誰かが扉を開けて死んでいく
開ける者は完全にランダム
誰だって死ぬのは嫌だから
だから今、俺が扉の前に立っている
コンコン コンコン
扉が叩かれる
コンコン コンコン
扉が叩かれる
扉が叩かれる
ドアノブを手に取る
ドアノブを回す
扉を開ける
扉を開けた
扉の先は、「何か」がいた
形容し難い「何か」
俺はそれを見て分かった
あの扉の意味を、扉の先を
そういうことだったんだ
俺もまた、救済の一人だ