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夕方を過ぎて、シェアハウスの玄関が また賑やかになり始めた。
高尾颯斗
草川直弥
関哲汰
沢村玲
山下永玖
上村謙信
わいわいとにぎやかな声。 次々に靴を脱いで入ってくるのは―― ONE N’ ONLYのメンバーだった。
高尾颯斗
颯斗がリビングに立ち止まり、私のそばへ。
高尾颯斗
メンバーたちは一斉に私に視線を向けた。 けど、その目に拒絶や驚きはなかった。
関哲汰
一番最初に声をかけてくれたのは、 関哲汰(せき てった)だった。
その言葉と、まっすぐな目が 少しだけ心を和らげた。
草川直弥
続いて、草川直弥(くさかわ なおや)が 軽く手を挙げて微笑む。
〇〇
沢村玲
その隣で頷いたのは、 沢村玲(さわむら れい)。 落ち着いた雰囲気で、 どこか“まとめ役”っぽい空気がある。
山下永玖
ソファにふわっと座りながら 手を振ってくれたのは、 山下永玖(やました えいく)
その軽さが逆に優しさに感じられて、 私は少し笑った。
上村謙信
少し恥ずかしそうに自己紹介したのが、 上村謙信(かみむら けんしん)。 人見知りなのか、 視線をそらしながらぽつりと 自己紹介してくれた。
小さな声だったけど、それがとても可愛くて、
〇〇
高尾颯斗
高尾颯斗
優しい声と、柔らかく笑う表情。 そして、その言葉に、かなたの心の奥が じんわりと温かくなるのを感じた。
みんなが自然に輪に入れてくれる。 私のことを「かわいそうな子」じゃなく 「ここにいる一人」として見てくれている。
テーブルの上には、 玲が買ってきたチーズケーキ。 直弥が紅茶を入れ、 空人と潤が皿を並べて、 要人がBGMを流した。
山下永玖
私はすぐに首を振ったけど―― 涙は、たぶん、にじんでいたと思う。
だって、今までの人生で初めてだった。 “大勢の人に囲まれて、 あたたかく笑える夜”なんて。