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山下永玖
リビングで紅茶を飲みながら、 永玖がふと口を開いた。
山下永玖
その瞬間、空気が少しだけ静かになった。
みんなの視線がゆっくりこちらへ向く。 悪意はない。好奇心でもない。 ただ、“知りたい”という、まっすぐな気持ち。
少しだけ躊躇して、それでも私は答えた。
〇〇
草川直弥
直弥が穏やかに笑う。
桜木雅哉
雅哉がつぶやいてくれた。
吉澤要人
と要人がノートに書くフリをしておどけてた。
長野凌太
杢代和人
和人と凌太が吹き出す。
〇〇
こんなふうに笑える自分が、 少しだけ不思議だった。
みんながそれぞれに雑談へと戻っていく中、 颯斗がふと私の隣に座る。
高尾颯斗
小さく呼ばれて、私は顔を向けた。
高尾颯斗
その声はやさしくて、 どこまでもまっすぐだった。 でもその問いは、 私の心を静かに締めつけた。
何も言えなかった。 喉の奥が固まったみたいで、 言葉が出なかった。
高尾颯斗
颯斗はそれ以上、何も聞かなかった。 ただ、うなずいて、少しだけ遠くを見つめて、
高尾颯斗
とだけ言った。
その言葉に、また涙がにじみそうになったけど―― 私は心の中で、そっと決めた。
“過去のことは、話さない”
話したところで、 誰にもわかってもらえるとは思えない。 話したら、せっかくもらえたこの場所が 壊れてしまう気がした。
だから私は、あの夜のことも、家のことも、 何も語らずにここにいる。
その夜、部屋に戻って天井を見つめながら、 私は心の奥でそっとつぶやいた。
〇〇