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【はじめに】 ※ちょっとした注意事項 ・この物語はガーデンバースの設定を取り扱っております。 ・NL、BL、GLを含みます。 ・物語の設定の都合上、キャラクターの一部の設定(特に過去に関する内容)をほんの少しだけ変更しています。 ・この物語はノベルで投稿していた参加型【花咲く庭で愛を謳う。】のチャットノベルリメイク版です。

遠いどこかの世界での、とある話。

その世界の花々は悪に踏み潰され、 綺麗な庭はいつの間にか荒らされてしまった。

一度荒廃してしまったこの場所で、 花が再び咲き誇ることを願うとある人形が居た。

花はとうに散ってしまった。 再び芽吹いた蕾が摘み取られないことを祈りながら、舞っていく蝶を見つめながら人形は思う。

──いつか、もっともっと綺麗な花を目にすることが出来ますように、と。

……どうしてか、とても体が重い。

何か変なことをした覚えはないし、 そしてこれまたどうしてか起きる前の記憶が無い。

木々のざわめきと小鳥のさえずりが、 重い頭の中にやけに鮮明に聞こえてきた。

ヴィア・クォーツ

(……木? 小鳥?)

ヴィア・クォーツ

……!?

そこで彼──ヴィア・クォーツはハッとした。 起き上がって周囲を見回す。

目覚める前の記憶が無くとも、この現状がおかしいということにはすぐに気付いた。

ヴィア・クォーツ

(何故森に……?)

ヴィア・クォーツ

(……妙ですね。
昨日はきちんと寝室で寝たはず。)

ヴィア・クォーツ

(全く人気がない……。)

周囲をきちんと確認しようと立ち上がりかける。 しかし、突然体に走った痛みによってそれは阻まれた。

ヴィア・クォーツ

いた……っ?

ヴィア・クォーツ

(何故こんなに切り傷が……。
それに、服も体も土だらけですね。)

ヴィア・クォーツ

(……森の中で倒れていたから?)

ヴィア・クォーツ

(ではどうしてこんなにも傷が……?)

ヴィアは今度こそ立ち上がり、服に着いていた土埃を払った。 知らぬうちに切れていたのか、口の中には血の味が滲む。

小鳥は鼻歌でも歌っているかのように楽しげに鳴き、 時折吹く風によって木の葉はざわざわと揺れている。その音には、やけに心地良さを感じられた。

ヴィア・クォーツ

(……そんなことを考えている場合ではありませんね。)

ヴィア・クォーツ

(まずは落ち着いて、状況の整理をしなくては。話はそこからです。)

ヴィア・クォーツ

(私は昨晩、いつも通り自室で寝た。)

ヴィア・クォーツ

(……その後の記憶が全く無いですね。
眠っていたので、当然と言えば当然ですが。)

ヴィア・クォーツ

(……では何故身体中に切り傷が?)

ヴィア・クォーツ

(これ程の傷を受けていれば、普通気付いて目が覚めるはずですが。)

カサッ……

その時、近くの茂みが揺れる音がした。 風が吹いたことによる音ではない、それにしてはあまりにも不自然な音。ヴィアは身構えた。

ヴィア・クォーツ

──!

ヴィア・クォーツ

……どなたでしょうか。
私をここに連れてきた犯人ですか?

ヴィアが茂みに向けてそう言い放つ。 しかし、茂みの中から人が出てくる気配はなかった。

ヴィアは茂みに近付き、覗き込む。 すると、慌てた男性の声が聞こえてきた。

???

──ち、違う!
僕は悪者じゃないよ!

ヴィア・クォーツ

……おや?

サウカ

勘違いさせてごめん。僕はサウカ。
目が覚めたらこの森に居たんだ。

サウカ

……もしかして、君も?

ヴィア・クォーツ

えぇ、そうです。

ヴィア・クォーツ

……初めまして。ヴィア・クォーツと申します。

サウカ

よ、よかった……。僕以外にも人が……。

サウカ

実はさっき足を負傷しちゃったんだ。手を貸してくれないかな?

ヴィアは彼の右脚に目を向ける。 すると、膝辺りに血が広がっているようだった。

ヴィアは座り込むと、サウカに手を貸した。

ヴィア・クォーツ

立てますか?

サウカ

ありがとう。本当に助かるよ……。

サウカ

あ、痛っ……。

ヴィア・クォーツ

……本当に大丈夫なのですか?

サウカ

う、うん! ……多分。

サウカは立ち上がり、ヴィアと向かい合う。 そして、深々と頭を下げて礼を言った。

サウカ

本当にありがとう、助かったよ……!

サウカ

突然目覚めたら知らない場所に飛ばされてるし、足は負傷してるしで大変だったんだ……。

サウカ

君が居てくれてよかった。

ヴィア・クォーツ

いえいえ、お気になさらず。

頭を下げているサウカを見て、ヴィアは首を横に振る。 彼は悪い人ではないなと心の中で判断していた。

サウカ

そういえば……君、目覚めたらここに居たんだよね?

サウカ

実は僕もなんだ。しかも右足を負傷してて……。

ヴィア・クォーツ

……私は、目立った傷といえば切り傷くらいでしたね。

サウカ

そうなんだね。
怪我の程度も違うのか……。

サウカ

そもそも、目覚めた時にどうして怪我なんてしていたんだろう。

ヴィア・クォーツ

さぁ……。

サウカ

あ、そうだ!

サウカ

僕、実はついさっき巨大な虫に追われて。

サウカ

そのせいで傷が深くなっちゃったんだ。
蛾みたいでちょっと嫌だったな……。

ヴィア・クォーツ

……巨大な虫、ですか?

サウカの口から出た「巨大な虫」という言葉に、ヴィアは僅かに目を見開いた。そして思わず聞き返す。

サウカ

そう。巨大な虫。

サウカ

……あと、この森、多分僕達以外にも人が居ると思う。

サウカ

その虫と関係しているかは知らないけど、やけに慌てているような足音が聞こえて。

ヴィア・クォーツ

巨大な虫に、慌てている足音……。

どうしてそんなことが、とヴィアが考えていると、 近くから足音と共に一人の男性が現れた。

深緑色の髪にモノクルをかけている青年。 いかにも紳士といった装いだが、その髪は乱れ、服には土が付着していた。

???

……よかった、私以外にも人が居るようだね。

???

やぁ、初めまして。……突然だが、君達はここがどこか知っているかい?

???

私も目覚めたら急にここに居たことだから驚いていてね。

ヴィア・クォーツ

……貴方は?

???

私?

アスター

私はアスター。
気軽にアスターと呼んでくれ。

ヴィア・クォーツ

ヴィア・クォーツです。

サウカ

僕はサウカ。よろしく、アスターさん。

アスター

私は目が覚めたらここに居たんだが……もしや、君達もそうなのかい?

ヴィア・クォーツ

えぇ。そうですね。

サウカ

偶然の2文字で片付けるには、あまりにも色々重なりすぎているよね……。

この森に迷い込んだという者が1人増え、 更にこうなった理由についての謎が深まっていく。

──その時、彼らの目の前を黒い影が横切った。 一瞬、ほんの一瞬だけでも、ヴィアはそれが良くないものだと分かった。

後方を見ると、サウカが目を見開き言葉を失っている。

ヴィア・クォーツ

……もしや、あれがサウカさんの見たという「巨大な虫」ですか?

サウカ

う、うん。間違いない……。

サウカ

あれは僕が襲われた虫とそっくりだよ……。

アスター

……虫? 君達、虫に襲われたのかい?

ヴィア・クォーツ

どうやらサウカさんが虫に襲われたようで。

ヴィア・クォーツ

それがとても巨大らしく……。

アスター

巨大な虫、か。

謎の虫の存在に、自分達がここへ来た理由。 見たことない大きさの虫のような生物を見て、アスターは大分警戒を強めているようだった。

そんな3人の背後に忍び寄る黒い影があることに、 彼らはまだ気付かなかった。

ヴィア・クォーツ

ひとまず、あの謎の生物に警戒しながら隠れられそうな場所を──

突然、サウカが叫ぶ。

サウカ

──ヴィアさん、避けて!

ヴィア・クォーツ

……っ!

いつの間にかヴィアの背後に黒い影が居た。 虫はヴィアを攻撃しようと、光線を溜めて吐き出す。すんでのところで避け、その光線は彼のすぐ真横を通り過ぎた。

アスター

……ふむ、あれが。

サウカ

ど、どうしよう……!?

サウカ

ひ、ひとまず逃げた方がいいよね!

ヴィア・クォーツ

落ち着いてください。
まずは体勢を整えて──

攻撃が外れたことを知ると、虫は再び攻撃をしようと光線を溜め込み始める。

???

……まさか、こんな所にまで害虫の魔の手が伸びてきているとは。困ったものですね。

その時、周囲に突如として銃声が響く。 次の瞬間、3人に襲いかかってきていた虫のような生物は地面に伏せていた。

すかさずもう1発が倒れた虫のような生物に入る。 銃弾を2発も食らったその生物は、ドロドロになって溶けてしまった。

???

ふむ、これは……。

???

やはり、まだ調査の余地はありますね。

ヴィアが振り返ると、そこには天使の少女が居た。 ……比喩でも何でもない、本当の天使だった。彼女の背中には純白の翼が生え、柔らかい笑みを携えている。

桃髪の彼女は笑みを浮かべたままで、ショットガン──ベネリM3を仕舞う。

???

初めまして、見ない顔の方々ですね。
お怪我はございませんか?

この作品はいかがでしたか?

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コメント

7

ユーザー

今回もめちゃくちゃ良かったです!!!! わぁ…チャットノベルでも 描写が細かくて凄いですね…!!! 本当にどうしてあの害虫達って 人を襲うんですかね… その理由自体は分かっているんですが… 人間を襲わない害虫が生まれているのか とても気になります…!!!(?) 次回も楽しみに待ってます!!!!

ユーザー

見るのめっっちゃ遅れました!!!すみません、!!💦 チャットノベルになったんですね〜

ユーザー

前回も言ったけど世界観が大好きすぎて滅😘😘 物語の構成っていうか…書き方、終わらせ方がお上手すぎて尊敬してます💘💘💘 頑張ってください🙌😘

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