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うわ....めっちゃ尊いうわ....神...
うわぁぁぁぁぁ(´;ω;`) 好きだッッ…(急な告白 普通にいい話やん……… ルナちゃん天才…??
すとぷり 「不思議な世界の王子様」
この世界は、私たちが住む世界とは、全く違う世界である。
異なる世界、と言っても何も話さなかったり、何かをかかない訳では無い。
だが、この世界に住む人々は、必ず能力を持っていた。
能力を持たない者は存在しなかった。
私たちの世界にも、能力者は何人か存在する。
絶対音感、共感覚、映像記憶能力…
だが、みんなが能力を持っているというわけではない。
だから、私はこの世界を「私たちが住む世界とは全く違う世界」と呼ぶ。
…そろそろ前置きは終わりにするとしましょう。
あるところに、6つの王国があった。
それぞれの国を、6人の王子が従え、平和に暮らしていた。
王子たちは、とても仲良しだった。
6人の王子たちには、それぞれ違う能力があった。
人々が持つ能力には、なぜ違いが生まれるのか。
たくさんの人が考えたが、それは未だに解明されていなかった。
一番有力だとされている説は、
『人々の体に存在する色と関係がある』
という説である。
この世界に住む人々の体に違いが生まれる場所は「髪」と「目の色」である。
なぜ、色と能力が関係あるのか。
それは、色によって連想されるものと、人々の能力が一致しているからだ。
具体的な例を、6人の王子たちの色で紹介してみよう。
紫
具体的な連想の場合、 宇宙、夜の空、アメジスト、女性、プラプラ貝がある。
抽象的な連想の場合は、 神秘的、癒し、直感、芸術的、高貴、高尚、上品、優雅、希少な、珍しい、 個性的、複雑な、珍しい、特別、権力、王位、豪華などと、 王家のようなイメージのある連想が多い。
紫という王子の場合は、宇宙を操るという能力を持っていた。
他には、病気や精神的疲労でエネルギーが弱っているときに、 心を癒す能力を持つ者もいた。
橙
具体的な連想の場合、 太陽、火、みかん、紅葉がある。
抽象的な印象の場合は、 あたたかい、明るい、楽しい、陽気、楽しい、温情、快活、歓喜、華やか、 晴れやか、健康、元気、外向的、社交的、親しみ…。 明るさをイメージさせられる連想が多くある。
橙という王子の場合は、太陽を操るという能力を持っていた。
他には、人々にショックやトラウマを与えるという能力を持つ者もいた。
桃
具体的な連想の場合は、 ハート(心臓)、女性、女の子、なでしこ、さくらがある。
抽象的な連想の場合は、 かわいい、美しい、優雅、贅沢、豪華、華やか、優美、か弱い、やさしい、 配慮、ボランティア、愛情、自己愛、与える、奉仕、献身など、 女の子らしい連想が多くある。
桃という王子の場合は、敵の攻撃を自分の物にするという能力を持っていた。
他には、人々に幸福を与えるという能力を持つ者もいた。
青
具体的な連想の場合は、 空、水、水中、海、ラピスラズリがある。
抽象的な連想の場合は、 静寂、冷たい、冷淡、冷静、保守的、内向的、誠実、信頼、平和、落ち着き、大人しい、知性、清潔、悲しみ、ゆううつ、精神的という、 クールなイメージのある連想が多くある。
青という王子の場合は、周囲に冷気をもたらすという能力を持っていた。
他には、人々の感情を一時的に無くすという能力を持つ者もいた。
赤
具体的な連想の場合は、 太陽、血、火、バラ、りんご、口紅。
抽象的な連想の場合は、 情熱、危険、興奮、暑い、怒り、爆発、圧力、活動的、動き、派手、生命、 勇気、燃える、争い、強烈、激しい、積極、愛情などの 人の感情に近い連想が多くある。
赤という王子の場合は、炎を操る能力を持っていた。
他には、人々の感情を豊かにするという能力を持つ者もいた。
黄
具体的な連想の場合は、 太陽、光、星、ひまわり、レモン、バナナ、卵、ひよこがある。
抽象的な連想の場合は、 明るい、楽しい、陽気、明朗、快活、躍動、子供っぽさ、注意、注目、 目立つ、軽い、不安、軽率、愉快、閃き、英知、知性など、 活発で、優等生風な連想がある。
黄という王子の場合は、光を操るという能力を持っていた。
他には、ある場所に花を咲かせるという能力を持つ者もいた。
そんな多彩な能力を持つ人々は、毎日平和に暮らしていた。
けれど
この世界にも、「永遠」は無かった。
紫
紫
紫
国民
ある日、1つの王国が、未知の生物に襲われた。
その王国は、紫王子が従える国であり、6つの国の中で一番大きい国だった。
桃
紫
紫
桃
桃
紫
紫
桃
紫
紫
紫
紫
紫
桃
桃
紫
桃
桃王子は、城へと走る人々の流れに逆らいながら、自分の国に戻った。
数時間後
子供
国民
国民
城の中には、何万人という、数え切れないほどの国民が集まっていた。
彼らから逃げるためには、こうして集まり、息を潜めて過ごすしか無かった。
明かりを消し、城の窓という窓を閉めていた。
そのため、城内は異様な程に暗かった。
国民は不安でいっぱいだった。
幼い子供もいた。
子供
子供
子供
中には、不安で泣き出す子供もいた。
カツ… カツ…
どこかから、足音が聞こえてきた。
国民
国民
子供
国民たちは、身の危険を感じて、息を潜めた。
???
暗闇から、声が聞こえてきた。
その声の主は_______
赤
赤王子であった。
片手に炎が弱々しく揺らめくランプを持ち、国民に呼びかけた。
国民
国民
子供
赤
赤
赤が、少し言葉を濁したことで、国民たちは皆、押し黙った。
赤
赤
国民
赤
赤
国民
その瞬間。
兵士
兵士
赤
赤
人々は、慌てて駆け出した。
それから、ワンテンポ遅れて、城の入口が突き破られた。
吹き飛ばされた兵士が、床に横たわる。
赤
赤は、咄嗟に炎を纏った剣を抜き出した。
???
『それ』は、目の前に現れた生き物を見つめ、そして_____
???
この世のものとは思えない叫び声をあげて、赤に襲いかかってきた。
赤
『それ』は、全身を黒で囲い、おどろおどろしい雰囲気を纏っていた。
赤は、一瞬体が固まった気がした。
赤
赤
赤
赤
赤
赤
???
魔物の襲撃から、5日が経った。
取り残された国民がいないか、見回っていた橙王子は、ふと空を見上げた。
橙
数日前までは、青空を隠す雲でさえも美しかったのに、今日の雲は黒かった。
橙
別の国の王子と話したのは、5日前が最後だった。
桃王子が、突然今すぐ国民たちを避難させろと橙に言った。
理由は聞かせてもらえなかった。
けれど、彼のなにかに怯えるような表情を橙は見た。
危険を察した橙は、国民たちを自分の城に避難させた。
国民を避難させる際に桃を探したのだが、見つけることができなかった。
隣国へと続く道も、他の国に被害がいかないよう、封鎖されてしまっていた。
それからは、兵士以外の誰とも言葉を交わしていない。
…いつの間にか、紫王子の国の近くに来ていたらしい。
少し遠くに、紫色の旗が見える。
橙
彼の国のことが心配になり、少し国の中を覗いた時。
橙
橙
彼の国の建物の所々に、何者かに壊された跡があった。
かぎづめで引っ掻いたような、痛々しい跡。
明らかに、『得体の知れない生物』が壊した跡だった。
橙
橙
青
青王子は、水面を見つめていた。
…いや、正確に言うと
水面を睨んでいた。
ぶくぶくと水面が泡立ち、周りの木がざわめく。
凍りつくような風が、青王子を取り巻く。
冷気を纏った剣を構え、水面から決して目を離そうとしなかった。
やがて、水面から現れたのは
魚と人間が混ざったような生き物だった。
こちらに背中を向けて向こう岸に上がり、やがてどこかへ消えた。
青
青
見たことも無い生き物を野放しにしてはいけない。
そう考えた青は、その生き物を追いかけた。
人々が近寄らない場所には、青も決して近付かなかった。
そのため、今青がいる場所は、人々は今まで近付かなかったことを悟らせた。
水色のような、目立つ色だとしても、ここを走っていると見失いそうになる。
自分の体力の限界など、全く気にせずに走り続けた。
何度も鋭い葉に肌を切られ、徐々にスピードは落ちていった。
青
青
急に止まったせいか、少し視界が揺らいだ。
あの生き物の姿は、とっくに見失ってしまっていた。
どっと疲れが押し寄せ、青はそこに座り込んだ。
ニュル… ニュル…
聞き慣れない音が聞こえた。
青
青は危険を感じて立ち上がった。
剣を構え、四方八方を見渡す。
音は、どこから聞こえてくるのか、見当がつかなかった。
青
そんな言葉を漏らした時。
ポト…
自分の頭に、何かが落ちた。
顔まで垂れた雫を拭い、感触を確かめる。
それは、まるで、
______なにかの唾液のようだった。
青
はっと上を見上げると
…そこに、奴がいた。
???
???
それは、狂ったように笑い出すと、タコのような足を青に巻き付けた。
青
ギリギリと体を締め付けられ、息をすることもままならなかった。
体から力が抜けていき、剣は地面に落ちた。
青
木々のざわめきが遠く聞こえた。
???
突然、奴の叫び声が、こだました。
青を締め付けていた足が、どさりと地面に落ちた。
青
青は地面に座り込んだ。
桃
黄
桃王子と、黄王子が青をゆさぶる。
青
青
黄
桃
青
青
黄
桃
奴は、瞬時に黄と桃を睨みつけた。
桃
桃
青
青
黄
3人は剣を構えた。
そして____
一斉に、奴へと飛びかかった。
あれから、1ヶ月以上の時が過ぎた。
黄
兵士
黄
兵士
黄
あいつと戦った時の傷が、まだ痛んでいた。
青王子、桃王子と会えたが、紫王子、橙王子、赤王子とはまだ会えていない。
3人の安否も分からないまま、2ヶ月が経とうとしている。
せっかく会えた桃と青も、自分の国に帰ってしまった。
しばらくの間留守にしていた城は、所々壁が崩壊していた。
これもまた、なにかにやられたらしかった。
黄
黄
兵士
黄
なぜ、奴らは現れたのか。
黄たちは、何もわからなかった。
そして
黄たちは、何も知らなかった。
この世界で、遠い昔に起きたことを_____
桃
桃
桃
桃
シスター
桃
桃
シスター
シスター
桃
桃
桃
魔物
シスター
シスター
シスター
桃
シスター
シスター
桃
シスター
シスターは、この世界のことについて話し始めた。
シスター
桃
シスター
シスター
シスター
シスター
シスター
シスター
桃
シスター
シスター
桃
シスター
シスター
シスター
桃
桃
シスター
桃
シスター
桃
桃
シスター
シスター
シスター
桃
桃
桃
桃
城の中は、異様な程に静まり返っていた。
誰かが足音を立てると、城全体に響き渡り、国民たちが慌てる程だった。
だから皆、全く動かずに過ごしていた。
兵士
兵士
兵士
兵士
兵士
兵士
兵士
兵士
兵士
橙
兵士
橙
橙
兵士
兵士
橙
桃
橙
橙
桃
桃
橙
橙
橙
桃
桃
橙
桃
桃
橙
桃
桃
桃
橙
桃
桃
橙
橙
橙
桃
桃
橙
桃
桃
兵士
橙
桃
橙
橙
桃
兵士
橙
橙
橙
兵士
兵士
桃
黄
黄
桃
黄
桃
桃
黄
桃
黄
黄
桃
桃
黄
…桃王子は、半ば強引に王子たちを連れて行った。
桃
赤
黄
赤
橙
赤
赤
赤
魔物と戦った赤も、指の骨を折ってしまったが、今はすっかり回復していた。
黄
ドタドタドタ
青
青
赤
…そして、紫以外の王子は皆再会できたのであった。
けれど…
桃
桃
赤
青
黄
橙
橙
全員
橙
橙
赤
赤
桃
橙
桃
全員
青
青
黄
橙
橙
橙
赤
桃
返事の代わりに聞こえてきたのは、風が森の中を吹き抜ける音だけだった。
遠くで、誰かが俺を呼んでいる気がした。
でも、誰の声なのか、見当がつかなかった。
???
その言葉が、はっきりと聞こえた。
紫
痛みが強く、声を発する力がでなかった。
俺は、まだ痛む体を動かして、そばに落ちていた剣を石に叩きつけた。
カランカラン…
乾いた音が、辺りに響いた。
赤
桃
橙
少しずつ、足音が近付いてくる。
再び意識を失いそうになりながら、足音の音に耳を澄ます。
そして____
橙
橙くんの声が聞こえた。
今にも泣きそうな、震えている、けれど暖かい声だった。
紫
紫
桃
赤
黄
俺の体は、半分近くが血の色で染まっていた。
『あいつ』と戦った時に、多くの傷をつけられたのだ。
紫
橙
紫
紫
青
紫
紫
???
???
青
桃
???
???
???
5人の王子たちは、いっせいに剣を構えた。
???
???
桃
???
???
???
ザシュッ
言い終わる前に、黄が魔物に斬りかかった。
だが、いとも簡単に避けられてしまった。
???
???
???
途端に、視界が真っ赤に燃えた。
あちこちで木が倒れ、気を抜けば下敷きになってしまいそうな勢いだった。
だが____
赤
赤
赤
赤は、そう言い放つと、剣を一度、くるりと回して見せた。
途端に、周りの火が一斉に消えた。
青
魔物の周りは、冷たい空気に覆われた。
???
???
???
今度は、周りが闇に包まれた。
橙
橙
黄
と、急に小さな太陽が現れた。
黄は、小さな太陽の光を操り、周囲を明るく照らした。
黄は周囲を照らしながら魔物に突っ込み、
黄
青が纏わせた冷気すらも負かす程、強い熱風を喰らわせた。
???
魔物の太い腕は、業火に焼かれ始めた。
???
???
???
魔物が視線を向けた先には、傷ついた紫を手当する桃の姿があった。
桃
紫
???
???
彗星のように、赤い弾は桃目掛けてまっすぐ飛んでいった。
青
桃
咄嗟に顔の前に手をかざした桃の目が、一瞬青く光った。
___赤い弾は、小さな弾へと変化して、桃の手の平をかすめただけだった。
桃が目を再び開いた瞬間、更に大きな、桃色の弾が魔物を直撃した。
???
青
幼なじみである青でさえも、わけがわからなかった。
???
???
空が、黒で覆われた。
???
ドカッ…
???
魔物の後頭部に、巨大な石が直撃した。
魔物は、その場に倒れ込み、二度と動かなかった。
紫
紫
紫
橙
さっきの巨大な石の正体は、隕石であった。
…もちろん、こんなことができるのは、紫だけだった。
赤
赤が咄嗟に駆け寄り、紫に力強く抱きついた。
紫
赤
そう叫ぶ赤の目には、涙が溜まっていた。
紫
紫が、視線を感じて、みんなの方を見ると…
橙
黄
青
桃
赤を羨ましそうに見つめる4人の姿があった。
紫
紫
紫が声を掛けると、4人の顔はぱっと輝いた。
全員
全員がお互いを抱きしめ合った。
その後、人々は再び、平和で幸せな日々に戻れたと言われています。
すとぷり 不思議な世界の王子様 〔完〕