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ドーナ視点
オレは生まれた時から完璧だった。
金持ちの家に生まれて、好きなものをなんでも買ってもらえた。
勉強しなくても頭は良かったし、 運動能力も抜群。
オレが何をしたってみんなは逆らわない。
適当なキモいやつを虐めたって。 学校をズル休みしたって。
みんなはオレを崇める。
オレは完璧だった。その証拠に、 NRCからの招待状だって届いた!
オレは完璧だ!!!!
オレはそんな天よりも高いプライドを 抱えながら、NRCに入学した。
そして入って一ヶ月。
オレは前寮長との決闘に勝利し オクタヴィネル寮長となった。
一ヶ月で寮長になるのは珍しいことらしい。ああ、やはりオレは完璧だ!
そんなオレのプライドがぶち折られたのは、寮長になってすぐだった。
マヒム・ゾーズ
ドーナ・サジャイ
マヒム・ゾーズ
マヒム・ゾーズ
正直言って、気持ち悪かった。
RSAにでも居そうな、馴れ馴れしく、 端正な顔をしたガキがオレを見上げていた。
久しぶり、とだけ言われたって思い出せるはずもない。
確かに見覚えがあるような気がするが、異才のオレが凡人の奴らを覚えておけるわけが無い。
マヒム・ゾーズ
マヒム・ゾーズ
ガチッと頭の中の記憶がハマった気がした。
マヒム・ゾーズ。 オレが昔虐めてたやつの1人だ。
ドーナ・サジャイ
ドーナ・サジャイ
オレはそうやって余裕で笑い飛ばしてやった。
マヒム・ゾーズ
ドーナ・サジャイ
マヒム・ゾーズ
マヒム・ゾーズ
オクタヴィネル寮内は盛り上がっていた。
オクタヴィネル寮生
オクタヴィネル寮生
オクタヴィネル寮生
オクタヴィネル寮生
オクタヴィネル寮生
オレとマヒムと学園長のまわりにひとだかりができる。
オレと相対しているマヒムは、 にっこり笑ってこちらを見ていた。
オレに感謝してるだとか、決闘を挑んでくるだとか何を考えているかよく分からないが、さっさと倒して踏みにじってしまおう。
完璧なオレが負けるはずないのだから。
完璧なオレが負けるはずないのだから。
完璧なオレが、負けるはず、ないのだから。
ないはずだった。
ドーナ・サジャイ
どうしてオレは地に伏してる?
マヒム・ゾーズ
どうしてアイツは、マヒムは立ててる?
マヒム・ゾーズ
どうして、そんなに、 つまらなさそうにオレを見つめる?
決闘が始まって、オレの放った魔法はマヒムの防御魔法によって防がれ、マヒムの魔法によって一瞬で決着が着いた。
おかしい。おかしい、おかしい!!!
完璧なオレが?愚図のマヒムに?負ける?負けた?
ありえない。ありえない、ありえない、ありえない!!!
周りはざわざわと盛り上がっていた。
そんな盛り上がりを気にもせず、 マヒムはオレの前にしゃがむ。
マヒム・ゾーズ
ドーナ・サジャイ
期待外れだって?このオレが? このオレに、期待外れだと?
顔に怒りの熱が集まっていくのを感じる。
ドーナ・サジャイ
ドーナ・サジャイ
マヒムは目を細め、オレの顔を両手で挟み、オレの顔を上げさせ、目を合わせる。
マヒム・ゾーズ
いやに優しい声と優しい表情で、 マヒムはオレに笑いかけた。
オレの何かが歪む音がした。