怪異霊話

昼 11時48分

グウウゥゥ〜…

グウゥ…

私はそんとき、田舎のばあちゃん家に遊びに行ってたんだ。

田舎は正直言ってあまり好きじゃなかった。

遊ぶもんとか友達とか。なーんにもないから。

家にいても暇だし、私は近くの田んぼの方へ遊びにいった。

そんなことを独りごちていると、ある女性が話しかけてきた。

私はカヨさんに手を引かれ、見知らぬ道を進んでいった。

私はカヨさんの背中からそっと田んぼを覗いてみた。

そこには、私が想像していた通りの「くねくね」がいた。

私は恐ろしくなって、全速力で家に逃げ帰った。

カヨさんがいったように、私に異変はなかった。

それからは、くねくねが怖くて外に出られなかった。

そして、家に帰る頃には、くねくねのことなど忘れかけていた。

帰り支度が終わった。

少し時間があったので、フラッと外に出てみることにした。

もしかしたらカヨさんに会えるかもしれない…そんなことを思いながらあてもなく歩いた。

結局、カヨさんには会えなかった。

そろそろ帰る時間。

帰りの電車の中で、私はみた。

くねくねと蠢く、2体の白い何かを。