テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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僕の可愛い家族

第10話 - 類のお父さんは……［寧々目線］

278

2024年08月25日

#類司

#神代類

#天馬司

#監禁

#腐ロセカ

#prsk_bl

雪兎リラ

それは、類の父親が倒れる、ちょっと前のこと。

私は玄関で掃き掃除をしていた。

寧々

………

類の父

あ、寧々ちゃん。

寧々

あ、おじさん。

類の父

こんにちは

寧々

こんにちは。

寧々

今日は早いんですね。

類の父

あぁ、ちょっと病院にね。

寧々

え？病気、なんですか？

類の父

まぁ、そんなところかな。

類の父

類には言えないんだけどね

寧々

……………そうなんですね

類の父

類はね、僕のことが嫌いなんだよ。

寧々

え？

類の父

僕が帰って来るのが遅いがために夜遅くまで起きさせちゃってるし……起きてくれてたのに、ストレスで当たっちゃうしね。

類の父

類が怪我するのが怖くて、料理もさせてあげられずに、レトルト食品ばっかになってしまうし。

寧々

……

類の父

たまに、自分のお小遣いで食材を買って作ってくれるんだけど

類の父

ちゃんと火が通ってなかったらとか、じゃがいもの芽が取れてなくて中毒になったらとか、色々考えてしまって

類の父

お腹下すといけないってのと……僕が食べたいってので取っちゃうんだよ。

寧々

…………

類の父

いけないって分かってるんだけどね

寧々

……そうなんですね

寧々

…でも、

類の父

ん？

寧々

類の口調……

寧々

おばさんが亡くなってから、おじさんの真似してるじゃないですか。

類の父

え？

寧々

おばさんがなくなるまで、一人称は「俺」で、もっと子供らしい口調だったのに

寧々

……たまに忘れてて戻るけど

類の父

…………

類の父

そう、だね……

寧々

だから、きっと類は、そんなおじさんのこと、嫌いじゃないと思います

類の父

……そうかな。

寧々

はい

寧々

だから、そんな悩まなくていいと思いますよ。

類の父

……うん

類の父

ありがとう、寧々ちゃん

確かに、おじさんは不器用な人だ。でも……誰よりも愛情深くて、類を心の底から愛している。私には分かる

ガタンッ

類の父

…………

ある日の朝、朝ご飯のお裾分けに類の家に行くと、類のお父さんが倒れていた

寧々

え？お、おじさん！？

おじさんはもう、息をしていなかった

寧々

る、る、るい！！

類

……あんなやつ、俺の父親じゃない

寧々

えっ……でも……

類

うるさいうるさい！

類

寧々は、俺の愛されなかった苦しみ分からないでしょ！

寧々

ちが、ちがう！

寧々

類のお父さんは、確かに

寧々

類を、愛していたよ。

類

……そんなわけっ……！

寧々

あるんだよ。

類

……それなら俺……僕は……

ただの悪者じゃないか……

あ、これはよくない子どもながらに察した。だから私は……

寧々

……類、ごめんね

類

え……？うぐっ

おじさんにもらった記憶を消す薬を類に無理やり飲ませた

類

……ぐぅ…

寧々

ごめんね、類

寧々

……あのとき、本当にすごかったんだよ。

類の父

これ

寧々

……これ……は？

類の父

記憶を消す薬だよ

寧々

！？！？！？

類の父

もし、類がトラウマを抱くほどの事件や事故があった場合すぐにこの薬を飲ませてほしい

寧々

は、はぁ……

類の父

これは飲んでから10分前の記憶しか消せないからね

寧々

……

類の父

あ、あと、これを飲むと3分間眠りにつくからその間に類を移動させてくれ

類の父

起きた後に見た景色が飲む前と同じ景色だと、記憶が戻っちゃうんだ。

寧々

は、はい

類の父

あの可愛くて幼い類がトラウマを抱いた姿なんて見たくもないし想像もできない、そうだろう？

寧々

そうですね

類の父

だから類の可愛さは寧々ちゃんにかかってる。

類の父

いいかい？寧々ちゃん。
類を寧々ちゃんにあげるから一生幸せになるんだよ

寧々

……？

寧々

はぁ

寧々

……まさか、この薬を使う時が来るなんて

寧々

あ、移動させなきゃ

寧々

………私の家でいいか

類

………

類

？

類

な、なんで……

類

僕は、自分の部屋で寝てたはずなのに……

類

……！父さんの救急車呼びにい……

類

かなくてもいいか。

寧々

…………

寧々

類

寧々

ごめんね。

本当にごめんね。でも、これが……類のお父さんの望んだことなの。何も知らずに生きてって。だから私は

寧々

貴方を愛してくれないお父さんは、昨日亡くなったよ。

嘘を吐くんだ。

リラ

こんにちは

リラ

リラです

リラ

………みなさんは、このお話

リラ

どっちだと思いますか？

リラ

ハッピーエンドかバッドエンドか

リラ

司は、「オレには類しか居ない」と自分に言い聞かせて、類といる道を選んだ

リラ

類は、自分が愛されていたことを知らずに、司に歪んだ愛を注ぎ続けることにした

リラ

寧々は、幼なじみを傷つけないために嘘を吐きつづけた

リラ

………なかなか救いようのない話ですね。

リラ

ということはバッドエンド？

リラ

………きっと司の本当の家族はこれから死ぬまでずっと司を待ち続けるんでしょう

リラ

類や司は一生卒業出来ずに

リラ

寧々も自分が嘘をついたせいで、と思い詰めるかも

リラ

そしたらえむちゃんはひとりぼっちになって………

リラ

全てに「サヨナラ」をすることになるかもしれませんね。

リラ

でも、類は求め続けていた愛情を正面から注いでもらえて

リラ

………司も薬の力と言えど依存してますからね。

リラ

それを知ったら、寧々も喜ぶかな？

リラ

………長くなってしまったのでここまで

リラ

ご愛読、ありがとうございました

リラ

次のお話出会いましょう

この作品はいかがでしたか？

278

3件

あぁ"しんど

最高すぎます！！

雪兎リラ

プロフィール

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