伊東 善
伊東 善
ピピピピピ…
体温計を脇から離し、表示画面を見る。
39.1と表示されている。
伊東 善
善はベッドの上で仰向けになって天井を見つめていた。
しんどすぎて動けない
薬飲まなきゃ
いや、その前に病院か?
伊東 善
こんな時、
恋人とか家族とか友達とかいたらな…
唯一の友達も、恋人もいなくなっちゃったし__
伊東 善
ズキンッ…ズキンッ…
伊東 善
朦朧とする意識の中で
善は紬希と理仁の顔を思い浮かべていた。
パチッと善の瞳が開く。
伊東 善
伊東 善
頭の痛さや倦怠感は嘘のようになくなっていた。
善は上半身だけ起き上がった。
栗原 理仁
その時、ベッドの隣に座っている理仁と目が合った。
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
理仁は数枚のプリントが挟まったファイルを差し出した。
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
遡ること、数時間前__
帰りのHRが終了した。
栗原 理仁
理仁はチラ、と空いている善の席を見た。
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
教師
するとファイル片手に担任が理仁の元へ寄ってきた。
栗原 理仁
教師
栗原 理仁
教師
教師
栗原 理仁
栗原 理仁
教師
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
教師
ピーンポーン、とインターホンを押す。
……
栗原 理仁
ピンポーンピンポーンピンポーン
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
その時、ガチャと玄関のドアが開いた。
栗原 理仁
伊東 善
マスクを着け、真っ赤な顔で今にも倒れそうな善がいた。
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
ファイルを差し出しても善はぼーっとしたまま動かない。
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
善はぼーっとしながらファイルを受け取った。
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
ドアを閉めようとすると、
空いた隙間から善の腕が伸びてきて、理仁の服の裾をグイッと引っ張った。
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
ドクンッと心臓が跳ねた。
「やだよ」
「ひとりぼっちはやだよ…っ」
理仁の頭の中にはそう言い泣き続ける紬希の姿を思い出していた。
伊東 善
栗原 理仁
ああ。
すごく似てる
やっぱ血の繋がりって、すごいな
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
伊東 善
善は真っ赤な顔でじたばたとベッドの上で暴れていた。
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
ジーン…と胸が熱くなる。
伊東 善
善は泣きそうな顔を隠すように布団に顔を埋めて言葉を続ける。
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
俺を決して"理仁と紬希の世界"には入れてくれない
少しでも足を踏み入れようとすれば
すぐ拒絶してくるんだ……__
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
親友とか
同性だとか
同じ妹を持つこととか、関係ない
お前が好きだ
伊東 善
伊東 善
俺を好きになれなんて言わない
だけど少しだけ
今だけでいい
俺の方を見て
栗原 理仁
栗原 理仁
理仁はブツブツと何かを呟くと、
善の額にパチンッとデコピンをした。
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
善はポカンと口を開けていたが、ぶっと吹き出した。
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
普通に振られただけなのに
嬉しいのは
理仁が俺のために言葉を選んで
気持ちを伝えてくれたから__
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
善はもう一度ボスッと布団の中に顔を埋めた。
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
善が顔を上げると、間近に理仁の顔があった。
善はボッと顔を赤くさせて理仁から距離をとる。
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
善はべーっと理仁に向かって舌を出した。
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
最高だ
最高の失恋だ、こりゃ
コメント
1件
最高ですねぇ〜〜✨️ やっぱ善くん、すぐ立ち直るねw 流石!! 血の繋がりを、今初めて感じた‼️ 本当に面白いっ!!! さくらさんは これからも神作を生み出していくんだろうな〜っ! 楽しみにしてます💫