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わたくしは、小さい頃から優奈様の側近になることが決まっていた。

別に不満はありませんでした。

ですが、子供とは命令されると嫌がるもの。

わたくしも例外ではありません。

幼少期夏鈴

やだぁー!(泣)

幼少期夏鈴

人の従者になんてなりたくない!

そんなわたくしを、母様はよくぶたれました。

夏音(夏鈴母)

うるさいっ!

夏音(夏鈴母)

アンタは口答えせずに私の言うことだけ聞いてればいいのよっ!

幼少期夏鈴

ぃ゙、いだい…おかあさ、

夏音(夏鈴母)

お母さんじゃない!母様!何度言わせるの!

幼少期夏鈴

いたっ、ご、ごめんな、さい、母様……

夏音(夏鈴母)

……はぁ、こんなヤツに優奈様を任せられるか……

母様は、いつもどこか憂鬱そうでございました。

多分、わたくしが力不足だったせいでしょう。

お母さん、ではなく母様。

ありがとうございます、よりごめんなさい。

それが大切だって母様はおっしゃっていた。

わたくしがよく礼儀正しいと言われるのはこのおかげでしょうか。

小学生になった頃、わたくしは初めて優奈様と対面しました。

幼少期夏鈴

わたくし、夏鈴と申します。よろしくお願いします。

優奈母

ええ、よろしくね。ほら、優奈もご挨拶よ〜。

幼少期優奈

うんっ!

幼少期優奈

私優奈だよ!よろしくね!

優奈様は、春の陽気のような方でした。

わたくしが日陰なら優奈様は日向。

わたくしと優奈様はそのような関係でございました。

中学は病に冒された優奈様を付きっきりで看病。

勉強も部活も放り出したわたくしに

優奈様は罪悪感を覚えたのか、医者を雇いました。

わたくしは勉強も得意ではありませんでしたし

何より、勉強よりも優奈様やその弟君、律さんなどと

遊んでいる時間の方が、わたくしは好きなのですから。

良かれと思ってやったことが人の重荷になるとはこのことですね。

そんな時、母様から14の誕生日に指輪を貰いました。

幼少期夏鈴

母様、こちらはどのようなものなのでしょうか?

夏音(夏鈴母)

それは、アンタの父様の家系から受け継がれてきた指輪。

夏音(夏鈴母)

それの色違いが7つあってね。

夏音(夏鈴母)

夏鈴の緑色は、平和、癒し、安定の意味があるの。

幼少期夏鈴

そうなのですね。

夏音(夏鈴母)

数千年前、これを付けていた仮名緑の國王妃は

夏音(夏鈴母)

平和を愛して人を癒し情緒の安定した優しく穏やかな方だったそうよ。

幼少期夏鈴

そのような方に、わたくしもなれるでしょうか?

夏音(夏鈴母)

……きっとなれるわ

夏鈴

わたくしはこんな感じで指輪を貰ったのですが……

夏鈴

瑞樹様はどうです?

瑞樹

……さっすが〜、自分が言ったら人にも言わせる〜。

夏鈴

ふふ、お褒めにあずかり光栄でございます。

瑞樹

まーまー聞いてなって、ワタシの武勇伝。

夏鈴

ぶゆうでん……?

ワタシは捨て子だった。

ま、レジシンアでは珍しくないけど。

その日は……多分、夕方だったっけ

捨て子だから家も無かったワタシは、その日の寝床を探してた。

幼少期瑞樹

あ、ここよさそ!

幼少期瑞樹

ん〜、意外と気持ちよくない。

幼少期瑞樹

けどまぁ、別にいっか。

幼少期瑞樹

zzz…zzz…

杏(おばば)

ちょっと君!こんなとこで何しとん!

幼少期瑞樹

いたぁっ!?

杏(おばば)

もうちょいで夜んなる、君みたいな若ぇ子はもう帰る時間や。

幼少期瑞樹

…………

みんな、ワタシの事なんて興味なさそうだった。

だけど、おばばだけ、ワタシを見つけてくれた。

幼少期瑞樹

……ないの

杏(おばば)

なにゆっとんねん君、帰ん場所なら

幼少期瑞樹

帰れる場所が、ないの。

杏(おばば)

はぁ……?

打ち明けてしまった。

大人なんてワタシのこと道具としか思ってない

ならもう大人なんて信じない

そう誓ったのに、

もう、あの子の名前も思い出せない。

ワタシは、物心ついたときから研究所にいた。

ワタシが捨てられる前、確かに

ワタシと真反対の

太陽みたいな子に出会った。

名前は思い出せない

でも……

???

ねーねー!どうしていつも1人なの?

幼少期瑞樹

なんでって、1人がいいから。

???

そうなの?わたしは人と喋ってたいんだけど、友達いないんだよね、

???

ねぇ!わたしと友達になってよ!

幼少期瑞樹

……え?

???

じゃあ友達ね!一緒にお散歩しよー!

幼少期瑞樹

はっ、え、ちょっと!

その子はワタシに人との接し方や遊具の使い方

その他にも、たくさん教えてもらった

いつしかワタシとその子は、親友と呼ばれるものになった。

飯も、就寝も、いつも一緒。

そのはず、なんだった

幼少期瑞樹

いたいっ!ちょっと…!離して!

幼少期瑞樹

いやっ!どこに連れてくの!

???

?、瑞樹ちゃん?瑞樹ちゃん!

幼少期瑞樹

_________!

幼少期瑞樹

はなっ、離してっ!

幼少期瑞樹

ぅ゙っ!?

研究員

もうお前は用済みだ、飢え死にでもしろ。

幼少期瑞樹

ちょっと待ちなさいよ!___は!?___はどこにいんの!

研究員

もう用済みと言ったろう

研究員

もうお前は俺たちと関わるな、もちろん

研究員

___ともな

幼少期瑞樹

ふざけないでよ!ワタシ……は……

研究員

はぁ、ようやく効いてきたか、麻酔薬が。

研究員

さて、帰るとするか。

幼少期瑞樹

___……

その子のことも、出で立ちのことも

全部おばばに話した。

杏(おばば)

…………ついてきな

幼少期瑞樹

…………

幼少期瑞樹

ここは?

杏(おばば)

アタシの家

杏(おばば)

今日から君はアタシの子やんな、言う事聞きい

こうしてワタシはおばばに拾われた。

おばばのもとで、飯の作り方とか掃除とか覚えた。

そして、アメトロリア学園に入学する前日。

ワタシはおばばから指輪をもらった。

杏(おばば)

瑞樹、こっちこい。

瑞樹

何〜?おばば

杏(おばば)

これやるわ、肌見放さんよう持っといてな。

瑞樹

なんこれ、指輪ァ?

杏(おばば)

そうなんよ、それは聖神様が遺した指輪。

杏(おばば)

8つあるもんの1つや。

瑞樹

ほえ~

杏(おばば)

水色は冷静、清楚、自由の意味があんやって。

杏(おばば)

その指輪を遺した聖神様は仮名やけど水の國の女王で

杏(おばば)

いつも冷静沈着、清楚でおしとやか、それでいて自由奔放な方やってん。

杏(おばば)

大和撫子のもうちょい自由版みてぇなイメージやな。

瑞樹

それワタシ自由しか当てはまってないんだけど

杏(おばば)

なあに、1つでも当てはまっとったら問題にはならへん。

杏(おばば)

自分に自信持ちぃや。

瑞樹

へーへー

瑞樹

こんな感じかな〜

夏鈴

そうなのですね、お答えいただきありがとうございます。

キンコーンカーンコン

夏鈴

あら、予鈴ですね。

瑞樹

あ、次のは参考書忘れちった。見して〜

夏鈴

ふふふ、ではお答えいただいた御礼、ということで。

瑞樹

抜かりないなぁ〜

それぞれが、 それぞれの色で  〆

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千冬星も!指輪したぁい!

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