黄泉の国から帰ってきたイザナギは
イザナギ
私はひどく汚いところに行ってきた
イザナギ
だからけがれを洗い流そう
といって
筑紫の国の朝日の当たる川の水門で
水に入って身を清浄にすることにした
そして川の中ほどで身をすすがれた
すると、そのけがれの中から
ヤソマガツヒノカミ
が生まれた
そして次にそのけがれを直そうとして
カンナオヒノカミ、さらにオオナオヒノカミ
が生まれた
この「ヤソマガツヒノカミ」というのは興味深い神である
死者の国の「けがれ」を「清めた」ことで 生まれた神であるため、二重性を持っている
「けがれ」に注目すれば、この神は悪神にも思える
「マガツヒノカミ」という名前も禍々しい
だから一説によると
人生における不合理
例えば善人で誠実な人が必ずしも幸福にならないといったこと
その原因となっている神だとされている
その一方でこの神はそのけがれを「清めた」中から生まれた神でもある
そのため、マガツヒノカミは厄災を司る神
厄災から守ってくれる神としても扱われている
日本の神は善悪を簡単に分けることが出来ないようだ
ちなみに、このあと生まれてくるのが有名な
アマテラスオオミカミ
ツクヨミノミコト
スサノオノミコト
である