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月夜の魔女に たった一夜の願い事

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月夜の魔女に たった一夜の願い事

1 - 月夜の魔女に たった一夜の願い事

♥

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2019年10月20日

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人 間 は 恋 を す る

叶 わ な い と わ か っ て い る の に

影 で 熱 い 思 い を 寄 せ る

黒 猫 は そ ん な こ と し な い よ

好 き に な る 子 な ん て い な い よ

こ の 世 界 で 黒 色 に 生 ま れ た 猫 は

み ん な 魔 女 の 使 い に さ せ ら れ る

私 も そ の 中 の 1 匹

黒 猫 は 恋 な ん て し な い

い い え 、 そ う じ ゃ な か っ た

猫 同 士 で 恋 を し な い だ け だ っ た

夜になるまで 魔女さんは迎えにこないから 人間界を彷徨う

“黒猫は映えない”という 理由で 人間の女は 絶対私に寄ってこない

せいぜい寄ってくるとしたら 小さなベビーか 年寄りか、若い男性ぐらいだわ

そんな時、いつものように 若い男性が寄ってきた

男性

かわいいね〜。名前はなんて言うのかな?首輪してないね。野良かな?

にゃあ。にゃあー。 高い声で鳴いて 足に寄りかかる。

そうすればこの男は たくさん私を撫でてくれるの。 攻略完了って感じよ、ふふっ

男性

可愛いねぇ。君に名前付けていいかな?そうだなぁ……。あんちゃんなんてどう?

だっさい名前だな〜とは思ったけど 仕方ないからOKするわ にゃぁ〜♪って優しく甘い声で鳴く

男性

そうかぁ気に入ったかぁ♪じゃあこれからも来るからね、行ってきます。あんちゃん!

男性が通り過ぎたあとは、 薄い微笑みを無に戻し 疲れきった猫のように とぼとぼと 歩き始める。

すると不思議、幼稚園児が とてとて走ってくるのよ

園児

ねこしゃん、これ、あげる!

園児は小さな魚と リボンを地面に置いた

魚を食べて リボンを口にくわえる ありがとう、というように にゃんっと一言捨てて 歩き出す

路地裏に入り、 本当は器用な前足で すすっと首にリボンを結ぶ

次は胸を張って セレブ猫のように歩く

宝石をつけたお婆さんが ゆっくり近づいてくる

お婆さん

美しい猫さんねぇ…。リボンも可愛いわぁ…。あなたは宝石が似合いそうねぇ…。この帽子をあげるわ、きっと似合うわよ

ダイヤがついた小さな手編み帽を 私の頭にポンっと軽く乗せて お婆さんはゆったりと去っていった

辺りが暗くなると カラスの鳴き声や ひゅんひゅんと ホウキの音が 聞こえてくる

魔女

待たせたわね、Little Witch

黒猫

いいのよ、気にしないで

魔女

Little witch、行きましょう。そろそろ時間よ

黒猫

そうね、魔女さん

仕 事 を 終 え た あ と

ゆ ら っ と 1 件 の 家 に 目 が い っ た

窓 か ら 小 さ な 少 年 が 覗 い て い た

優 し く 微 笑 む と 少 年 は 窓 か ら 消 え た

し ば ら く す る と 少 年 が 玄 関 か ら 飛 び 出 し て き た

少年

君の名前はなんて言うの?

黒猫

私の、名前は…Little Witch

少年

友達と遊ばないの?

黒猫

友達…友達なんていないよ

少年

家族はいるの?

黒猫

いるわけないでしょ

少年

そうかい

少年

それじゃ

少年

並んで歩いてあげるよ

黒猫

…いいわよ、そんなの…。はぁ…。

少年

役にも立てないこの手が

少年

君から触れられている

少年

…涙腺なんて切っといたのに

黒猫

…触れたら悪いかしら?なら離してあげましょうか?

少年

ダメだな、繋いでいて

黒猫

…え?

少年

ぎゅっと繋いでいて

黒猫

…わかったわよ

黒猫

これでいいのかしら?

少年

ありがとう、りとるうぃっち

黒猫

ええ

黒猫

私と遊びましょう

少年

あそぶ?

黒猫

あなた、私の友達になってよ

少年

友達…

少年

いやだ

黒猫

…!!

少年

家族になろう

黒猫

家族…。

そ れ か ら も そ の 少 年 は “ あ の 歌 ” を わ た し に た く さ ん 歌 っ て く れ た

少年

君の名前はなんて言うの?

黒猫

友達と遊ばないの?

少年

家族はいるの?

黒猫

そうかいそれじゃ

少年

並んで歩いてあげるよ

魔女

使いをやめるだって?

黒猫

ごめんなさい

黒猫

魔女さん、ありがとうございました

黒猫

さよなら

魔女

はぁ、ほんっとあんたには呆れたわ

魔女

いいけれど、その代わり勘当よ!さよなら、一生顔を見せないで!仲間にも家族にも絶対ならないんだからね!

黒猫

いいの、私には素敵な家族がいるから

それからも彼は 私に“あの歌”を 毎日歌ってくれた

この町も気付けば 呼吸をしてる パパママの喧嘩 エブリデイ恒例行事 並んで歩けない登校は すこし苦手 石を投げられたって 斜め後ろをトコトコトコ 授業は退屈さ 抜け出して 午後0時 掠め去った風に 不安な瞬き もしも僕がいない世界 ぐるぐる変わらん異世界 火照ったへばりついた殻だ 剥がして知らない町へ 目が追う景色と香りも 聴こえる音も苦みも 同じはずなのに同じじゃ ないなら教えてよ この歳で頭を撫でられてもさ 嬉しくはないけれど お菓子は欲しい 寝ちゃってるママの隣でお昼寝 皆居なくなった夢に すぐ起こされた なんという焦燥感 半ベソで揺らす 熱すぎる体 苦しそうな吐息 声が届いていないのかい ウンともスンとも返さない 「助けて!」外に飛び出したが 鳴いても泣いても 知らんふり 役にも立てないこの手を 振り払うパパは睨んだ その目が示した言葉は 要らないって事だろ 喜怒哀楽を丸めて 一つにして 落っことして Iもひとつ残して 茜空 雨上がり 晴れ 駆け抜けた毛並みが 振り返る事はなくて 解けた糸 結んでた価値観 鳴いても薙いでも無いじゃない 目が追う景色と香りも 聴こえる音も苦みも 新しい町はちょっぴり冷たい でもいいさ 君の名前はなんて言うの? 友達と遊ばないの? 家族はいるの? そうかいそれじゃ 並んで歩いてあげるよ 役にも立てないこの手が 君から触れられている 涙腺なんて切っといたのに ダメだな繋いでいて ギュッと繋いでいて

初めて私が 恋をした瞬間だった

満月の夜、ホウキで 飛びまう魔女さんを 潤った目で見つめた

あの魔女さんが 私を雇ってくれた 魔女さんなのかはわからない

でもきっとそうよ ホウキに猫が乗っていなかったのは 私と勘当したからだと思うの

魔女さん、ごめんなさい 1度だけ、願わせてください

私を人間にしてください

朝起きると 顔が痒かった

右手の爪で顔をかいた 鏡を見ると つるつるの肌と 黒い髪が輝いていた

彼が起きる前に 玄関に回って 待ち伏せした

何分か経つと 彼が玄関のドアを開けた

少年

だっ…だれ…?

私だよ…Little Witch

少年

りとるうぃっち!

ねえ、聞いてもいい?

少年

…なに?

君の名前はなんて言うの?

黒猫

恋って不思議

黒猫

まるで呪いのように、やめようと思ってもどんどん沈んでゆく

黒猫

恋は魔女さんでもかけられない呪い

黒猫

怖い呪いね

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コメント

3

ユーザー

取れますよ!

ユーザー

メダル獲得出来ますようによろしくお願いします🙇‍♀️

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