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ぽたりぽたりと、赤色の液体がルートを伝って落ちていく。 ピ、ピ、と規則的に音を出す機械が嫌に目についた。

蝶野 結夢

自分の手で救えなかったことが…不満?

五条悟

………

五条は虎杖の様子を眺めながら無言を貫いた。伏黒と釘崎は、虎杖の手を握りしめたまま布団に突っ伏している。

蝶野 結夢

悟が居たから、虎杖君は、意識を保ってられたんだよ。

蝶野 結夢

悟がギリギリのところで"生"に繋ぎ止めたの。

蝶野 結夢

それだけは忘れないでね。

じゃあ何か異変があったら呼んでね。と結夢は言い残すと処置室を出て行った。

あれからどれほど経っただろうか。 しばらくするとシーツが擦れる音がして、下に向けていた顔をパッと上げる。

眠たげなこげ茶の瞳と目が合うと、五条は無意識のうちに口にしていた。

五条悟

置いていかないでよ、悠仁。

シンと、部屋に沈黙が走る。

五条悟

置いて、逝かないで。悠仁…

ぽつりぽつりと、五条の呟く声だけが静かに部屋に響く。

虎杖悠仁

……かえって、きた、じゃん…

掠れた声で返事を返す虎杖に、五条はぽろりと涙を流した。 これほどまでに、虎杖を手放したくないとは思っていなかった。

この手で、目の前で、彼が失われるかもしれないというのが、果てしない恐怖として襲いかかっていたことを今更自覚する。

五条悟

うん、そうだね。

おかえり、と声をかけると、ただいま、と返ってくるのがとてつもない幸せだと、知ってしまった。 2人の会話で起こしてしまったのか、うっすらと釘崎が目を開けた。

虎杖悠仁

ん、くぎさき…

釘崎野薔薇

いた、どり…………の、馬鹿ぁ…!

ぼろぼろと涙を流す釘崎に、虎杖はあたふたとしてしまう。 その声に伏黒も目が覚めたのか、「お前を影にしまってやろうか」とか聞こえた。なにそれ怖い。

虎杖がえも言われぬ恐怖を感じていると、五条は3人の頭をぐりぐりと撫でつけた。

五条悟

悠仁、早く全開して、2人のことも……僕のことも安心させてよ。

五条悟

2年生も伊地知も、みんな心配してたんだからね。

虎杖悠仁

ん、ごめーわく、おかけ、しました…。

苦笑いを見せる虎杖の頭を撫でてやると、そのまままた深い眠りに落ちていった。 伏黒も釘崎も、また頭を押し付けて寝息をたて始める。

静かな部屋に、規則的な機械音が響き渡る。 五条も椅子に座ると、軽く目を閉じた。 次目が覚めた時に、笑顔の虎杖と話せることを楽しみにして。

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副管理人の柊木渚です♡ 呪術廻戦の参加型ですが、投稿させて 頂きました。 如何だったでしょうか? また、いいね👍やコメントをお待ちしております♪リクエスト作品を投稿しておりますので、もしリクエストなど有りましたら、お気軽にご相談下さいませʕ•ᴥ•ʔ 参加型もまた、やりますので参加したい 方がいらしゃいましたらお気軽にご相談下さいませ♡今日は、あと1作品ですかね。時間的に…楽しみにしていて下さい!

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