この作品はいかがでしたか?
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ダム、ダム、ダム…ガ、ガン。
聞こえてきた音は聞き間違えようも無い俺が5年間ほぼ毎日聞いてきた音…。
リズム良く硬い地面にボールが打ち付けられバックボードとゴールリングに弾かれる音…。
俺はその音に誘われる様に無意識に歩き出していた…。
弥生
そこに誰がいるのかは大方予想ができていた。 そして何をしているのかも…。
文月
祖母の家もそうだったが家の敷地を区切る大層な垣根は無く、角度さえ合えば家の周囲はほぼ全て見える事もあり音の出所がすぐに分かった。
自宅の敷地内の一画の地面をコンクリートで固めそこに聳え立った一機のバスケットゴールの前に彼女がいた。
先程、ウチの家に来た時の姿と変わって半袖のTシャツにハーフパンツ姿。 学校でもよく見かけた女子バスケ部らしい格好で練習をしていた。
田舎家で土地が広いのか自宅に専用のバスケットゴールがある一昔前の俺なら心底羨んでいただろう。
俺に見られている事に気付いていない彼女は練習を続けている。
ダム、ダム、ダムと再びリズム良くボールを突いてドリブルを開始しゴールに向かって弥生は助走を付けて大きく跳び上がりレイアップシュートを放つ。
文月
自分が放つ仲間達が放つそうして何度見てきた光景だ…。 弥生のジャンプの高さと位置、ボールの軌道を見てゴールリングに入るであろう事が分かる。
俺の予想通り弥生の放ったボールはゴールリングに触れる事なくその間を通過して、リング下に付いているネットがカシュ…っと静かに気持ちのいい音を立てる。
文月
弥生
文月
文月
自分でも驚いた…。
癖とは怖いもので2年もバスケから離れていたのに綺麗なシュートだったのでつい声が出てしまっていた。
弥生
文月
弥生
文月
弥生の見せる表情と返答に安堵した俺はすぐにその場から離れようと弥生に別れを告げようとしたが。
弥生
文月
弥生
文月
弥生
弥生
弥生
弥生
文月
弥生からの怒涛の質問攻めに一歩後ろに下がって両手を上げてオーバーリアクション気味に彼女を静止させる。
文月
弥生
文月
文月
弥生
弥生
文月
文月
文月
弥生
文月
弥生
文月
どんどん繰り出される弥生の質問にふと怪我をして引退した時の事が頭によぎった…。
弥生
弥生
皐月
弥生
弥生の質問は家の中から現れた熊の様な大柄の男性の声によって遮られる。
皐月
文月
弥生
文月
皐月
皐月
文月
皐月
弥生
皐月
弥生
見た目はあまり似てないが明るい性格が似た2人の会話を聞き眺めていた。
皐月
弥生
文月
皐月
弥生
そして家に入る2人に背を向けて俺も家に帰ろうとした時に…。
弥生
文月
突然背後から掛けられた声に驚いてつい返事をしてしまった…。
文月
しかし、俺はどこか安堵していた。 弥生の質問攻めの最後…彼女が最後に言いかけた質問をしなくて良かったと…。
きっとこう聞きたかったのだろう…。
「あれ?三年の時は?」
翌朝午前6時頃に弥生と弥生の父親が迎えに来てくれた。 昨日は散歩を終えてからすぐ風呂に入って少し勉強をして早めに寝る事にしてが念の為におばあちゃんに起こしてもらう様に頼んでおいて正解だった。
文月
弥生
如月
皐月
如月
皐月
文月
皐月
玄関を出た瞬間太陽の眩しさに目を少し細め空を見上げる。
今日も暑くなりそうだが湿気も少なく清々しい空気を大きく吸い込んで背筋をグッと伸ばした。 時折り吹く涼しい風がなんとも心地よかった。
皐月
文月
伸びをする俺に皐月さんが指差して乗るように指示したのは収穫した野菜を入れるプラスチックのケースや収穫の道具、ネコ車と呼ばれる一輪の手押し車が積まれた荷台だった。
皐月
文月
弥生
文月
弥生
皐月
そして、俺と弥生は荷台に乗り込み畑へと向かう事になった。 途中弥生が言っていたように未舗装の道を走ると荷台は思った以上に跳ね弥生と二人小さく歓声とも悲鳴ともとれる声を上げて街中ではは味わえない様な体験をした。
コメント
19件
このシリーズ好き〜(∩´∀`∩)💕 私もバスケやってるんよ〜((ドーデモヨ 続き楽しみにしてるね"(ノ*>∀<)ノ
荷台ってちっさいトラック…?← バスケ…昨日妹がバスケの練習サボって怒られてたな… 一応副キャプテンなのに…()←お前は水泳をもっと練習しろ
何とか今週中には完結させたといと思ってます…_:(´ཀ`」 ∠): いいねやコメント頂けると喜びます(*´꒳`*)