泣き顔

あの家に行ってからずっと考え事して

気づいたらもう夕方

まだこの時間ならアパートに帰る時間もあるだろう

でもそんなことしたら

この、目を逸らしては行けない現実から

逃げてしまうような気がして

絶対に離れては行けない、ということを悟って

あの、地獄の家に帰ることにした

いた、い…

頭から、血が…

これは、

小学生が耐えるような

耐えれるような

耐えて良いような、痛みじゃない

「ふつうに殴って蹴って、」

「瓶を投げつけて」

「フライパンで顔面を殴って」

「タバコで腕焼いて」

「壁に打ち付けてサウンドバックにして…」

赤は…

こんなの、我慢してたの？

誰にも助けを求めれなくて

ずっと1人で

あの辛さに

あの苦しさに

あの痛みに、

耐えていたの？

無理だよ、ふつう

学校でも、無理でしょ

噂では、ずっと聞いていた

赤は、いじめられてるって

それも、全部無視してた

だって、お母さんを○した奴を

同情する理由も、守る理由もないでしょ？

でも、今は違う

助けなくちゃ、いけない

あの悪夢から、目を覚まさせないといけない

そうするには、

やっぱり、取り返すしかない

あいつは、危ない奴だ

それは一目見てわかった

「薬物を所持している誘拐犯」って、

そんな奴の元において、どうなるかなんて

一目瞭然だ

それが、今の僕のすべきこと

それを再認識して、明日あいつの家に行くことを心に決める