皆の過去を覗こうよ。

Let’ｓｇｏ↓

第一次世界大戦が終わって

日帝chanと仲良くなって

……一目惚れして

まぁ恋なのかはわかんないけど

明日は一緒にお出かけで＿＿＿＿

なのに俺の心は晴れない

原因は分かってる

…イギリスのこと

親父のことだ

俺もだいぶ経済大国に近づいてきたから

仲良くしておいてあまり利益なんてないけど

俺の親父だから＿＿＿

俺をちゃんと愛して、育ててくれたから

せめてもう一度だけ、話がしたいんだ

話も聞かずに勝手に独立したから

親父としてのイギリスが俺のことをどう思ってるか

ちゃんと聞きたいんだ

独り言を呟いていた時

目の前から声がした

そんなの決まってる

頭を殴られたような感じがした

望みが消えたからか、目の前がくらくらする

体の中の吐き気と涙が溢れでそうだった

だから、零れる前に

その場を振り返らずに立ち去った

家に戻っても

俺の気持ちは晴れなかった

でも、望みはすべてなくなった

イギリスはもう、俺のことを嫌ってる

きっと……嫌、絶対

そう思ったら

全部がどうでもよくなって

全部忘れたくなって

全部…吹っ切れちゃったんだ

大量の酒にコーラ、薬

見るだけで吐き気が催す

その後、大量にお酒とかを飲んだ

味は覚えてないけど

ただただ心地よかったのは覚えてる

…朝起きるまでは

…朝起きて、思わず声が出た

まるで包丁で切ったかのように傷だらけの体、

頭が割れるような頭痛に

酒やコーラ、薬の空き容器であふれかえる部屋

あーあ、やっちゃったんだ

この体の調子じゃ、今日は行けそうにないな

メッセージを送ろうとした手前

軽快なチャイムの音が部屋に響いた

一応姿見で確認しとく

急いで玄関へ向かった

ドアを開けると、

時計は約束時刻より1時間後を指している

急いで日帝chanを追うと

怖い顔した日帝chanがリビングに突っ立っていた

部屋を片付け終えて

無事、日帝chanとの初デートも上手くいったぜ！

一緒に食べたプリン、めちゃくちゃ美味しかったぁ…

それだけで幸せで、

イギリスのことも忘れて俺は眠りについた

でも、神は残酷で

幸せを長くは続かせなかった

日帝chanとデートに行ってすぐ

勝手な国民のせいで

第二次世界大戦がはじまった

日帝chanと俺は別陣営

…つまり敵同士

俺が何か悪いことしたのかな

なんで俺らを敵同士にしたんだよ

唯一の救いは＿＿＿＿

そう、今は連合国で会議中

周りを見渡す

ソ連、中国、フランス

３人のこっちを不安そうに眺める目が見える

そして親父……イギリス

敵同士じゃないのが唯一の救い

一瞬目が合ったけど、直ぐ逸らされてしまった

…まぁ関係は良好とはいえないけどな

それに親父の目はもう何も映してない

虚ろで、真っ黒で、隠してるけど目の下には隈がある

嫌だ

まだ、親父に話しかけられてない

もうチャンスはないかもしれないのに

閉まるドアを前に、苦笑いしかできない

もう親父の顔も見たくなかった

俺が好きだった日帝chanも

俺を好きでいてくれた親父も

もういないんだ

じゃあもう全部、どうでもいいよな

そこに俺の好きな人はいない

もうどこにもいないんだ

全部どうでもよくて

でも最後に日帝chanと話がしたくて

いつ死ぬかもわからない戦場へ来た

そこに、知ってる面影がある

前はアメリカって呼んでくれたのにな

でも仕方ないよな、戦争だもん

期待してた自分が馬鹿みたいで

申し訳なくて、辛くて、涙が溢れそうで

でも泣き顔は見せたくないから

振り返ることもせずに歩き出す

火の海に交じって声が聞こえた

二度と会えないあなたへ贈る、最後の言葉

もう二度と会えないけど、またね

俺ももう、そっちに逝こうかな

じゃあこの世界でちょっと暴れて

自暴自棄になって

それから向こうに逝こう

今はベトナム戦争の真っ最中

でも正直ベトナムなんて俺には敵わないだろ？

所詮あんな小さな国＿＿＿

背後で笑うベトナムが気持ち悪い

いつ殺されるかわかんないのに

なんでこいつは笑ってる？

顔が引きつってる気がする

でもまだ焦ったらだめだ

目の前にいる国が、怖い

でもそれを悟られたら終わりだ

俺より弱いやつだし、勝てないわけじゃない……

大丈夫、大丈夫……

あんな弱いやつを倒したところで俺には敵わない

そういう言掛けた時

キンｯ

挑発に乗るなと言い聞かせても

冷静さは失われてしまった

機関銃を取って

ベトナムに向けて乱射する

いつものペースで狙えてるはずなのに

なぜかその弾は全部当たらない

床に押し倒される

嫌な予感がしている

その嫌な予感を振り払うため、声を上げる

嫌な予感が的中する

ベトナムは俺が嫌がることばかりをしてきて

どんなに謝っても、泣いても

どんなに有利の条件を述べても

その体を止めることはない

止まらない快楽と、響く肌を打ち付けあう音

床は自分の体温で温かくなっている

聞きたくないのに俺の甘く、愚かな声も聞こえる

意識しなくても体は正直になっていく

何度も何度も犯されて、

初めても奪われて、

絶望の中俺の意識はブラックアウトした

明るい日の光で目覚める

腰が痛くて、昨日のことを思い出してしまう

起き上がるのも辛くて

苦しくて

誰かにあんな姿を見られていたら、

そんなことを考えて気持ち悪くなる

そもそもここはどこなんだろう？

またあんなことされてしまうのか？

思い出して胃の中の物がこみ上げてくる　

汚い俺の中身と胃液が出てくる

ｺﾝｺﾝ

声も喉が胃液で焼けてうまく出てこなくて

ただ涙を落とすことしかできなくて

怖くて目の前がくらくらする

ｶﾞﾁｬ

扉が開くのと同時に声がする

聞きなじみのある、優しい声

優しい声とは裏腹に、目には光がない

水をもらってマシになった喉で声を出す

違う

俺が言いたかったのは

俺がさせたかったのは

謝罪じゃない

ただ感謝を伝えたかっただけなんだ