教室
いよいよ終わりの日が やって来た。
祟
嘘だろ...
教室に着くと今までの ノイズ化が嘘のように クラスメイトは人間の姿を 保っていた。
この世界を創ったヤツが 元に戻したのか? まさか、事件を 再現させるために?
祟
(悪趣味だな)
俺はそう思うと同時に 彼女の姿も確認した。
祟
普通にいるな
彼女は今まで通り 落ち着いて席に座っていた。
やっぱり、“妹”ってのが NGワードらしい。
担任
はーい、席につけー
担任
んじゃHR始めるぞー
担任のノイズ化もなく 通常通りのHRが スタートした。
“それ”はHRを始めてから 10分が過ぎた頃だった。
クラスメイトA
ねぇ...あの人って誰かな...?
クラスメイトB
誰かのお父さんじゃねーの?そんな気にする必要なくね?
クラスメイトA
じゃあ何で手にポリタンク持ってるの...?
祟
(まさか...)
祟
(どうする...ここにいたらいつかは巻き込まれて殺される可能性もある...)
祟
(行くか...)
俺は鞄を持つと HR中にも関わらず 彼の元へ向かった。
担任
あっ、おい‼︎
薊
....
1階
俺は急いで1階に降りると ちょうど目の前に 彼の後ろ姿があった。
その途端に“恐怖”という文字が 背中を流れるような 不快な気分になった。
祟
(この前の夢と同じ感覚だ...)
しかしこんなところで 立ち止まっていたら この先何もできない。
そして俺はゆっくりと彼へ 近付き声をかけた。
祟
あ...あの‼︎メアさん...だよな?
すると彼は振り向いた。
メア
お?誰だお前
祟
誰って鵠沼 祟だよ‼︎
メア
あーっ‼︎夢の中の‼︎元気だったか?
祟
まあ...
祟
で、何でメアさんはここにいるんだ?
メア
あー...そりゃここは夢の中
祟
そんな訳ないだろッ‼︎
メア
うおっ‼︎急にデカイ声出すなよ
祟
メアさんは俺のことを馬鹿にしてるみたいだけど、俺だってそんなに馬鹿じゃない
祟
未来視なんて嘘だ‼︎メアさんはこの世界にいるんだ‼︎
俺は思わず声を荒げて言った。
メア
...へぇ、何だ全部分かってんのか
メア
じゃあ俺が何者かっていうのも知ってるのか?
祟
ああ...
祟
メアさん...あなたは...
祟
祟
“鵠沼 祟、俺自身”だ







