辛いよ 苦しいよ
助けてよ……"お姉ちゃん"
紅色に燃える炎の中
一人の少女が孤独に泣いていた
私は……其れに気付けなかった
愛 アイ
閉じていた瞳を開けると 現実の世界が見えた
愛 アイ
ひたいから流れ落ちる汗を腕で拭う
愛 アイ
私は、自分の頬を軽く叩き 開かれっぱなしのノ―トに鉛筆で勉学を広げて行った
アスカ
アスカ
頬を赤く染め 手作りの夜食を手に持つ
ドアをノックすると 愛の優しい様な生真面目な声が返ってきた
愛 アイ
アスカ
中…入っても良い?
数秒後 ドアが開き 私が手に持っている物を見て 軽く微笑んでいる愛が見えた
愛 アイ
有難う御座います
だけど…微笑んでいる愛は、少し苦しそうだった
『もしかして……』
アスカ
愛 アイ
珍しく目を見開き 私の方を見る愛
アスカ
純蓮のこ_
愛 アイ
アスカ
急に大声を出した愛に驚いて 私は、腰を抜かして 手に持っていた夜食をひっくり返してしまった
アスカ
愛 アイ
愛 アイ
愛は、涙目になりながら ドアを閉め 鍵を掛けた
アスカ
『こういう時…純蓮は どうするんだろ……』
歪んだ感情が体の中を駆け巡る
アスカ
アスカ
入ってみようかな……純蓮の部屋…
零した夜食を手際良く片付けながら 私は、ぼーっとする頭の隅で
アスカ
なんて戯言を心の中で零した
純蓮の部屋のドアを開けて中に入ると
明日羽 アスハ
彗香 スイカ
翔 アユム
ピンと来ねぇ…
すっかり暗くなっていた思考を無理矢理明るくし 私は、何時も通りの様子で
アスカ
其れに静か過ぎて寝れなかったんだよ!
明日羽 アスハ
彗香 スイカ
翔 アユム
アスカ
…それで…何か重要そうな本とか…見つかった?
彗香 スイカ
明日羽 アスハ
翔 アユム
アスカ
三人の反応で何となく察する
アスカ
彗香 スイカ
叉鞍 サクラ
翔 アユム
叉鞍 サクラ
いい加減覚えてくれる?
叉鞍 サクラ
翔 アユム
アスカ
黒い火花が飛び散る二人を一度離れさせる
アスカ
翔 アユム
叉鞍 サクラ
彗香 スイカ
さっきの……って…
叉鞍 サクラ
今日ね…魔法使いになって
初めて〖後悔〗した
アスカ
愛 アイ
アスカ
何時のまにか純蓮の部屋のドアを開け 目に光を無くして 冷たく吐き出した
愛 アイ
なんでですか?
声のトーンからして 多分…怒っているんだろう
叉鞍 サクラ
叉鞍 サクラ
ワタシには、理解出来た
叉鞍 サクラ
愛 アイ
彗香 スイカ
翔 アユム
翔 アユム
愛 アイ
アスカ
不穏な空気に押し潰されそうになった
明日羽 アスハ
違う
明日羽 アスハ
全てを理解したかのように明日羽は、膝から崩れ落ちた
アスカ
明日羽 アスハ
元々死んでるから死なないんだよ
愛 アイ
明日羽 アスハ
彗香 スイカ
……なんだったかしら……
愛 アイ
彗香 スイカ
明日羽 アスハ
明日羽 アスハ
魔法使いのウワサが流された時…
明日羽 アスハ
明日羽 アスハ
彗香 スイカ
彗香 スイカ
翔 アユム
アスカ
思わず口から零れ落ちてしまった言葉にはっとなり口を手で覆う
愛 アイ
アスカ
アスカ
愛 アイ
アスカ
一寸…私 頭冷やしてくる
私は、机に置いてあった 文学書の様な物を取り 部屋を出た
アスカ
アスカ
徐々に落ち着き出すと明日羽の考えを全力で否定していた自分の方も何だか身勝手だと思った
アスカ
そうだ なんか純蓮の部屋に置いてあった本…持って来ちゃったんだ…
赤黒いカバーが印象的な文学書
少し気になって ペ―ジを捲ってみた
アスカ
アスカ
私は、本のペ―ジに赤色の血が付いているのに気が付いた
アスカ
指で軽く擦る
アスカ
アスカ
もう1ページ捲ってみる
アスカ
アスカ
アスカ
アスカ
微かな証拠品を手に入れた
それだけで 充分満足だった
アスカ
和華 ワカ
アスカ
緋紅 ヒグレ
渚 ナギ
くれないかな?
アスカ
目尻が_怒り_で熱くなった
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⤵︎
禁断のウワサ_③ 「知られたくなかった偽り」