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辛いよ 苦しいよ

助けてよ……"お姉ちゃん"

紅色に燃える炎の中

一人の少女が孤独に泣いていた

私は……其れに気付けなかった

愛 アイ

っ!

閉じていた瞳を開けると 現実の世界が見えた

愛 アイ

……なんだ……夢…か

ひたいから流れ落ちる汗を腕で拭う

愛 アイ

…勉強の続き…しないと…ですね

私は、自分の頬を軽く叩き 開かれっぱなしのノ―トに鉛筆で勉学を広げて行った

アスカ

ふふふ~

アスカ

愛…喜ぶかな?!

頬を赤く染め 手作りの夜食を手に持つ

ドアをノックすると 愛の優しい様な生真面目な声が返ってきた

愛 アイ

はい

アスカ

愛~!
中…入っても良い?

数秒後 ドアが開き 私が手に持っている物を見て 軽く微笑んでいる愛が見えた

愛 アイ

夜食…作って下さったんですね
有難う御座います

だけど…微笑んでいる愛は、少し苦しそうだった

『もしかして……』

アスカ

…無理して…笑ってる?

愛 アイ

ぇ…?

珍しく目を見開き 私の方を見る愛

アスカ

…もしかして
純蓮のこ_

愛 アイ

違います…ッ!

アスカ

わっ!

急に大声を出した愛に驚いて 私は、腰を抜かして 手に持っていた夜食をひっくり返してしまった

アスカ

ぁ……

愛 アイ

っ……

愛 アイ

御免……なさい

愛は、涙目になりながら ドアを閉め 鍵を掛けた

アスカ

……

『こういう時…純蓮は どうするんだろ……』

歪んだ感情が体の中を駆け巡る

アスカ

アスカ

あの人には…入るなって言われたけど
入ってみようかな……純蓮の部屋…

零した夜食を手際良く片付けながら 私は、ぼーっとする頭の隅で

アスカ

『家って…こんなに静かだったっけ…』

なんて戯言を心の中で零した

純蓮の部屋のドアを開けて中に入ると

明日羽 アスハ

彗香 スイカ

…あら…起きていたのね

翔 アユム

彼奴の部屋…イマイチ綺麗過ぎて
ピンと来ねぇ…

すっかり暗くなっていた思考を無理矢理明るくし 私は、何時も通りの様子で

アスカ

まぁね!
其れに静か過ぎて寝れなかったんだよ!

明日羽 アスハ

静かなのは、否定しない

彗香 スイカ

何時もは、もう少し賑やかだものね

翔 アユム

彼奴って…結構話の重要人ってのが今回の件で分かった

アスカ

うんうん!
…それで…何か重要そうな本とか…見つかった?

彗香 スイカ

明日羽 アスハ

翔 アユム

アスカ

…見つからなかったか~

三人の反応で何となく察する

アスカ

…ん~…他の誰かが持ってる…とか?

彗香 スイカ

いや…流石に_

叉鞍 サクラ

せ~いか~い

翔 アユム

…お前…今日の…ッ!

叉鞍 サクラ

…叉鞍…
いい加減覚えてくれる?

叉鞍 サクラ

これだから……凡人は…

翔 アユム

凡人じゃないッ!

アスカ

まぁまぁ…

黒い火花が飛び散る二人を一度離れさせる

アスカ

一旦…落ち着こ?

翔 アユム

…そうだな

叉鞍 サクラ

彗香 スイカ

……それで……叉鞍さん
さっきの……って…

叉鞍 サクラ

…叉鞍…ね
今日ね…魔法使いになって
初めて〖後悔〗した

アスカ

それってどういう_

愛 アイ

それって…どういう事ですか…

アスカ

愛…?!

何時のまにか純蓮の部屋のドアを開け 目に光を無くして 冷たく吐き出した

愛 アイ

…後悔……?
なんでですか?

声のトーンからして 多分…怒っているんだろう

叉鞍 サクラ

……マザーランドの奴らから聞いたんだ

叉鞍 サクラ

たった一言だったけど
ワタシには、理解出来た

叉鞍 サクラ

〖死体は、死なない〗

愛 アイ

…っ…

彗香 スイカ

それって……どういう事…?

翔 アユム

…まさかだとは思うが…

翔 アユム

死体は…魔法使いを意味しているんじゃ…ないよな

愛 アイ

魔法使い……を…

アスカ

そ、そんな訳無いじゃん!

不穏な空気に押し潰されそうになった

明日羽 アスハ

…いや
違う

明日羽 アスハ

…………そういう…事か

全てを理解したかのように明日羽は、膝から崩れ落ちた

アスカ

ど、どういう事…?!

明日羽 アスハ

…魔法使いは、死なないんじゃなくて
元々死んでるから死なないんだよ

愛 アイ

…死んでる……?

明日羽 アスハ

…血だらけの聖女のウワサ覚えてる……?

彗香 スイカ

確か……あの子はイエス・キリストと同じ処刑法で殺害されて…命を落としたけれど
……なんだったかしら……

愛 アイ

ですが……純蓮さんが言っていたウワサとは違いますね…

彗香 スイカ

確かに……そうね

明日羽 アスハ

ウワサは…幽霊印と怪異印……そして災害印に分けられるんだ

明日羽 アスハ

さっき思い出したんだ…
魔法使いのウワサが流された時…

明日羽 アスハ

"僕"達は…幽霊印のウワサだった

明日羽 アスハ

そして…聖女も…また 幽霊印のウワサ

彗香 スイカ

幽霊は……死んでる

彗香 スイカ

って……事は

翔 アユム

アスカ

…そんなの…偏見じゃん…

思わず口から零れ落ちてしまった言葉にはっとなり口を手で覆う

愛 アイ

…アスカ…さん?

アスカ

…そういうのは…証拠が無いと駄目じゃんか…ッ!

アスカ

自分達で…変な妄想をつけたら…元もこうもないでしょ…

愛 アイ

ですが……ッ

アスカ

………御免
一寸…私 頭冷やしてくる

私は、机に置いてあった 文学書の様な物を取り 部屋を出た

アスカ

アスカ

流石に…やっちゃったかな

徐々に落ち着き出すと明日羽の考えを全力で否定していた自分の方も何だか身勝手だと思った

アスカ

…………あ
そうだ なんか純蓮の部屋に置いてあった本…持って来ちゃったんだ…

赤黒いカバーが印象的な文学書

少し気になって ペ―ジを捲ってみた

アスカ

……え……?

アスカ

これって……

私は、本のペ―ジに赤色の血が付いているのに気が付いた

アスカ

……誰の…血?

指で軽く擦る

アスカ

…のかない…

アスカ

……

もう1ページ捲ってみる

アスカ

…っ!

アスカ

これ……!

アスカ

禁断のウワサについて詳しく書かれてる

アスカ

文学書じゃないんだ……

微かな証拠品を手に入れた

それだけで 充分満足だった

アスカ

よし…家に帰え_

和華 ワカ

はいはいストップ~!

アスカ

え?

緋紅 ヒグレ

…今 彼奴を倒されると厄介な事になる

渚 ナギ

だから……俺たちにその本
くれないかな?

アスカ

は?

目尻が_怒り_で熱くなった

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⤵︎

禁断のウワサ_③ 「知られたくなかった偽り」

〖魔法使いの夜〗表側の裏側 ―リメイク版― (投稿中断)

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コメント

8

ユーザー

すげぇぇっ!!✨ 続きが楽しみで寝ら寝ないッ!☆

ユーザー

続き楽しみ~っ! 最高っ!✨

ユーザー

アスカ可愛いいいいいいっ

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