昨日、私の好きな人が 友だちにバレた。
今日学校に行ったら、 学校中に広まっていた。
私の好きな人は
同性の親友だった。
うちの学校は少しだけ先進的で
例えば身体障がい者や発達障がい者の受け入れも早かった。
だから生徒もみんな、いろいろと理解がある。
そう。
自称、理解のある人間ばかりだった。
女子
女子
女子
女子
女子
女子
好奇心で騒ぎ立てられる声がうるさかった。
ううん、これは異性との恋愛でも一緒なのかもしれない。
だけど、当人にしてみれば雑音でしかないんだ。
特に、私にとっては。
廊下を歩くと、誰かが言う。
男子
男子
女子
女子
女子
生きづらい?
誰が?私が?
私は普通にしてる。
普通に生きてる。
なのに、これはみんなにとって生きづらいの?
体育の時間、女子更衣室に入ると
みんな私から体を隠すようになった。
トイレに入っても
みんな逃げるように出ていくようになった。
確かに、生きづらいのかもしれない。
あの日だってそうだ。
私が彼女を恋愛対象にしていると気付かれたとたん
はっきりと彼女の顔がこわばって
目が泳いで
言い訳を口にしたまま
私一人、取り残されたんだから。
きっとみんなの行動も、これと同じ。
だけど私を生きづらくしてるのは
私じゃない。
やがて、私が彼女に逃げられたことがバレたあと。
もっとヒドいことが起こった。
女子
男子
女子
男子
今度は誰もが、彼女の悪口を言い始めた。
女子
女子
男子
男子
女子
女子
この子達は、これがどんなに不快か分からないんだろうか。
同性が好きだからって、相手は誰でもいいと思われてることとか。
そのくせ自分は蚊帳の外にいて
私をネタに噂遊びをされていることとか。
私が好きになった子の悪口を
当事者そっちのけで話し続けられることとか。
耐えられず、席を立つ。
ほら、私がいなくても悪口は続いてる。
だけどそれがとても、とても嫌だった。
私を拒絶しただけの彼女が、
私を恋愛対象として見られないだけの彼女が、
ひたすら悪者にされていく。
きっと彼女は、今私を憎んでるだろう。
私に好かれなければ、彼女が悪者扱いされることもなかった。
あの子達の軽率さが
あの子達の思慮のなさが
彼女の中の私を、きっとどんどん「悪」にしてる。
オネエ
オネエ
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
オネエ
オネエ
私
オネエ
オネエ
オネエ
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
私
オネエ
私
私
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
私
オネエ
私
私
私
私
オネエ
オネエ
私
オネエ
私
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
オネエ
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
私
私
私
私
オネエ
オネエ
オネエ
翌日私は、久しぶりに登校した。
心配したと駆け寄ってくれた人たちに
もう彼女の悪口を聞きたくないと言うと
驚いた顔をしていたけれど
その中の半分は、すぐに謝ってくれた。
今では貴重な友だちだ。
彼女とはあれ以来話せないままだけど
それも仕方ないのかもしれない。
私は人より少しだけ、好きな人と恋人になりづらいだけ。
辛いけど、受け入れられなくはない。
それでもたまに、まだ言われるとモヤモヤすることがある。
男子
女子
「マイノリティ」は、まだ私の代名詞だ。
今はまだ苦笑いでその場を離れるだけしかできないけれど
心の中では、今もずっと叫んでる。
マイノリティと 呼ばないで。
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コメント
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誰を好きになろうと、その人の自由だし、好きって言われたからネタにするんじゃなくて、」自分には誰かが恋心を抱くような魅力があるんだ」っていう受け取り方を、私はしますね。 私、友達(女子)に告白されたことありますよ。 絶対周りに知られないようにしたし、その子とは今も仲良しです、
世の中は最近マイノリティを受け入れつつありますけど、やはりいつの時代になっても『普通の人とちょっと違う何か』が我々の心に残ってしまうんですよね…。 素敵な作品ですね´`*
私はBLとか全然読めるので、そういう方を攻める人が居るのはやっぱり残念です(´・ω・`) 主人公の心情がよく分かる書き方で、凄いですね。いい作品でした。