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主。
主。
主。
主。
主。
今日も今日とてオレは隠された持ち物を見つけてから席に着き、 まだPrが来ていないので先日図書室で借りたラノベの続きを読んでいると、 この前オレに掃除を押し付けてきた女子が話しかけてきた
クラスメイト
Mz
オレに嫌なことをしてくる奴とはいえ本を読みながら、 というわけにはいかないので、オレは本を閉じ、 相手の方を向いて話を聞く態勢に入る
すると彼女はオレが本を手放した瞬間それをばっと奪い取り、 パラパラとめくり始めた
Mz
自分の読んでいる本を誰かに知られるのは恥ずかしいからと わざわざTg先生に作り方を教えてもらった 自作のブックカバーをつけていたのに、 彼女はそれをビリッと破ってその題名を見る
Mz
クラスメイト
Mz
クラスメイト
Mz
クラスメイト
クラスメイト
Mz
Mz
クラスメイト
クラスメイト
あははっ、と笑い声を上げる彼女に、オレは珍しく怒りが湧く
オレのことを馬鹿にしてくるのはまだいい
だけど、彼女が同性愛者をキショいと吐き捨てた時に、 AkやPr、KtyさんやTg先生を否定された気がした
“こーいうの読んでる奴ら“を嘲笑った時に、Atを否定された気がした
自分は良くても自分の大切な人たちを馬鹿にされたことに腹が立ったオレは、 自分の立場も忘れて椅子を倒しながら立ち上がり、 怒りのままにバンッと机を叩く
Mz
クラスメイト
Mz
Mz
Mz
Mz
Mz
クラスメイト
Mz
Mz
Mz
Mz
Mz
あふれる怒りのままにオレが淡々と相手を言い負かしていくと、 普段は大して反抗しないオレがキレていることにビビっているのか 周りの奴らは目を見開いて固まっている
クラスメイト
クラスメイト
Mz
ヒートアップしたオレが怒りのままに相手に言い返すと、 タイミング悪くPrが登校してきた
Pr
Mz
間違いなく今の彼女の発言を聞いていたのであろうPrは目を見開いており、 そんな彼を見たクラスメイトの女子は勝ち誇ったような表情になった
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
彼女が誇らしげにクラス全員を見回し、 ほとんどの人たちはうんうんと頷いていたが、 一部のクラスメイトたちは少し訝しげにしていた
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
クラス全体のざわざわとした喧騒を耳にしたPrは、 はあ、とため息をついてなるほどな、と口にした
Pr
Prは鋭い眼光で女子を見据えると、こんなことを言った
Pr
Pr
Pr
クラスメイト
Pr
Prは教室の片隅でニヤニヤと楽しそうにしている シャーペンの件の仕掛け人たちを睨みつける
Pr
Pr
Pr
Pr
クラスメイト
焦って当時と異なる証言をしたシャーペンの持ち主を一瞥して、 Prは他のクラスメイトたちに向き直る
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
戸惑いの声を上げるクラスメイトたちに、Prはにこりと笑った
クラスメイト
Pr
クラスメイト
Pr
Pr
Pr
クラスメイト
Pr
Mz
Mz
Pr
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
Pr
クラスメイト
クラスメイト
Pr
Prは仕掛け人たちを見据えながら、決定的な証拠を見せつけた
Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
この前オレが掃除を押し付けられた時のような怖い笑顔を浮かべたPrは、 彼らをじいっと見つめながら説明を求めている
彼らはしどろもどろにはなっているものの まだ何とか挽回しようと試みていたが、 彼らを信じる奴はもうクラスにはいなかった
Pr
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Mz
Mz
Mz
Mz
オレがあの日の辛い気持ちを思い出しながら泣きそうになっていると、 Prがオレの背中をさすりながらこういった
Pr
クラス全体が、しぃんと静まり返っていた
Pr
Pr
Prが笑顔の圧を放ちながらそう言うと、彼らは怯えた様子で返事をする
クラスメイト
クラスメイト
オレを貶めた奴は全員青ざめていて、 あいつらのことを信じてしまっていた奴らはみんなオレに謝ってくれた
だからと言って身に受けた苦痛がなくなるわけではないが、 もういじめなんかされなくなったのでAtと出会う前と比べれば格段に幸せだ
Mz
Pr
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
あの日命を捨てるのを踏みとどまったおかげで、こんないい奴と友達になれた
やっぱりオレの幸せはAtのおかげだな、と改めて思った
いじめも無くなって、数週間前には想像できなかったような 平和な学校生活を送っているオレがラノベの続きを借りに図書館に行くと、 Tg先生に呼び止められた
Tg
Mz
読んでいたラノベを閉じ声のした方向を向くと、 いつもの優しい笑顔を浮かべたTg先生からこんなことを言われる
Tg
Mz
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Mz
おれとKtyに、君の里親にならせてもらえないかな?
Mz
Mz
Mz
Tg
Tg
Tg
Tg
Mz
Tg
Tg
Tg
オレとしてはKtyさんもTg先生も信頼できるし、 彼らを第二の親として生きていくことには何の不満もない
でもやっぱり、2人の邪魔になってしまうんじゃないかという不安があった
Mz
Tg
Tg
Tg
Tg
Mz
Mz
オレがそう返事をすると、Tg先生は嬉しそうに優しく微笑んだ
Tg
Tg
Mz
こんなに優しくて信頼できる2人に里親になりたいと言ってもらえるなんて、 オレは夢でも見ているのだろうかと思いながら カウンターに戻っていくTg先生を見送ってオレは読書に戻った
その後、図書室での出来事は全部夢でした、なんてことはなく、 本当に準備が整っていたらしいKtyさんとTg先生の尽力によって オレは2人の家に住むことになった
Mz
Tg
Kty
Mz
オレは深呼吸をして、数年間発してこなかったその言葉を声に出してみる
Mz
Kty
Tg
一緒に住んでいる家族がいる人にとっては何の変哲もない言葉なのに、 家族の暖かみの記憶が少ないオレにとっては、 そわそわするのに落ち着いて、心がポカポカと暖かくなる
「ただいま」と「おかえり」と言うのは、そんな言葉だった
Mz
優しい2人の声に思わずオレが涙をこぼすと、 2人は少し驚いた様子を見せたあと、優しく微笑んでオレに寄り添ってくれた
Tg
Kty
Tg
Mz
Kty
Tg
あの日Atがオレの自殺を止めてくれたから、 友達ができて、いじめも撃退して、 信頼できる大人達に息子として迎えてもらえて、毎日が楽しくて仕方ない
それもこれも全部全部、Atのおかげだ
Mz
こうしてオレは、今までにないくらい幸せな気持ちで 新しい自分の家で与えられた自室で眠りについた