ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
〜 𝐒𝐓𝐀𝐑𝐓 〜
どうしても分からなかった
何でこの世界はこんなにも不平等で残酷なんだろう
どうして、優しい人が損をする世界なの?
どうして、悪事を働く奴らが、あんなにも幸せそうに生きてるの?
どうして、憎い奴らが、笑顔で過ごしてるの?
どうして、人はすぐに裏切るの?
どうして……優等生が劣等生のために ◯◯◯◯◯いけないの…?
わからない
わからない
わかんない、わかんない…!!
…返してよ
この世界に、返して…
全部全部、私から奪ったのを……
もう一度あの瞬間に戻れたら、その時は私があの子のために…
この憎たらしい世界にさよならを告げたいな…
あぁ、私が◯◯◯よかった…
侑side
宮 侑
宮 侑
宮 侑
6限目にあった数学の授業
飯を食った後やったからか、眠気に襲われていつのまにか授業中なのも忘れて寝とった
そんで、50代くらいのおっさん先生に教科書で叩き起こされてこの様や
まじで痛かったし、はよ家に帰ってバレーしたいのに最悪な日やな
モブ女
宮 侑
宮 侑
後ろから聞こえる嫌いな声
聞こえへんかったふりをして俺は足を早めた
まぁ、無意味やったけど
モブ女
モブ女
数人の女子が俺の前にすーっと並んで道を塞いできた
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
モブ女
宮 侑
最悪なシュチュエーション
こいつ正気なん?と、思わず疑った
モブ女
モブ女
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
宮 侑
◇◇ ◯◯
俺が大声で「アホか、豚が」って言おうとした時
透き通るような声が女子たちの後ろから飛んできた
モブ女
宮 侑
女子たちはその声に驚いて、全員して後ろを振り返る
そこには、1人の女子生徒が本を2冊持って凛々しく立っとった
髪の毛が一本に束ねられていて、吊り目のキリッとした顔立ち
どこかで見たことあるような顔やった
モブ女
宮 侑
◇◇ ◯◯
宮 侑
モブ女
モブ女
宮 侑
モブ女
モブ女
宮 侑
宮 侑
モブ女
モブ女
モブ女
宮 侑
宮 侑
宮 侑
モブ女
いつの間にか、女子vs俺が廊下のど真ん中で繰り広げられる
いや、どう考えても俺は悪 ないし、謝る義理はあらへんやろ!
宮 侑
◇◇ ◯◯
宮 侑
宮 侑
モブ女
◇◇ ◯◯
モブ女
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
モブ女
◇◇ ◯◯
モブ女
◇◇ ◯◯
モブ女
◇◇ ◯◯
モブ女
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 侑
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 侑
初めて出会ったんや
俺たちを見分けてくれる人に
当たり前なんや
声も、髪色も、性格も
全部ちゃうはずやのに、どうしてみんな間違えるん?
ずっとそう思うて16年間過ごしとった
別に、双子っちゅうのが嫌なわけやない
せやけどな、俺らは、1人の"ひと"としてずっと見て欲しかったんや
いつも、俺とサムは2人でひとつみたいな感じで見られとる
それがなんだか俺は嫌いやった
バレー部のみんなみたいに、一緒の時間を重ねて理解してくれるのも嫌いやない
なんなら、みんな大切な仲間やと思うし、これからもそうであると思う
でもな、こんなに接点ないやつに、ここまで見抜かれるって初めてやったから
宮 侑
そう聞かずにはいられんかった
◇◇ ◯◯
宮 侑
◇◇ ◯◯
宮 侑
◇◇ ◯◯
そう言ってから◇◇◯◯は俺たちの横を素通りしてどこかへ歩いていった
モブ女
モブ女
モブ女
モブ女
◇◇◯◯がいなくなると、元凶たちはピーピーとうっさい騒ぎ声を立てて廊下を歩いてった
宮 侑
宮 侑
なんだかちょっとした胸騒ぎがしてしもうた
嵐が巻き起こる前触れのような、そんな少し嫌な予感
せやけど、そんな予感とは裏腹に、俺はなんだか嵐を楽しみにしているみたいに心が跳ねる
宮 侑
治side
夕日が差し込む静かな図書室
お腹のグーと鳴る音が響き渡ってしまうほどに静寂に包まれとった
宮 治
宮 治
俺は今年図書委員になって、部活がオフの今日は図書室で暇を持て余しとった
ガラガラ
静まり返った図書室に、不意をついたように扉を開ける音が大きく響いた
反射的に扉の方向に視線を送ると、そこには本を2冊持った女子が立っていた
宮 治
女子もこちらの存在に気がついたらしく、視線がバチっと合う
◇◇ ◯◯
俺を見るなり、小さな声で彼女はそう呟く
キャーキャー言われると思うてたけど全然違うて、なんやったら少し嫌そう
"また"ってことはツムにでも会ぉたんやろか?
◇◇ ◯◯
女子はこっちまで来て、本を2冊俺に差し出してきた
宮 治
適当に相槌を打って、二つの本にハンコを押して渡す
なんとなく、さっきの言葉が引っかかって俺は遠慮もせんで話しかけた
宮 治
俺がそう聞くと、数は歩いた足をぴたりと止めて視線をこっちに移して来た
少し嫌そうな顔をしてから、静かな声で彼女は発した
◇◇ ◯◯
宮 治
宮 治
そう聞くと、さっきよりも嫌そうな顔を浮かべて即答してきた
◇◇ ◯◯
宮 治
宮 治
◇◇ ◯◯
すまし顔で彼女はそう言うた
予想外の発言に少し驚くのと同時に、なんでそう思うたんか気になった
宮 治
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
呆れた顔で彼女はため息をつくように小さく言葉を並べた
宮 治
宮 治
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
宮 治
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
確かに群がられてるのは、生活しにくいし、めんどくさいと思う
でも、今この女子が発したのは、きっとそう言う意味ではないのはわかった
宮 治
◇◇ ◯◯
宮 治
さっきから彼女からはぽんぽんと驚く言葉がたくさん出てくる
心の中を、全て見透かされたような気持ちになった
◇◇ ◯◯
宮 治
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
生きてきた16年間で初めて言われた言葉やった
ずっと疑問に思っとった
俺らは、1人ずつ見られてなくて、双子としてみられてる
それはなんでなんや、と
別に、ツムが嫌いなわけやない
まぁ、好きでもないけど
でも、「双子だから」って言う言葉が、なんでか俺は好きやなかった
俺らは一人一人の個性を持った人間やから、それを認めて欲しかったんや
せやけど、それに気づいてくれる人は、全く現れんのや
でも、それを彼女は初めて見つけてくれた気がしたんや
人生で、初めて出会った人や
ずっと、探し求めてた人なんや
ただ、その事実が嬉しくてたまらなかった
だから、礼を言わずにはいられんかった
宮 治
正直にそう感謝を伝えるけど、彼女は全く意味をわかってなさそうに小さく首を傾げた
◇◇ ◯◯
宮 治
宮 治
そう言ってから笑顔を浮かべる
それに対して彼女は、最後まで意味わからなそうな表情をしとった
だけど、それ以上突っ込むのがめんどかったのか、追求はしてこんかった
◇◇ ◯◯
◇◇ ◯◯
宮 治
彼女は俺に背を向けて図書室から出て行った
それを確認してから、俺は机の上に置いてある一枚の紙を見つめた
宮 治
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
ぬしぱる
コメント
4件
コメント失礼します! ほああぁぁぁ…侑氏も治氏も苦労してきたんだなあ… ちょっと女子ぃ…よく無いぜそういうのは…人のことちゃんと見ようぜ… 主人公ちゃんはハッキリした子だなあ…凄いなあ… 前にも一度読んだのですが、そういえばコメントしてない!と思いコメントさせて頂きました♪ 次の動画も気長に楽しみに、待ってます♪
♡1000にしました!! またまた神作品すぎません?✨