人間生きていれば人生で一度だけ その人生を左右してしまうほどの出来事が起こるとか何とか。
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単刀直入に言わせて貰おう 私は今 、誘拐されている最中であると。
ガタンッ、という衝撃と腹が煮えくり返るような空気に意識を取り戻した時にはもう既に遅かった。
私の小さい身体は男によって情けなくホールドされ、逃げようにもそんな勇気はない。というか 、力を入れようものならズキズキと痛むこの身体ではすぐに捕まるだろうから逃げるのは悪手。
かと言って逃げないワケにもいかないし 、なんて今は大人しく目を閉じて機会を窺う。
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グラグラと不安定な船に乗せられたまま辺りに意識を向ければ 、またガタンガタンと大きな音が重なり、渦巻く熱に額から汗が流れた。
話を聞く限り(とは言っても盗み聞きだが)男2人が私を抱えて警察から逃げているらしい。…しかも 、恐らく私の家とその辺一帯は火の海。
うん 、一旦殴らせて欲しいかも。
この2人も逃げられるかと不安視するほど無計画な放火だったみたいだが 、何とも脳天気な会話に頭がやられそうになるのを必死に堪える。
意識を失いなんてすれば 、逃げるも無理な話だし。
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knmc
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fw
男のそんな声と共に 、ふわりとムスクの香りが鼻を掠めた。 完全に真っ暗だった視界に突如光が差し込んで 、見知らぬ景色を覆い隠すようにひょこっと紫のメッシュが顔を覗かせて、驚きで声も出ない私を見て満足したようににっこりと笑う。
fw
否 、その光を受け入れる選択を私がしたワケではない。無理矢理こじあけられたのだ、瞼を。
嬢華
人生最大の不幸は 、多分これ。 一旦マズったかも。
コメント
3件
ありがとう、神作を作ってくれて。 そして、生まれてきてくれてありがとう。(??)
なんかセンシティブ付いてるな……()そんな内容書いてない……はず……!((