牧野 歩
姉さん。
牧野 歩
今日も校門で待ってる。
牧野 菜穂
うん。
牧野 菜穂
急いでいくね。
牧野 歩
姉さん。
牧野 菜穂
どうしたの?歩。
牧野 歩
牧野 歩
好きな人とか、いるの?
牧野 菜穂
急にどうしたの?
牧野 歩
いや、クラスの女子がそう話してるのが聞こえて…
牧野 歩
気になったんだ。
牧野 菜穂
牧野 菜穂
いるよ。
牧野 歩
っ、…
牧野 歩
そっか、頑張ってね。
牧野 菜穂
うん、今年のバレンタインはその人しかあげないの。
牧野 歩
なら今年は俺は貰えないね。
牧野 歩
姉さん、チョコ作ってるの?
牧野 菜穂
うん、喜んで欲しくて。
牧野 歩
…そうなんだ。
牧野 歩
きっと喜んでくれるよ!
牧野 歩
頑張ってね!
牧野 菜穂
うん、ありがとう。
牧野 菜穂
頑張るね!
牧野 歩
姉さん、今日はバレンタインのチョコをあげるでしょ?
牧野 菜穂
うん。
牧野 歩
なら俺は先に帰ってるね、その渡す相手と帰ってきなよ。
牧野 菜穂
ううん、大丈夫。
牧野 菜穂
今日も一緒に帰ろう、歩。
牧野 歩
本当にいいの?
牧野 菜穂
うん、一緒に帰りたい。
牧野 歩
姉さん、渡せたの?チョコ。
牧野 菜穂
ううん、今からあげる。
牧野 歩
今からってもう暗いよ?
牧野 菜穂
大丈夫、直ぐだから。
牧野 歩
牧野 歩
俺もほしかったな…兄弟じゃなきゃ…
牧野 菜穂
え?
歩は私を強く優しく抱き寄せて、 腕の中へと包み込んだ。
牧野 歩
姉さん。
牧野 歩
ごめん、好き。
牧野 菜穂
菜穂は、鞄の中から可愛らしい袋に包まれたチョコを取り出す。
牧野 菜穂
はい、バレンタイン。
牧野 歩
でもバレンタインは好きな人にしかあげないんじゃ……
牧野 菜穂
あげたよ、今。
牧野 歩
牧野 歩
菜穂、
牧野 歩
ごめん、大好き。