前にはちらほら人がいる
後ろには誰もいない
そう、私は
最下位である。
私が最も苦手とする長距離走
コーナーをぐるっと3周する
まだ1周目だ。
安藤 明莉
はぁ、はあっ
安藤 明莉
もう嫌だっ…
その時、肩を叩かれた。
安藤 明莉
え?
斎藤 圭人
やっほー
安藤 明莉
圭人くん!
安藤 明莉
もう2周目?
斎藤 圭人
うん。速いでしょ
安藤 明莉
1位だよね?2位の人が見えないくらいってほんとすごい
斎藤 圭人
そうかな?嬉しいよ
安藤 明莉
あっ、2位の人かな?来たよ
斎藤 圭人
ヤバい、じゃあ行くね
安藤 明莉
うん
斎藤 圭人
安藤さん、頑張ってね
安藤 明莉
圭人くんも!
この長距離走のように
邪魔者が来たりしても
この恋はゴールまで
精一杯駆け抜けよう―
最下位でも。







