久木
悪魔に願い事をするなら?
氷野
うん、久木さんだったら何をお願いする?
久木
それって心理テストか何かですか?
氷野
ううん、単なる質問
久木
え~なんですかそれぇ
久木は楽しそうに笑う。
久木
うーん…そうですねぇ…
久木
やっぱり、イケメン彼氏がほしい!ですね
氷野
え~…
久木
あ、ついでにお金持ちで性格良いとなお良し!
氷野
え~…
言いながら氷野は笑う。
久木
悪魔ならそれぐらい余裕だと思いますし!
氷野
確かに…
久木
氷野さんだったら何お願いします?
氷野
うーん…そうだなぁ…
久木
彼氏…っていうか
久木
氷野さんってあんまり浮ついた話し聞きませんよね
久木
今、彼氏いるんですか?
氷野
いないよ
久木
好きな人は?
氷野
いないなぁ
久木
え~
氷野
え~って
久木
ちなみに、恋人がいたことは?
氷野
大学生のときに一人だけ
久木
なんでその人と別れちゃったんですか?
氷野
自然消滅、かな
氷野
就職活動で忙しくしてて
氷野
就職したあとも仕事でバタバタしてて
氷野
気が付いたら二年ぐらい連絡してなかったの
久木
えー!それ普通気が付きません?
久木
最近、連絡してないなぁ…とか
氷野
それが無かったんだよねぇ、二人とも
氷野
それで連絡しようかどうか悩んで
氷野
まぁいっかって
久木
結局、連絡しなかったんですか?
氷野
うん
久木
その後、相手から連絡は?
氷野
うーん…そのさらに二年後に結婚しますって連絡がきたの
久木
うわぁ…そうだったんですね
氷野
それからお付き合いしてる人、いないなぁ…
久木
そうなんですか…
氷野
そんな悲しそうな顔しないでよ
久木
うぅ…だってぇ…
久木
よし!じゃあ、氷野さん今度飲みに行きましょう!
久木
美味しいイタリアンのお店見つけたんです!
氷野
うん!一緒に行こう!
久木
やった~!
氷野
(ん?)
氷野
(…ああ、田中さん…)
氷野
(タナキエルさんか…)
氷野
ふふっ…
氷野
(タナキエルさんも真面目だなぁ…)
氷野
(返信は家に帰ってから送ろっと)
ベリト
柚月さん
氷野
あ、ベリトさん
氷野
こんばんわ
ベリト
こんばんわ
氷野
えーっと…お仕事帰り…ですか?
ベリト
はい
氷野
……
ベリト
……
ベリト
あ、あの…あれからお願い事…
ベリト
何か思いつきました?
氷野
うーん…
ベリト
あ、そんな
ベリト
急ぎじゃないんでいいんですけど…
氷野
ベリトさんって
ベリト
はい
氷野
ご飯食べれます?
ベリト
え?
氷野
その…魂とかじゃなくて
氷野
普通に、野菜とかお肉とか…
ベリト
食べれますよ
ベリト
集めている魂は上司に献上するためのもので
ベリト
私たちが食べるものではないんです
氷野
そうなんですか
氷野
じゃあ……
タナキエル
待て待て!!
タナキエル
どうして米を洗剤で洗おうとするんだ!
氷野
え…だってタナキエルさんが
氷野
お米を洗えって…
タナキエル
それで洗剤使うやつがいるか!
タナキエル
水だけでいいんだよ!
タナキエル
ちょっ!ベリト!!
タナキエル
ニンジンの皮、どこまで剥くつもりなんだよ!!
ベリト
え…だってずっと同じ色で…
タナキエル
ニンジンはそういうもんなんだよ!
タナキエル
お前、そんなこと小学生でも知ってるだろ!?
タナキエル
……
タナキエル
あー!もう!いい!!
タナキエル
あとは俺がやるから
タナキエル
お前らは食器とか出して準備しとけ!!
氷野
……
ベリト
……
氷野
怒られちゃいましたね
ベリト
そうですね
氷野
ふふっ
ベリト
ははっ
タナキエル
いちゃつくんじゃねぇよ!
タナキエル
お前の羽根も鍋で煮るぞ
ベリト
いやですよ!
氷野
あははっ
タナキエル
ったく…
氷野
やっぱり一人よりも
氷野
たくさんの人がいるのって楽しいね
ベリト
そうですね
タナキエル
俺は楽しくないけどなっ
氷野
え…帰っちゃうんですか?
ベリト
そんな…
タナキエル
うるせぇ!いるよ!最後まで居て
タナキエル
〆(しめ)まで作ってやるからな!
氷野
わーい!
ベリト
さすがタナキエルさん
このあと
三人で楽しく鍋を囲みました♪
今回のお願い 「一緒に鍋を囲んで下さい」 (巻き込まれたタナキエル)