テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コガネ
イオリ
そう呟いても、 コガネは呑気にナイフを クルクル回している。
コガネ
ミハマ
ミハマ
イオリ
イオリ
コガネは「ふーーっ。」と一呼吸 置くと、
さっきまでクルクル回していた ナイフを、人間だとは思えない速さで ミハマの首で突きつけ、
コガネ
切った。
イオリ
イオリ
ミハマ
ミハマ
血だらけのナイフを、 ミハマの腹部に刺した。
何度も、何度も。
コガネ
イオリ
イオリ
コガネ。
本名は私も知らない。
警察官に認められた “悪を成敗する殺人鬼”。
善を成敗すればすぐに 警官に殺されるようになっている。
そんな現場、 見たことないけれど。
コガネは、政府の“忠犬”だ。
最初は、それが理解できなかった。
でも、今だから分かる。
イオリ
コガネ
イオリ
コガネ
コガネは、“政府に忠実”なんじゃない。
“正義に忠実”なんだ。
事務所のドアがノックされる。
イオリ
声を掛けて恐る恐る入って 来たのは、一人の学生だった。
アメ
アメ
自分には誰だか分からなかった。
でもコガネの目が細められた瞬間、
その少年こそが、コガネの 求めていた人だと分かった。
コガネ
アメ
コガネ
コガネ
アメ
イオリは「また始まった……」と ため息をついた。
アメ
アメ
コガネ
アメ
コガネ
コガネ
コガネ
その条件を聞いた瞬間、 アメは固まってしまった。
分かっている。 こんな若造にそんな覚悟はない。
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
イオリ
静かに目を伏せて話すイオリを 見ながら、彼に問う。
コガネ
アメ
コガネ
コガネ
アメは何も言わない。
コガネ
コガネ
公園で一人、橙色に 染められた空を眺める。
人を殺す覚悟…… そんなの、無い。
今まで一般人として生きてきた。
だから……
……だから?
それが、“爺の真実を知らない” 理由にはならない。
爺もきっと、“死”を目の当たりに してきた人物だ。
爺を越えるには、爺と並ぶには……
ここで腹を、括るしか無い。
煙草の煙が、高く高く 舞い上がっては消える。
コガネ
アメ
その声に、コガネは反応しなかった。
アメ
コガネ
コガネ
アメ
アメ
アメ
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
アメ
コガネ
コガネ
アメ
それが引き金かのように 飛び出てきたそれに、固まった。
人間の形をしているのに、 明らかに人間じゃない飛躍能力。
コガネ
コガネ
コガネ
コガネ
コガネさんは腰から銃を出すと、 器用にそれをクルクル回した。
そしてその銃口を、 人の形をした“悪”に向ける。
アメ
コガネ
コガネ
コガネ
向かってくる悪に背を向けて、 自分に聞いてくる。
アメ
悪が真後ろまできたところで、
コガネさんは軽々と跳躍した。
……人間じゃ無いほどの高さで。
アメ
空に浮かんだまま、 どうしようかと頭を抱えるコガネさん。
アメ
またもや腰から出てきたナイフを その悪に向かって投げつける。
ミヤノ
アメ
コガネ
そう言って、さっきとは別の銃を 取り出した。
その先端は、まるで何かを 捕まえるアームのような 形をしている。
アメ
コガネ
その銃を悪に向かって撃ち、 先端は服に引っかかる。
その数秒後、何かに痺れるように 悪は体を痙攣させている。
アメ
コガネ
水は純正じゃ無い限り 電気を通す。
水道水などが代表例だ。
つまり、不純物の含まれた水 であれば電気を通す……。
アメ
痙攣後その場に倒れた 悪人に、コガネさんは銃を向けた。
一発。
二発。
……三発四発五発。
それは、銃の中の球が切れるまで 続いた。
コガネ
アメ
自分でもありえないほどのか細い声。
怖い、人間じゃ無い、 自分の知っている領域にいない
そんな思いよりも、
“すごい、尊敬する”
そんな気持ちでいっぱいだった。
コガネ
コガネ
コメント
7件
想像以上に丁寧なダークファンタジーで好き コガネさんは絶対に身長極高イケメン