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やがて戦争が終わり "日本"という新しい存在が生まれたとき
アメリカは一目で分かった
あぁ……
笑い方 静かに何かを背負っている立ち方
あいつの"続き"だ
声には出さない 正体も過去も語らない
ただ、遠くから見て ちゃんと"生きている"こと だけを確認する
それだけで充分だった
そしてあの日 日本が何も言わずに泣いた日
言葉をかけたら 壊れてしまう気がした
だから ただ、背中をさすった
……これでいいんだろ、陸
心の中でそう聞いた
返事はない
だが、 日本の呼吸が落ち着いていくのを感じて
それで答えをもらった気がした
陸たちの仏壇の前に立ったときも
江戸の隣に座ったときも
全部
全部
同じ気持ちだった
俺は救えなかった
でも、"繋ぐ"ことなら できるかもしれない
それでいい
なんて言えるほど 胸は軽くはない
それでも、生きるしかない あいつの分まで
あいつの夢の ほんの端っこくらいは この時代に残すために
またな、日本
すれ違いざまにそう言えたのは あいつへの小さな報告 のようなものだった
アメリカ
アメリカ
水平線を見ると 太陽がのぼり 新しい朝が始まろうとしていた
朝の空はやけに澄んでいた
アメリカは一人歩きながら 空を見上げて、少しだけ目を細める
アメリカ
誰に言うまでもなく、そう呟いて ポケットに手を突っ込む
時々胸が痛くなることはある
夜になると、 陸の声を思い出すこともある
でも 立ち止まらないのがアメリカだ
アメリカ
自分に言い聞かせるように言って また一歩、前に出る
畑の土の感触 日本の泣いた背中 陸たちの仏壇の前の静寂
全てを抱えたまま それでも、足は止めない
ある日遠くから見た日本の姿
誰かと話しながら 小さく笑っている
アメリカ
それが嬉しくて それでも近づくのは、まだ少しだけ怖い
だから今日も 声は掛けずに、背を向ける
アメリカ
その背中は、 もう"後悔だけの背中"じゃない
後悔も約束も、想いも 全部がまとめて背負って
それでも進む背中
それが 陸から受け継いだ
アメリカの生き方だった
ちぃ☆
ちぃ☆
ちぃ☆
ユノ
ちぃ☆
ちぃ☆
ユノ
ちぃ☆
ちぃ☆
ちぃ☆