テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主
主
主
主
政治的意図、戦争賛美無し
かつて私は、『大英帝国』と名乗っていた
沢山の養子達を育て、世界に冠たる帝国を築いた。
だが──いや、今だからこそ言える
私は、彼らを「育てた」のではなく、「使って」いた
戦争、戦争…そしてまた戦争
愛する余裕もなかった。いや、愛する方法を知らなかった
ただ、「帝国としての義務」を果たすことばかりに目を奪われていた
大英帝国
大英帝国
「働け」 「戦え」 「逆らうな」 ──そう命じ、時には力で従わせた
やがて、彼らは次々に私の元を去っていった
最初に背を向けたのは、アメリカ
アメリカ
大英帝国
気づけば、私は「大英帝国」ではなく、ただの「イギリス」になっていた
戦争ばかりに目を奪われて、
命令と制圧でしか彼らと接することができなかった
彼らはまたまた1人、また1人と私の元から姿を消した。
何もかも失って、私は孤独になった
ザー……
その日は、冷たい雨が降っていた。昔の私のように…
石畳に、しとしとと水音が響く
私の影だけが、濡れて地面に長く伸びていた
イギリス
呟いた声は、誰にも届かない
私の声を聞いてくれる者など、もういない
イギリス
イギリス
かすれるような声が雨にかき消される
イギリス
その言葉と共に、私は力が抜けそのまま石畳の上に崩れ落ちた
イギリス
意識が遠のいていく──
冷たい雨が、頬に落ち続けていた
どれほど時間が経ったのだろうか
静かな光が差し込む、暖かい部屋
私は、見知らぬベッドの上で目を覚ました
イギリス
…親父、起きたか
その声に振り向くと、そこに立っていたのは─アメリカだった
イギリス
アメリカ
私は言葉を失った そして、目をやるとそこには──
カナダ
オーストラリア
イギリス
彼らは、確かに私の息子達。
かつて、私が愛しきれなかった、息子達──
私は、ただ俯きながら呟いた
イギリス
アメリカ
オーストラリア
イギリス
アメリカ
イギリス
思わず私はアメリカの胸に飛び込んで泣いていた。
アメリカは、泣いている私を見て微笑み、優しく頭を撫でてくれた
カナダもオーストラリアも、私のそばに来て励ましてくれる─
もう、孤独じゃないんだ
雨はもう止んでいた。
空は晴れ、どこまでも広がっていた
アメリカ
イギリス
アメリカ
カナダ
イギリス
オーストラリア
イギリス
カナダ
イギリス
そう言った後、私が笑うと、3人も続けて笑った
アメリカ
オーストラリア
カナダ
アメリカ
そう言ってアメリカが私に手を差し伸べ、カナダもオーストラリアも微笑んで私のことを見つめている
イギリス
私の名前はイギリス。かつて大英帝国と呼ばれた者 そして今、ようやく「家族」を知る旅の、始まりに立っている
主
主
主
主
主
主
主
主
わあ!急に落ち着くな‼︎
主
主