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「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第1章第2話「兄弟の昔」
僕には、お兄ちゃんがいる。
お兄ちゃんは、とっても優秀だった。
能力の中でも、人の役に立つ能力。
それは、「人形救済」という能力だった。
お兄ちゃんが祈れば、人々は良い方向に救われた。
☃️
父
母
☃️
母
🍌
お兄ちゃんと僕は、いつも比べられていた。
お兄ちゃんは、テレビや新聞に引っ張りだこになった。
母
☃️
父
☃️
その時ほぼ存在しない者として扱われていた僕。
当時は幼稚園児だった僕は、客観的に見て、これは明らかにおかしいと気がついた。 その時に、両親との関わりを絶っていた。
でも、表面上では愛されていた小学校低学年の無邪気な兄は、暗くてドロドロした社会に、呑まれていった。
大人は、自分の利益のことしか考えていない。
一方で僕は、お兄ちゃんとは違う、人の目を浴びないごく普通な生活を送っていた。
僕も、能力を持っていた。
人形遊び。他人を操る事ができる能力だった。
人形遊びと人形救済。 兄弟で対になった能力だった。
友達
戯れあっている子達を、いつも僕は茶々を入れる気持ちで、操った。
友達
とどめ、と言う感じで軽く叩いたつもりだった。 パチン、と音が鳴った。
その子は受け身が取れなくて、教室の床に後頭部を強打した。
その子は、脳震盪を起こして、入院する事態になった。
幸いな事に、その子は死にはしなかった。
名目上は僕じゃないけど、やったのは紛れもなく僕だった。
傷つけたのは僕だ。
そんな罪悪感から、僕はもう能力を使わなくなった。
☃️
☃️
☃️
真っ暗な部屋で、両親がお兄ちゃんに買ってあげた大きな熊のぬいぐるみに話しかけているお兄ちゃんを、僅かに開いたドアの隙間から見ていた。
このままだと、お兄ちゃんは多分壊れてしまう。
僕は、お兄ちゃんには一切使っていない、一年近く封印していた能力をお兄ちゃんに使った。
母
☃️
母
☃️
上手くいったかな。
僕は元の自分の身体に戻り、部屋の隅で丸まって様子を見つめている。
父親が、お兄ちゃんに近づいた。
手を挙げて、思いっきりお兄ちゃんを叩いた。
☃️
父
此方を指さしてきた。僕は、見ていないフリをして、蹲った。
父
🍌
やっぱり、利用していた。
幼い自分でも、それがわかっていた。
いかにあからさまに利用していたかが、よーくわかる。
あの日から、僕は大人が怖くなった。
能力者が、大嫌いになった。
そして、
お兄ちゃんは僕が守らないと、とも思った。
だから、お兄ちゃんには、能力を使わせない。
そして、僕達は親に受験させられた学園の成績が良く、学園長から特待生としての入学が許可された。
僕は、通信制中学に進学すると決めていた。
だから、学園長の説得で籍を置き、たまに学園に登校する事になった。
学園長は優しい人だった。
僕達のお願いを、親身になって聞いてくれた。
僕が、お兄ちゃんが能力を使う事を禁止にした。
お兄ちゃんを守るためだから。
お兄ちゃんの事を一切考えていないのはわかっている。
でも、仕方がなかった。
能力を使用する事を許可すれば、多分勝手に人助けを始めて、昔に逆戻りする気がする。
だから、僕はお兄ちゃんとドズルさんは接近しないでほしい。
能力者は嫌いだから。
next→第3話「お願い事」
作中の用語を簡単に解説するコーナー
人形遊び・人形救済とは 兄弟がそれぞれ保有している能力。 人を操る事ができる「人形遊び」、 人を助ける事ができる「人形救済」で対になっている。 兄弟はこの能力を好んでいない。