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kana
46
#ミステリー
7
やがて
夏休みという期間がやってきた
あれほど賑やかだった校舎から
一斉に人の気配が消える
なぜわざわざ集まったのかと 思っていたら
今度は一斉に姿を消す
本当に身勝手な生き物だ
けど
あの子だけは違った
誰もいない静かな学校で
あの子は毎日のように
グラウンドの茶色い土の上を
ただひたすらに走っていた
照りつける太陽の下
束ねた短い髪を揺らしながら
汗を光らせ
何度も、何度も
同じ場所を往復している
何のためにあんなに走るんだろ
どこかへ行くわけでもないのに
それでも
風を切って進むあの子の姿は
どこか眩しかった
僕は入道雲の広がる青空の下
グラウンドの上から
ひたむきなあの子の姿を
ずっと眺めていた
コメント
1件
Sternさん、こんにちは。第2話、読ませていただきました。 夏休みの静まり返った学校と、一人グラウンドを走り続けるあの子の対比がとても美しかったです。「どこかへ行くわけでもないのに」走る姿を「眩しい」と感じる視点が、読んでいる私の胸にもじんわりと残りました。短い文章の中に、見つめる側の静かな熱が感じられて、とても好きな一節です。続きが気になります🌷