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夕方
少し雲のかかった空に夕陽が照らされている
隊員たち
訓練終わり、汗のかいた体を洗い流しに行こうと、隊員たちが隊列を崩したその時
亜白ミナ
第三部隊隊長 亜白ミナ
スラリとした体、黒く長い髪を高い位置で束ねた女性が
隊員たちの背後から、凛とした声を上げる
その横には黒いおかっぱ頭の男が立っている
保科宗四郎
同部隊副隊長 保科宗四郎
シュッと線を引いたような細目、口からはするりと京都弁が溢れでる
日比野カフカ
同部隊新人隊員 日比野カフカ
おそらく隊員の中では最年長と思われる男が声を上げる
他の隊員とは違い、濃いひげと少し弛んだ下っ腹が目立つ
四ノ宮キコル
同部隊新人隊員 四ノ宮キコル
こちらは隊員の中では最年少だろう
ツンとした目筋に、強気な声で敬礼をする
隊員たち
四ノ宮に続くように隊員たちが声を上げ、敬礼をする
市川レノ
同部隊新人隊員 市川レノ
色素の薄い髪、どこか冷たい雰囲気の輪郭を持った青年が
疑問を口に出す
保科宗四郎
ふ、とクニカルな笑みを作る
亜白ミナ
亜白ミナ
まだ若い自信の部下たちに業務的につげる
隊員たち
鍛え抜かれた体をピンのように立たせ、一斉に声を上げる隊員たち
カァーッカーッ
夕日の方へ、烏が飛んでいった
日比野カフカ
市川レノ
約一時間後
寮付きの銭湯の前には、風呂上がりの隊員たちが談笑をかわしている
日比野カフカ
市川レノ
市川レノ
日比野カフカ
四ノ宮キコル
真後ろから四ノ宮が強気に話しかける
斜め上から見るような口調、元の性格と相手が日比野カフカであることも関係しているのだろう
日比野カフカ
市川レノ
四ノ宮キコル
風呂上がりでわずかに湿っている髪を靡かせ
ふん、と鼻で笑う
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
片目をとじ、人差し指を立てながら淡々と説明する
この手の話には詳しいのだろう
日比野カフカ
口とは違い、全く理解していない様子を見せる
四ノ宮の説明が難しかったのか、ただ単に理解能力が乏しいだけなのか
市川レノ
市川レノ
市川レノ
本来ならば必要のないであろう詳しい説明を付け足す市川
日比野カフカ
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
ついでにもう一つ、と補足を加える
日比野カフカ
ぽつりと自身の体調を呼び捨てにする
四ノ宮キコル
市川レノ
日比野カフカ
保科宗四郎
ヒョコ、と見覚えのある細目が日比野を捉える
日比野カフカ
日比野カフカ
大きな声を出し、壁へ飛び退る
保科宗四郎
保科宗四郎
日比野カフカ
この後、腹筋50回で許されたことはまた別の話である
日比野カフカ
市川レノ
翌朝
視察の隊員の出迎えのため、訓練開始の時刻が延長された隊員たちは
門を遠目に眺めながらグラウンドで談笑していた
出雲ハルイチ
第三部隊新人隊員 出雲ハルイチ
どこか柑橘系の雰囲気を漂わせる男が二人に話しかける
来ているジャージや所作から見て、かなり良い所出であることが伺える
日比野カフカ
市川レノ
神楽木葵
同部隊新人隊員 神楽木葵
筋骨隆々な男が後ろから話しかける
無表情な顔を門の方向へ向け、来訪者を気にしているようだ
神楽木葵
市川レノ
日比野カフカ
出雲ハルイチ
出雲ハルイチ
自身の所属する部隊の隊長によほどの自信があるのだろう
余裕のある笑みで、日比野の不安を跳ね返す
神楽木葵
出雲ハルイチ
神楽木が少々ズレた注意をする
出雲の反応から見て、一応慣れた光景ではあるらしい
亜白ミナ
保科宗四郎
小隊長たち
小隊長と副隊長、そして隊長が門の前に整列している
そこだけ空気がピリリと張り詰め、遠目から眺める隊員たちにも緊張が走る
出雲ハルイチ
市川レノ
少し心配げに見つめる市川
日比野カフカ
日比野カフカ
四ノ宮キコル
日比野カフカ
市川レノ
意に介していないように、視線を向けずに少々心配な男に声をかける
日比野カフカ
ブロロロ…
「防衛隊」と大きく書かれた四駆が門を通り抜ける
保科宗四郎
凛とした声を張り上げ、小隊長に指示する
ババッ
亜白ミナ
亜白以外が敬礼する中、車の扉が開かれる
バタンッ
睦月灯
肩に届くかどうかの髪と、鋭く細めらた紫がかった瞳
第五部隊隊長の、睦月灯だ
睦月灯
睦月灯
無表情で隊員たちを見つめる
保科宗四郎
小隊長たち
誰も、何も喋らない
亜白ミナ
睦月灯
鋭い目が亜白ミナへと向けられる
亜白ミナ
睦月灯
睦月灯
先ほどの凛とした佇まいはどこへやら
口角がひくひくと引き攣っている
保科宗四郎
保科宗四郎
小隊長たち
睦月灯
亜白ミナ
睦月灯
睦月灯
保科宗四郎
睦月灯
日比野カフカ
市川レノ
出雲ハルイチ
四ノ宮キコル
瞬間、全員の思考が一致した
なんだあれ
視察に来たのがあの第五部隊隊長であることもなかなかの衝撃だが
遠目から見てもわかるほど和やかな雰囲気
そして先ほどまで凛とした、隊長に相応しい様子を見せていたというのに
何故か今はふわふわと笑っている第五部隊隊長がいる
神楽木葵
神楽木葵
神楽木葵
淡々と説明をやってのける神楽木
何故そんなに冷静でいられる、と隊員たちは心の中で毒つく
睦月灯
睦月灯
保科宗四郎
保科宗四郎
睦月灯
会ったこともない睦月灯がこちらへ向かってくるのを見
隊員たちは一斉に敬礼をし、構える
睦月灯
睦月灯
隊員たち
声を張り上げて受け答える
どことなく頼りないが、一応上官だからだ、一応
睦月灯
あははとこれまた隊長らしかぬ笑みを浮かべる睦月
隊員たちの不安が増倍する
睦月灯
ミナちゃん⁉︎
再度全員の心の声が一致する
亜白ミナ
なぜスルー⁉︎慣れてる⁉︎
と、再度混乱の渦に隊員たちが犠牲となる
睦月灯
宗四郎⁉︎
部下とはいえ、自身の上官を二度も呼び捨てにされ、かなり衝撃的な隊員たち
睦月灯
睦月灯
一泊二日⁉︎
これには小隊長たちもざわめき出す
小隊長たち
小隊長たち
保科宗四郎
ざわめきを突き破るように保科が口を挟む
保科宗四郎
睦月灯
睦月灯
保科宗四郎
お決まりの笑みを顔に貼り付け、睦月へ顔を向ける
保科宗四郎
亜白ミナ
亜白ミナ
嵐のように去っていった上官たちを見送る隊員たち
各々の想いはぞれぞれだが、どれも困惑の部類である
日比野カフカ
日比野カフカ
しかも、隊長としての矜持もプライドも責任感もどこにもないように見える人間だ
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
四ノ宮キコル
どこが⁉︎
少々困惑しながらも説明をする四ノ宮のことばに
隊員たちの不安と衝撃が10倍に跳ね上がった