ぶつかった男性の両目には、 大きな傷が重なってついていて、 ずっと目を瞑っているし… おそらく目は見えないのだろう。

私は男性の腕を掴んだ。 自分で言うのもなんだが 大胆すぎた行動に出た。

その後数分間お話しして、 その日はお開きになった。

唯一わかったのが、 その男性の名前は「仁」ということ。 そして、仁さんは 他の人と雰囲気が少し異なっている こと。

なにか、違ったんだ。 私が今まで会ってきた人と。

次の日…

なぜだか知らないけれど、 仁さんと会うのが少し楽しみだった。

私は、昨日たまたま 目の見えない男性に会って、 その人は雰囲気が周りと違っていた、 ということを話した。

キーンコーンカーンコーン

今日の授業では バスケットボールをやるみたいだ。

…そんなこと、あるわけが ないよ……

だって…

ダンッ、ダンッ、ダンッ

ガコンッ、ガコンッ…… ダンッ、、ダンッ、、

…仁さんのことが 頭から離れない。

好きになったとか そういうのじゃなくて、 あの"雰囲気"がなにによるものかが 気になるのだ。

ガッ

ドサァッ

…仁さんのことを考えていたら ボールに躓いて転んでしまった。

ぶっちゃけ言うと私は 保険の先生の名前を知らない。 まぁ、いいか。

ガララッ

ランチの時間…

急いで食べ終えた。 まだあと3分ある。

食べたものが出てきそうだ。

明らかに、態度が違う。 まぁこれはもう慣れた。 結構辛いけど、これに関しては もう諦めかけている。 私が怖いのは あの人の何を考えているかわからない 視線だけだ。

○/○ 〇〇高校との練習試合 時間…△:△△〜△:△△ メンバー:平田、優美、志音

今回も…か。

あまり話したことはないけれど 志音さんは私の同級生でもあり クラスメイトだ。 正直運動神経がいいとは言えない。 ただ単に松本からの 好感度が高いのだろう。

…疲れたな。

下校時間…

時間はあっという間に過ぎた。

時間がやばい。 足は痛いままだったけれど 私は神社へ走った。

帰っちゃったかな？ 私が明日もここに来てって 言ったのに遅れるとか…私最低。