栗原 紬希
紬希は暗闇を走っていた。
栗原 紬希
栗原 紬希
走る先に、誰かの背中が見えた。
栗原 紬希
栗原 紬希
紬希は無意識にそう叫ぶ。
「お兄ちゃん」は振り返った。
栗原 紬希
「お兄ちゃん」の顔は真っ黒に塗りつぶされていた。
栗原 紬希
栗原 理仁
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
紬希はバッと起き上がった。
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
その時、コンコンと扉がノックされる。
母
栗原 紬希
栗原 紬希
何だったんだろう、さっきの夢
私にとってのお兄ちゃんは栗原理仁
そして善くんも私にとってはお兄ちゃん
栗原 紬希
栗原 理仁
栗原 理仁
栗原 紬希
2人は玄関の扉を開けた。
家の前には
伊東 善
ニコッと笑った笑顔の善が立っていた。
栗原 紬希
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
伊東 善
栗原 理仁
理仁はあからさまに「嫌だ」と言うように顔をしかめた。
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
栗原 理仁
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
伊東 善
栗原 紬希
栗原 理仁
栗原 紬希
紬希は俯いて考え込んでいると、
「キャーーー!!!!」
キンとした叫び声が耳に入ってきた。
3人はビクリと肩を震わせる。
栗原 紬希
伊東 善
道の奥では人々が焦った様子で逃げているのが見えた。
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 理仁
栗原 理仁
伊東 善
「逃げてー!!!」
「そっちに行ったぞ!!!」
大人たちはこちらを指さして何かを叫んでいる。
栗原 紬希
栗原 理仁
伊東 善
紬希たちに向かって全速力で走ってくるのは__
刃物を持った男だった。
伊東 善
栗原 紬希
あんな刃物で刺されたら__
ゾッと寒気がした。
栗原 理仁
栗原 紬希
紬希の足は棒のようになって動かなくなってしまった。
栗原 紬希
怖いはずなのに
今すぐ逃げたいはずなのに
体が……
動かない
伊東 善
後ろからドンドン、と通り魔が向かってくる足音がする。
栗原 紬希
死ぬ……
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
善は紬希の方へ手を伸ばす。
その時、
紬希は理仁にグイッと腕を掴まれ、そのまま理仁の胸に顔が収まった。
栗原 紬希
栗原 理仁
理仁は苦しそうな唸り声を出した。
伊東 善
栗原 紬希
見えない
何が起こったのか、見えない
「キャー!!」
叫び声と同時に、
理仁は力が抜けるように紬希から離れ、その場に倒れ込んでしまった。
栗原 紬希
栗原 紬希
理仁の背中の穴からは血がドクドクと流れていた。
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
私を庇って
背中を刺されたの?
栗原 紬希
通り魔
栗原 紬希
通り魔の男は紬希に向かって刃物を振り下ろす。
伊東 善
その時、
善が通り魔の男に思いっきり体当たりをした。
通り魔
通り魔はバランスが崩れ、その場に倒れ込む。
それを見た周りの大人たちは通り魔の男を捕らえた。
伊東 善
善は慌てて紬希の方へ駆け寄った。
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 理仁
理仁はその場に倒れ込みながら苦しい表情を見せた。
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
紬希の目からは涙がこぼれおちた。
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
栗原 紬希
栗原 理仁
栗原 紬希
栗原 理仁
しかし、理仁の背中からは出血が止まらない。
女性
女性
伊東 善
栗原 紬希
私のせいで
お兄ちゃんが……
手術室の前で2人は待機をしていた。
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 紬希
紬希は自分の唇を噛み締めた。
伊東 善
伊東 善
伊東 善
栗原 紬希
その時、病院の廊下からドタドタという足音が近づいてきた。
母
栗原 紬希
栗原 紬希
紬希の母が顔をぐちゃぐちゃにさせ、泣きながら紬希のことを抱きしめた。
母
母
母
栗原 紬希
安心から、ぶわっと涙が溢れ出てくる。
栗原 紬希
栗原 紬希
栗原 紬希
母
母
母
栗原 紬希
母
母
栗原 紬希
すると母は善の方へ顔を向け口を開いた。
母
母
伊東 善
母はバッと善に向かって深く頭を下げた。
伊東 善
母
伊東 善
伊東 善
母
母
母
栗原 紬希
紬希は善に向かって頭を下げた。
伊東 善
栗原 紬希
栗原 紬希
伊東 善
伊東 善
伊東 善
伊東 善
伊東 善
善は優しく微笑んだ。
コメント
1件
まさか刺されるとは思ってなかった…っ‼️怖くて仕方なかった… 理仁くん、死ぬかと思ったぁ………ッッッッッ😭😭😭 そういう物語になってくのかな、って思っちゃってバリ怖かったんだけど😭 面白い〜〜✨️